dx加算 薬局 要件 4月から
dx加算 薬局 要件 4月から:施設基準のコア(電子資格確認・電子処方箋・薬歴)
医療DX推進体制整備加算(調剤)を4月以降も算定する前提として、まず「オンライン資格確認(電子資格確認)を用いて取得した診療情報を閲覧または活用して調剤できる体制」を持つことが核になります。
これは単に顔認証付きカードリーダーがある、という設備論にとどまりません。現場では「取得した情報を見たことが業務フロー上で説明できる」状態(例:服薬状況・特定健診情報の参照を薬歴に反映する運用)が問われやすく、形だけ整えても事故時に説明できないと脆弱です。
4月から特に重くなるのが電子処方箋の取り扱いです。調剤では「電子処方箋を受け付けて当該電子処方箋により調剤する体制を有すること」に加え、紙の処方箋で調剤した場合も含めて「原則として全てにつき調剤結果を速やかに電子処方箋管理サービスに登録する」ことが要件として示されています。
参考)2025年4月から変わる 医療DX加算などの期中改定ポイント…
この“紙も含め原則すべて登録”は、レセコン連携・運用手順・担当割り当てが未整備だと、忙しい時間帯に「登録漏れ」が起きやすい構造です。
さらに、調剤側の施設基準として「電磁的記録による調剤録および薬剤服用歴の管理体制」が求められます。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001521280.pdf
薬歴が電子であっても、調剤録(調剤の事実関係)と薬歴(服薬指導・評価)の整合が取れない運用は監査で説明が難しくなるため、電子薬歴ベンダー任せにせず「誰が・いつ・どのタイミングで確定させるか」を手順書に落とすのが安全です。
dx加算 薬局 要件 4月から:マイナ保険証利用率の“段階”と点数の読み方
4月以降の見直しでは、医療DX推進体制整備加算(調剤)は「10点/8点/6点」の3段階に整理されています。
この段階は、主としてマイナ保険証利用率などの実績要件と連動するため、「設備投資は終わっているのに点数が落ちる(または算定できない)」現象が起こり得ます。
資料では、マイナ保険証利用率の実績要件が時期により引き上げられる設計になっており、令和7年4~9月に向けて加算1相当は45%、加算2相当は30%、加算3相当は15%とする方向が示されています(医科・歯科・調剤を通じた枠組みとして提示)。
薬局現場で重要なのは、この“利用率”が「窓口での声かけ件数」ではなく、オンライン資格確認の利用実績に基づく評価として運用される点で、体感とズレやすいことです。
意外と見落とされがちなのが「利用率未達=即、届出直しが必要」ではないケースがあることです。
一部の整理では、基準に満たないため“算定できなくなる”場合でも、届出の出し直しや辞退が不要とされる局面があり、実務上は「算定区分が変わる/算定できない」だけが発生します。
現場対策としては、患者対応の“声かけ”だけでは不十分で、受付導線(カードの出しやすさ、暗証番号が不安な人への案内、資格確認書への切替希望の整理)まで含めて、毎日回る仕組みに落とし込むと利用率が安定します。
参考)https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001388387.pdf
dx加算 薬局 要件 4月から:届出直し・辞退が必要なパターン(4/4期限の扱い)
4月対応で最も実害が大きいのは、算定漏れよりも「届出の整合性が崩れる」ことです。
九州厚生局の資料では、令和7年4月4日(金)までに、要件に該当する医療機関・薬局は施設基準の“届出直し・辞退が必要”と明記されています。
薬局の分岐はシンプルに見えて難所があります。資料では、届出当時に電子処方箋を未導入として届出をしており、かつ令和7年4月1日までに電子処方箋が未導入のままの場合「辞退が必要」と整理されています。
一方で、届出当時に未導入であっても、4月1日までに導入済みになっている場合は「届出直しは不要」とされています。
