グリシンの効果と睡眠・美肌への健康作用

グリシンの効果

グリシンの主な健康効果
😴

睡眠の質向上

深部体温を下げて深い眠りと熟眠感を改善

美肌・コラーゲン生成

コラーゲンの約3分の1を構成し肌のハリを保つ

🛡️

抗酸化・解毒作用

グルタチオン合成を助け活性酸素を除去

グリシンの睡眠への効果

グリシンは、睡眠の質を向上させる効果が科学的に実証されているアミノ酸です。就寝前にグリシンを摂取すると、手足の表面血流が増加して体内の熱を外に逃がす熱放散が促進され、深部体温(体の中心部の体温)がスムーズに低下します。深部体温の低下は質の良い睡眠に不可欠であり、この作用によってグリシンは寝つきを改善し、深いノンレム睡眠の時間を増加させることが報告されています。

参考)グリシン|栄養素バンク|株式会社シクロケム


睡眠障害を持つ人を対象とした研究では、グリシン摂取により睡眠の安定性や睡眠効率が改善されることが確認されました。さらに、起床時の眠気や疲労感を軽減する効果も認められており、翌朝の爽快感や日中のパフォーマンス向上にも貢献します。スタンフォード大学の研究では、睡眠時間を増やすだけでバスケットボール選手の全力ダッシュのタイムが短縮し、フリースローと3ポイントの成功率が向上したことが報告されており、質の良い睡眠が運動パフォーマンスに直接影響することが示されています。

参考)グリシン 効果とは?睡眠や美肌へのパワーを徹底解説 href=”https://asitano.jp/article/8010″ target=”_blank”>https://asitano.jp/article/8010amp;#82…


グリシンは神経伝達物質としても機能し、脳内で抑制性の作用を持つグリシン受容体に結合することで、興奮を鎮めてリラックス効果をもたらします。このメカニズムは、グリシンが睡眠だけでなく精神安定やストレス軽減にも寄与することを示しています。

参考)【グリシンについて】/鎌倉のパーソナルジムが解説いたします!…

グリシンの美肌・コラーゲン生成への効果

グリシンは美肌維持に重要な役割を果たすアミノ酸です。肌のハリや弾力を保つコラーゲンは、その構成成分の約3分の1がグリシンで占められており、グリシンの十分な摂取はコラーゲンの効率的な生成をサポートします。コラーゲンは加齢とともに体内での生成量が減少し、質も低下するため、シワやたるみといった肌の老化が進行しやすくなります。

参考)グリシンの効果とは?睡眠・美肌・疲労回復へのメリットを解説 …


研究によると、グリシンを摂取することで肌の水分量が増加し、弾力性が改善されたという報告があります。これはコラーゲン合成の促進に加え、グリシン自体が保湿作用を持つ可能性も示唆されています。また、グリシンは肌のバリア機能を支える天然保湿因子(NMF)の構成成分でもあり、肌のうるおいを保つ働きが期待されています。

参考)グリシンの効果とは?睡眠や美肌への知られざるパワーを徹底解説…


さらに、グリシンは体内の強力な抗酸化物質であるグルタチオンの材料となります。グルタチオンはグルタミン酸、システイン、グリシンの3つのアミノ酸から構成されるトリペプチドで、活性酸素を除去して細胞の酸化ストレスを抑える働きがあります。この抗酸化作用により、肌を酸化ストレスから守り、シミやくすみといったダメージの予防にも繋がる可能性があります。

参考)https://www.rakuten.ne.jp/gold/pycno/special/gurutation.html

グリシンの抗酸化・解毒作用

グリシンは体内でグルタチオンの合成に不可欠なアミノ酸です。グルタチオンは特に肝臓・皮膚・目の水晶体に多く含まれる抗酸化物質で、肝臓には3〜5mMという高濃度で存在し、体の「解毒工場」を支えています。グルタチオンには活性酸素を還元して消去する強力な抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の原因となる酸化ストレスから体を守ります。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5855430/


研究では、グリシンの補給が組織のグルタチオンレベルを上昇させ、酸化ストレスを軽減することが報告されています。グリシンは食事だけでは合成が十分でない「準必須アミノ酸」とも考えられており、組織のグリシンレベルがグルタチオン合成酵素のミカエリス定数(Km)よりも低いため、グリシンの補給がグルタチオン合成を促進する可能性が示されています。​
さらに、グリシンには抗炎症効果もあります。核内因子カッパB(NF-κB)の発現を調節することで、炎症性サイトカインの産生を抑制し、遊離脂肪酸の濃度を低下させ、インスリン反応を改善することが報告されています。動物実験では、グリシンの補給が脂肪肝非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の症状を改善することも示されています。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10379184/

