瞳孔閉鎖 とは
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瞳孔閉鎖 とは 原因と病態(瞳孔ブロック・散瞳誘因)
「瞳孔閉鎖」という言い方は文脈で幅があり、現場では①瞳孔の反応が乏しい/固定して見える状態(臨床所見としての“動かない瞳孔”)と、②房水の流れが瞳孔部で妨げられる“瞳孔ブロック”機序(病態)を混同しやすい点が重要です。とくに後者は、狭隅角の眼で散瞳が引き金となり、虹彩と水晶体の接触が増えて房水の前房への流れが遮断され、虹彩周辺部が前方へ膨隆して隅角閉塞→急速な眼圧上昇に至る、という流れで理解すると整理しやすくなります。
閉塞隅角緑内障の背景には、加齢による水晶体の肥厚などで隅角が狭くなる解剖学的素因があり、アジア系ではリスクが高いことも押さえどころです。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/488e80cdf98b863aa88c4daa116c4f1ad558d6ec
また、散瞳誘因は「散瞳薬」だけではなく、暗所・興奮などの生理的散瞳も関与し得るほか、うつ向き作業や読書で水晶体が前方移動し誘発要因になる、といった臨床的に覚えておくと役立つ記載もあります。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/b4323412f617a416458231a8cbe9086a2a7301e0
医療従事者向けの注意点として、処方・投与の場面で「散瞳を起こしうる薬剤」を意識する必要があります。散瞳点眼薬はもちろん、全身投与される抗コリン作用薬などもリスクになり得るため、狭隅角が疑われる患者では前房深度評価を行うべきだとされています。
瞳孔閉鎖 とは 症状(眼痛・頭痛・悪心・嘔吐)と所見
急性閉塞隅角緑内障(いわゆる急性発作)の症状は、重度の眼痛・充血、視力低下、虹暈(光の周りに輪が見える訴え)、頭痛、悪心・嘔吐など多彩で、眼症状より全身症状が前面に出て誤診されることがある点が臨床的に厄介です。
診察所見としては、結膜充血、角膜混濁(角膜浮腫)、中等度散瞳で固定した瞳孔、前房炎症が典型とされ、眼圧は40~80mmHgに達し得ます。
ここで「瞳孔閉鎖」という語感に引っ張られて縮瞳をイメージするとズレます。急性発作では“中等度散瞳で固定”がむしろ典型で、瞳孔所見は緊急度を示す強いシグナルになります。
一方、慢性・間欠性では、霧視や頭痛が睡眠で軽減する(縮瞳や水晶体の位置変化が関与しうる)など、症状が曖昧で見逃されやすい説明もあります。
臨床のコツとしては、「片眼の眼痛+頭痛・嘔吐」をみたら消化器疾患や片頭痛の前に眼圧と瞳孔を確認する、という行動目標に落とすことです。semanticscholar+1
特に救急外来や内科当直では、眼科的主訴が薄いケースが混じるため、問診で“虹暈”“暗い場所で悪化”などを拾えると早期発見に繋がります。
瞳孔閉鎖 とは 検査(眼圧・隅角・前房深度)と鑑別
急性閉塞隅角緑内障の確定は、臨床所見と眼圧測定が柱で、患眼は角膜混濁などで隅角鏡検査が困難なこともあるとされています。
このとき有用なのが健眼(反対眼)の評価で、反対眼に狭隅角が示唆されれば原発閉塞隅角の可能性が上がり、反対眼の隅角が広ければ別の原因(続発性など)も考慮します。
非眼科領域でも使える簡易評価として、ペンライトで前房深度を大まかに判断する方法が紹介されています。耳側から虹彩と平行に光を当て、鼻側虹彩に影が落ちる場合は狭隅角が疑われる、という考え方です。
この“ペンライトテスト”は、散瞳薬を投与する前にリスクを拾う目的でも意味があります。
鑑別の実務では、「瞳孔が固定している=必ず緑内障発作」と決め打ちしないことも重要です。薬剤性散瞳、外傷、眼内レンズ関連、神経学的異常などでも瞳孔異常は起こり得るため、眼圧・角膜所見・前房の浅さがセットで揃うかを確認します。
一方で、閉塞隅角緑内障は“救急疾患として治療する”と明記されているため、疑った時点で眼科コンサルトに繋げる判断が優先されます。