逆に、届出当時は未導入と申告していたが、4月1日までに導入した(あるいは導入済みになっている)のに、何らかの理由で“導入済みとして扱われる運用要件(受付・調剤・登録)”が回っていないと、形式上は導入済みでも実態が伴わない状態が起きます。
このギャップは監査・個別指導で「体制を有している」と言えるかどうかの論点になり得るため、導入の定義(受付→調剤→登録)を薬局内で一致させておくと安全です。
また、4月以降に新規で算定を始める場合は「新たな様式で施設基準の届出が必要になる」旨が示されており、今後の通知等で詳細が示される予定とされています。
したがって、4月の時点では“様式待ち”で止めるのではなく、今ある要件(電子処方箋運用・掲示・相談対応・薬歴管理)の準備を先行させ、様式が出たらすぐ提出できる状態にしておくのが現実的です。
dx加算 薬局 要件 4月から:掲示・ウェブサイト・相談対応(地味に効く監査ポイント)
施設基準には、医療DX推進の体制に関する事項、そして「十分な情報を取得し活用して診療(調剤)を行うこと」について、見やすい場所およびウェブサイト等に掲示することが含まれます。
ここは“やったつもり”が起こりやすく、院内掲示はあるがウェブサイトが未整備、または文言が古いまま、という状態が生まれます。
さらに、マイナポータルの医療情報等に基づき、患者からの健康管理に係る相談に応じることが要件として含まれます。
薬局での実装は、重い健康相談を新規に抱え込むというより、「マイナポで見られる情報(健診・薬剤等)に関連する説明を、薬剤師の専門性に沿って行える窓口を用意する」設計が現実的です。
意外に知られていない運用上のコツは、“相談対応=対面だけ”に固定しないことです。
掲示やウェブに「相談の受付方法(時間帯、予約可否、電話・オンラインの可否)」を明確にすると、現場の突発負荷を下げつつ、要件の説明可能性を高められます。
dx加算 薬局 要件 4月から:独自視点:電子処方箋の“登録漏れ”を潰すチェック設計
検索上位では「導入する」「届出する」に注目が集まりがちですが、実務で起きやすい事故は“導入後の登録漏れ”です。
要件には「紙の処方箋を受け付け、調剤した場合を含めて、原則として全てにつき調剤結果を速やかに電子処方箋管理サービスに登録」とあり、ここを落とすと「体制を有している」と言いにくくなります。
そこで、薬局内のチェック設計を“二重化”すると安定します。
おすすめの作り方は次の通りです(入れ子にしない運用チェックとして)。
- ✅受付時:電子処方箋か紙かをレセコン上で必ず区分入力し、未入力は会計に進めない。
- ✅調剤時:電子処方箋は「調剤確定=登録準備完了」ではない、と定義し、登録までを一連の完了条件にする。
- ✅会計前:当日分の“未登録一覧”を出力(または画面表示)し、ゼロでないと締め処理できない運用にする。
- ✅日次:締め後に“登録件数=処方箋受付件数(対象範囲)”の突合をし、差分が出たら原因を分類して再発防止する。
この設計の意外なメリットは、「特定の人だけが電子処方箋に詳しい」属人性を減らせる点です。
また、登録漏れが減ると、結果として“電子処方箋を使っている実態”が積み上がり、体制要件の説明もしやすくなります。
必要に応じて、関連研究として「電子処方箋が薬剤重複や相互作用の検出に寄与し得る」という文脈は国際的にも議論されていますが、薬局ブログでは制度要件の範囲を超えて断定しないほうが安全です(紹介に留める)。
PubMed(電子処方箋・medication safety関連論文の検索)
医療DX推進体制整備加算の要件・点数・経過措置(一次資料の根拠)
厚生労働省:医療DX推進体制整備加算等 の要件の見直しについて(PDF)
届出直し・辞退が必要なケースと期限(4/4まで)の整理
九州厚生局:令和7年4月4日までに施設基準の届出直し・辞退が必要(PDF)

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