グリシンの運動パフォーマンスへの効果

グリシンは運動パフォーマンスを高める効果が期待されるアミノ酸です。グリシンは体内でアルギニンおよびメチオニンとともにクレアチンの原料となります。クレアチンは筋収縮のエネルギーを供給する重要な物質で、高強度の運動において特に効果を発揮します。

参考)グリシンとは|効果や副作用、グリシンが含まれる食品を解説 -…


クレアチンの摂取により、挙上重量の増加、瞬発的なパワーの向上、短距離走のタイム短縮などの効果が報告されています。国際スポーツ栄養学会の報告によると、1週間クレアチンを摂取し続けることで除脂肪体重が2kg増加し、筋力が3%程度向上したとされています。28名の65歳以上の健康な男女を対象とした研究では、14週間のレジスタンストレーニング時にクレアチン5g/日を摂取することで、プラセボと比較して除脂肪体重が有意に増加しました。

参考)クレアチンの効果や正しい飲み方とは


また、グリシンの睡眠改善効果は、運動後の疲労回復にも貢献します。質の高い睡眠は筋肉の修復やエネルギー回復に不可欠であり、グリシンを摂取して睡眠の質を高めることで、トレーニング効果を最大化できる可能性があります。さらに、研究では、グリシンの補給が高強度運動時の乳酸蓄積を減少させ、ピークパワー出力を向上させる可能性も示唆されています。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC11510825/

グリシンの摂取量と注意点

グリシンには1日あたりの明確な目安摂取量は定められていませんが、サプリメントでの摂取の場合は1日あたり3000mgが推奨されています。睡眠の質向上を目的とする場合、機能性表示では3g/日が基準とされており、男女差はありません。グリシンの血中濃度は摂取から30分後にピークを迎え、その後約4時間かけて半分になるため、就寝の30分〜1時間前に摂取するのが効果的です。

参考)グリシンの睡眠効果は?いつ飲むのがいい?副作用の危険はある?…


グリシンは非必須アミノ酸であり、通常の食事やサプリメントの服用では過剰摂取になりにくい安全性の高い成分です。ただし、大量に摂取した場合、吐き気、腹痛、下痢などの消化器系の不調が一時的に現れる可能性があります。これらの症状は摂取量を減らすか中止することで速やかに改善することが多いとされています。動物実験では、グリシンを大量に投与した場合に呼吸筋の麻痺が起こる可能性が報告されているため、推奨量を守ることが重要です。

参考)グリシンは体に悪いは嘘?副作用と正しい飲み方を徹底解説 href=”https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/62227/” target=”_blank”>https://www.shinagawa-mental.com/othercolumn/62227/amp;#…


腎臓や肝臓に持病がある方は、グリシンの代謝がスムーズに行われない可能性があるため、摂取前に必ず医師に相談してください。妊娠中・授乳中の方や、他のサプリメントや医薬品を併用している場合も、念のため医師や薬剤師に相談することが推奨されます。精神科医の見解では、1日3g程度の一般的な用量であれば安全に使用できますが、グリシンはあくまで補助的な役割を果たすものであり、生活習慣の改善やストレス管理と併せて使用することが大切とされています。

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グリシンを多く含む食品

グリシンは動物性タンパク質に多く含まれており、特にゼラチン、魚介類、肉類に豊富です。全食品中で最もグリシン含有量が多いのは豚のゼラチンで、100gあたり24000mgものグリシンが含まれています。次いでホタテ貝の貝柱(煮干し)が7700mg、するめが5000mgと、魚介類も高い含有量を示します。

参考)グリシンの効果・1日の摂取目安量・多く含む食品・効率よく摂取…


その他、以下のような食品にグリシンが多く含まれています:

参考)グリシンを多く含む食品

  • 大豆タンパク(分離大豆タンパク):100gあたり3600mg
  • かつお節・削り節:100gあたり3400〜3500mg
  • エビ(クルマエビ):100gあたり2600mg
  • 高野豆腐:100gあたり2300mg
  • ホタテガイ(生):100gあたり1700mg
  • うなぎ(養殖、生):100gあたり1700mg
  • きな粉:100gあたり1600〜1700mg

魚介類の中では、ホタテ、するめ、タラ、サバなどに多く含まれています。ゼラチンや軟骨は大量に摂取するのが難しいため、日常的には魚介類を中心に摂取するのが効率的です。また、ランキングには入っていませんが、パルメザン、エダム、チェダーなどのナチュラルチーズにもグリシンが多く含まれます。​
グリシンを効率よく摂取するには、魚介類や肉類などのタンパク質を含む食品を意識的に摂り、不足分をサプリメントで補うとよいでしょう。また、アミノ酸代謝を促すビタミンB2やビタミンB6を豊富に含む食品を一緒に摂ることで、グリシンを効率よく摂取できます。

参考)グリシンの効果とは?|含まれる食品と目安摂取量・副作用につい…