瞳孔閉鎖 とは 治療(点眼・内服・点滴・レーザー虹彩切開術)
急性閉塞隅角緑内障では、永久的な視力障害を防ぐために直ちに眼圧を下げる治療を開始し、その後に根治治療としてレーザー周辺虹彩切開術(LPI)を行う、という段取りが基本です。
薬物治療として、チモロール、ピロカルピン、ブリモニジンの点眼、アセタゾラミドの内服/静注、さらに高浸透圧薬(グリセロール、マンニトール、イソソルビド等)を組み合わせるレジメンが提示されています。
現場で意外に落とし穴になりやすいのが、眼圧が非常に高い局面では「ピロカルピンが効きにくい」ことです。眼圧が40~50mmHgを超える場合、瞳孔括約筋が無酸素状態で縮瞳薬が効きにくいとされ、薬剤反応を過信しない姿勢が必要です。
また、角膜が混濁してレーザーが難しいほど重症な場合には、薬物治療や手術が必要になることもあり、眼科側の判断で治療選択が変わります。
LPIは瞳孔ブロックに“穴を開けて”房水の逃げ道を作る根治治療で、患眼だけでなく反対眼にも予防的に行うことが多い(反対眼の発作リスクが高い)とされています。semanticscholar+1
慢性・間欠性でもLPIが推奨され、さらに白内障摘出が慢性閉塞隅角緑内障の進行を遅らせるのに役立つ、という記載は治療戦略を考える上で重要です。
すぐに使える形で、初期対応を箇条書きにすると以下です。
- 👁️ 眼圧測定、瞳孔(散瞳・固定)と角膜混濁の確認。
- ⚠️ 疑った時点で、点眼+全身投与を組み合わせて眼圧を速やかに下げる。semanticscholar+1
- 🔦 散瞳薬や抗コリン薬など「散瞳リスク」を中止/回避する。
- 🏥 眼科へ緊急コンサルトし、LPI(必要なら両眼)を手配する。semanticscholar+1
瞳孔閉鎖 とは 独自視点:散瞳を「検査の都合」で起こさない安全設計
検索上位の解説は「発作の症状・治療」に寄りがちですが、医療安全の観点では“散瞳を起こす前の設計”が盲点になりやすいです。閉塞隅角緑内障は散瞳で誘発され得るため、散瞳点眼薬を投与または処方する前に前房深度を評価すべき、という注意が明確に書かれています。
つまり、検査(眼底検査のための散瞳)や他科の処方(抗コリン作用薬など)が、発作の引き金になる経路をシステムとして潰すことが、医療従事者向けの実務論になります。
具体策としては、「散瞳が必要な患者ほど、まず狭隅角を疑う」という逆転の発想が有効です。高齢・遠視傾向・浅前房が疑われる患者で、散瞳を予定するなら、簡易でもペンライトで前房深度を確認し、影が出るなら眼科評価を優先する、という運用に落とし込めます。
また、急性発作は“眼症状より全身症状が目立つことがある”ため、散瞳後に頭痛・吐き気を訴えた患者を「迷走神経反射」や「緊張のせい」で片付けず、眼圧・瞳孔・角膜を再確認する院内フローが安全性を高めます。semanticscholar+1
さらに一歩踏み込むと、患者説明の質が発作の早期受診を左右します。散瞳薬を使う検査や治療の前に、「強い眼痛、かすみ、虹暈、頭痛、吐き気が出たらすぐ連絡」という“具体的な警告症状”を短い定型文で伝えると、発作を初期で拾いやすくなります(症状は急性閉塞隅角緑内障の典型として列挙されています)。semanticscholar+1
最後に、医療者間コミュニケーションとして、紹介状・トリアージ票に入れておくと有用な観点をまとめます。
- 🧾 「散瞳薬使用歴(点眼・貼付・内服)」と使用時刻。
- 👁️ 「中等度散瞳で固定」「角膜混濁」「浅前房」などの所見。
- 📈 眼圧の具体値(可能なら左右)。semanticscholar+1
- 🚑 頭痛・悪心・嘔吐が主訴でも眼科救急の可能性を明記。
参考:閉塞隅角緑内障の症状、診断(ペンライトによる前房深度評価含む)、治療(点眼・全身投与・レーザー虹彩切開術)を体系的に確認できる
参考:散瞳誘因(暗所・興奮・散瞳薬・うつ向き作業など)や、急性/慢性の違い、レーザー虹彩切開術の位置づけを日本語で概観できる
池袋サンシャイン通り眼科診療所:閉塞隅角緑内障

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