中心性漿液性網脈絡膜症と診断と治療と予後

中心性漿液性網脈絡膜症と診断

中心性漿液性網脈絡膜症:臨床で外さない要点
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まず「自然軽快」を前提にする

多くは経過観察で改善しうる一方、網膜下液が遷延すると視機能が残存しやすいため、観察の設計が重要です。

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検査はOCT+必要時造影

OCTで網膜下液を捉え、造影の要否を判断して漏出や併存病変(新生血管など)を見極めます。

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3ヶ月を一つの介入目安に

網膜下液が3ヶ月程度で自然軽快しない場合に治療介入を検討し、第一選択として低強度PDTが位置付けられます。


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中心性漿液性網脈絡膜症の症状と視力

中心性漿液性網脈絡膜症は黄斑部の障害として、中心暗点・小視症・変視症などを訴えうる点が典型です。

視力低下自体は軽い場合が多い一方で、網膜剥離(網膜下液)が治っても「見にくさ」が残ることが少なくないため、患者説明では“視力表の数値だけでは語れない後遺症”に触れると納得感が上がります。

また、網膜剥離が長期間続いたり再発を繰り返すと視力が低下しうるため、初回発症でも「経過が長引くケース」を想定したフォロー設計が必要です。

【現場での問診メモ(例)】

  • 👁️「歪み」「中心が暗い」「小さく見える」の有無(Amsler格子の自覚でも可)。​
  • 📅 発症時期とピーク、改善/増悪の波(再発の把握)。

    参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6707196/

  • 💊 ステロイド使用歴(内服・吸入・外用含む)と中止可否の主治医連携。tsuchiyagankaclinic+1​

中心性漿液性網脈絡膜症の原因とストレス

中心性漿液性網脈絡膜症は、心理的・生理的ストレスが誘因の一つと考えられている点が、国内クリニック解説でも繰り返し述べられています。

さらにステロイド投与が副作用として関与することがあり、ストレス要因の整理だけでなく薬剤歴の棚卸しが診療の起点になります。

一方で原因は完全に解明されていない前提を共有し、患者には「休養=治療」になり得ることと「漫然放置は別問題」をセットで伝えると、過剰な不安と通院中断の両方を減らせます。

【あまり知られていない“落とし穴”】【独自視点】

  • 💊 「ステロイド=内服」だけでなく、皮膚科外用・喘息吸入・関節局注など“投与経路が違う”ステロイド歴が見落とされやすいので、紹介状がなくても必ず自分で掘り起こします。kyo-eye+1​
  • 🧠 ストレス要因の聴取は、原因検索というより“行動可能な介入(睡眠、働き方、休職、薬の調整)に変換する作業”として位置づけると医療者側の説明がブレにくくなります。kyo-eye+1​

中心性漿液性網脈絡膜症の検査とOCT

診断の実務ではOCTで網膜下液を確認し、必要に応じて造影検査を行う、という流れが大学病院外来でも明確に示されています。

近年は、パキコロイド新生血管の合併判断が重要になってきており、OCT-Aの所見も合わせて診断する運用が紹介されています。

この“新生血管の有無”の見極めは治療選択(PDT単独か、抗VEGFを考慮するか)に直結するため、OCTだけで完結させず、病勢・再発歴・所見の不確かさに応じて検査強度を上げる設計が安全です。

【検査で迷った時の整理】

  • 🧪 OCT:網膜下液の量、反応性、遷延の評価(フォローの軸)。​
  • 🧬 造影(FA等):漏出点・活動性の確認、治療標的の明確化。​
  • 🕸️ OCT-A:パキコロイド新生血管など合併の推定(抗VEGF検討の入口)。​

※参考:疾患解説(症状・経過の説明に使いやすい、日本語の権威あるページ)

症状(中心暗点・変視症など)と、網膜剥離が長引く/再発で視力低下しうる点の解説(患者説明の根拠に便利)

中心性漿液性網脈絡膜症の治療とPDT

中心性漿液性網脈絡膜症は、網膜下液が出現してから約3ヶ月程度で自然軽快がない場合に治療介入を検討する、という運用が示されています。

治療の第一選択として低強度(低フルエンス等)光線力学的療法(PDT)が挙げられ、状況に応じて漏出点への直接網膜光凝固を選択する、と整理されています。

また、パキコロイド新生血管の程度によっては抗VEGF剤(単独またはPDT併用)を考慮する方針が示されており、“CSC単独”と思い込んだまま治療戦略を固定化しない姿勢が重要です。

【治療選択の現実的な分岐】

  • 💡 経過観察:急性期で自然軽快が見込め、職業・片眼/両眼・症状強度が許容範囲の場合。​
  • 🔦 PDT:3ヶ月程度で改善しない、再発を繰り返す、慢性化が疑われる、早期の機能回復が強く求められる場合の中核。​
  • 💉 抗VEGF:OCT-A等で新生血管合併が疑われる/示唆される場合に検討(単独またはPDT併用)。​

※参考:大学病院の外来運用(治療介入の目安、OCT-A、新生血管合併、PDT第一選択の説明)

OCT-Aを含む診断の流れ、3ヶ月目安の治療介入、低強度PDTが第一選択という実臨床の運用がまとまっています

中心性漿液性網脈絡膜症の予後と再発

網膜剥離が治ると症状は軽快しうる一方で、何らかの見にくさが残ることが多い、という点は長期フォローの動機付けに直結します。

さらに、網膜剥離が長い期間続く、または再発を繰り返す場合には視力低下につながり得るため、症状が落ち着いた後も“通院を止めない理由”を明確にする必要があります。

大学病院の解説では、急性期を過ぎたあとも経過観察が必要で、継続通院の重要性を説明する運用が明示されており、紹介・併診体制の設計(いつ戻すか、何を見たら再紹介か)が安全策になります。

【再発・慢性化を疑うサイン(実務)】

  • 📅 網膜下液が長引く(3ヶ月目安を超える)または波を打つ。​
  • 👁️ 自覚症状が軽くても“見にくさ”が残存し続ける(患者は慣れて訴えなくなる)。​
  • 🧪 所見が非典型、または新生血管合併が疑わしい(OCT-A等の追加評価を検討)。​