眼球ろうと診断治療
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眼球ろうの症状と流涙
医療現場で「眼球ろう」という語が使われる状況は必ずしも一定ではないため、まず“瘻(ろう)”を「本来連続しない部位が、炎症・外傷・手術・先天異常などを背景に上皮化した交通路として成立した状態」と整理しておくと安全です。
眼周囲で“ろう”を疑う入口は、患者が訴える違和感よりも、流涙・反復する目やに・皮膚の湿潤や痂皮・局所の圧痛や腫脹など「排出路が変化したサイン」であることが多いです。
特に涙の経路がうまく機能しないと流涙が起き、原因として涙道の通過障害や結膜弛緩症などが挙げられるため、まず“涙が多い”のか“涙が流れない”のかを問診と視診で分けます。
次に、目頭(内眼角)周囲の所見は重要です。涙嚢炎・涙道疾患では、目頭付近の発赤腫脹、圧迫で粘液や膿性分泌が逆流する所見が診断の手がかりになります。
また涙嚢炎や涙道閉塞がある状態で、白内障手術などの眼内手術を行うと、術創から細菌が眼内へ侵入して眼内炎リスクが上がるため、「ろう/排膿」を疑う患者はまず感染・通過障害の評価が優先です。
現場の落とし穴として、流涙があると「ドライアイ」や「アレルギー」と決め打ちされやすい点があります。涙道系の問題でも反射性流涙が混在しうるため、結膜充血、目やにの性状(粘液性/膿性)、片側優位か、そして目頭圧迫の反応をセットで確認します。senju+1
見逃しやすい“軽症の長期化”は、患者が「涙が出るだけ」と受診を先延ばしにし、慢性炎症→瘻孔形成という経過をたどる契機にもなり得ます(特に高齢者や免疫低下背景では要注意)。
眼球ろうの原因と涙道閉塞
眼周囲の“ろう”を原因から整理すると、①先天性(発達過程の異常)、②炎症性(感染・慢性炎症)、③外傷性(骨折など)、④術後性(手術・処置後)をまず想定すると鑑別が速くなります。
涙道関連では、先天性涙管瘻(先天性涙道瘻)が知られており、皮膚と共通涙管・涙嚢・鼻涙管を結ぶ上皮性の管として形成されることがある、とまとめられています。
先天例は「小児期から片側の流涙」などで見つかる一方、成人で初めて問題化することもあり、感染を契機に分泌物が増えて“目頭の小孔”が目立つケースもあります。
炎症性で重要なのは、涙道閉塞→涙嚢内に貯留→感染→涙嚢炎→周囲炎という連鎖です。涙嚢内に炎症が起きると目頭周囲の強い痛みや腫れを生じ、重症化して眼窩蜂窩織炎へ進む例もあるとされています。
参考)日本小児眼科学会
この段階で皮膚側に排膿路が形成されると、臨床的には「瘻孔(皮膚への出口)」として観察されるため、眼球そのものというより「眼周囲(涙嚢~皮膚)」の異常交通として理解すると現実的です。japo-web+1
加齢変化としての結膜弛緩症も流涙の原因になり得ますが、これは「流れない涙」ではなく「涙が増えた/涙が溜まりやすい」側面が強く、感染性の“ろう”と同列に扱うと診断がぶれます。
参考)涙道閉塞症(るいどうへいそく)|かつむらアイプラストクリニッ…
したがって、流涙患者で「反復する腫脹・圧迫で逆流・膿性分泌」があれば涙道閉塞や涙嚢炎を優先し、単なる結膜弛緩症と混同しないことが実務上の安全策です。eye-plast+1
眼球ろうの診断とCT
診断は「交通路がどこからどこへ成立しているか」を言語化できることがゴールです。眼周囲の瘻孔疑いでは、視診(皮膚開口部、湿潤、痂皮)、触診(圧痛、波動)、目頭圧迫での逆流、分泌物の性状確認を行い、涙道疾患の可能性をまず評価します。
涙道疾患の評価では、日本眼科医会などが公開している「涙道内視鏡診療の手引き」のように、内視鏡を用いた観察・診断の枠組みが提示されています。
また、涙道周辺の異常交通や閉塞を疑う場合、涙道内視鏡で閉塞部位や粘膜状態を直接観察できるため、単なる通水・ブジーより“原因に近い情報”が得られます。
外傷性の背景がある場合はCTが非常に有用です。例えば眼窩骨折では、複視、眼球陥凹/突出、結膜下出血、皮下・眼窩内気腫などが症状として記載されており、骨・副鼻腔・眼窩内容の評価が必要になります。
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo/54/1/54_1_35/_pdf
骨折が副鼻腔と接する部位に及ぶと、炎症の遷延や気腫、二次感染など「眼周囲の炎症環境」をつくり、結果として排膿路形成(瘻孔)を助長する要因になり得るため、外傷歴は必ず確認します。
画像では、骨折線・副鼻腔陰影・軟部組織腫脹に加え、眼窩内容の落ち込みや位置異常なども評価対象になります。
検査結果の伝え方(診療録・紹介状)では、「眼球ろう」だけで終わらせず、例として「涙嚢炎+涙道閉塞疑い」「涙嚢〜皮膚瘻孔疑い」「外傷後の眼窩骨折合併」など、解剖と病態を併記すると後工程(眼形成・耳鼻科・形成外科連携)が円滑です。jstage.jst+1
(涙道内視鏡の適応・観察ポイントの全体像:診断の考え方、代表的所見)
https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/resources/member/guideline/lacrimalduct_endoscope.pdf
(眼窩骨折の症状・CT所見・治療方針の整理:外傷背景の鑑別に有用)
眼球ろうの治療と手術
治療は「感染の制御」と「通路(閉塞や異常交通)の根治」を分けて考えると整理しやすいです。涙嚢炎や涙道閉塞が疑われる場合、まず抗菌薬や局所管理で急性炎症を抑え、感染性分泌が続く状態での眼内手術は回避する、という安全設計が重要です。
そして根治には、閉塞部位や病態に応じて涙道手術(例:涙道再建、鼻涙管経路の再建、瘻孔切除など)が検討され、ここで涙道内視鏡が術式選択の判断材料になります。
先天性涙管瘻のように“皮膚へ涙が出る”タイプでは手術治療の対象になり得るとされており、症状(流涙・感染)と整容面を含めて適応を判断します。
外傷関連(眼窩骨折など)では、眼球運動障害や眼位異常の回復、眼窩壁再建の要否など、眼窩内容の障害度に応じた治療戦略が必要です。
この領域は眼科単科で完結しないことも多く、眼形成・耳鼻科・形成外科で「副鼻腔と眼窩の境界」「涙道の走行」「瘻孔の出口」を共有して手術計画を立てると、再発や遷延を減らせます。nichigan+1
合併症の視点では、慢性の涙道炎症が続くと眼表面障害(角膜びらんなど)や生活の質低下につながり、さらに眼内手術予定がある患者では感染リスク管理がよりシビアになります。
現場の意外なポイントとして、「症状が軽い=安全」ではなく、“圧迫で逆流する”段階は感染巣が貯留しているサインなので、放置せず専門的評価につなげるほうが医療安全上も合理的です。
眼球ろうの独自視点と医療安全
検索上位に多い解説は「症状・原因・治療の一般論」に寄りがちですが、医療従事者向けには“運用”の視点が重要です。具体的には、流涙や目やにで受診した患者に対し、①片側か両側か、②目頭圧迫で逆流があるか、③眼内手術予定があるか、の3点を初診で固定テンプレとして拾うだけでも、見落としの確率が下がります。
特に③は盲点になりやすく、涙道閉塞や涙嚢炎があると眼内炎リスクにつながるため、術前に涙道疾患を治しておく必要があると明記されています。
この“手術前スクリーニング”を院内ルール化すると、個人の経験差に依存しない安全網になります。
もう一つの独自視点は、患者説明のフレーミングです。「涙が多い」という訴えを単純なドライアイ扱いにせず、「涙が作られすぎているのか、流れ道が詰まっているのか」を図示して説明すると、涙道内視鏡や画像検査への納得が得やすくなります。senju+1
また、涙道閉塞や涙嚢炎は長引くと周囲炎へ進み重症化し得るとされるため、「早めに原因を確かめる」意味づけが患者の受療行動を後押しします。
最後に記録の工夫として、「眼球ろう」という曖昧語を使う場合でも、所見を分解して書く(例:流涙+目頭圧迫で膿性逆流+内眼角皮膚の湿潤)ことで、紹介先が即座に同じ絵を描けます。
この“言語化”は診療連携だけでなく、医療安全・訴訟リスク・術前管理の観点でも地味に効く実装ポイントです。

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