中心性脈絡網膜症 治療 OCT 光線力学

中心性脈絡網膜症 治療

この記事で押さえる要点
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まず「自然軽快」と「治療介入」の線引き

多くは自然軽快し得る一方、遷延・再発・慢性例では視機能低下が残り得るため、OCTで網膜下液の持続やRPE変化を見て介入時期を判断します。

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PDT(低強度)が「第一選択」になりやすい理由

慢性化や遷延例で、低強度PDTが治療候補の中心になりやすく、施設によっては「3か月自然軽快なし」で治療検討という運用が示されています。

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抗VEGF・内服は「適応の見極め」が重要

CSC単独より、CNV合併(pachychoroid neovasculopathy等)を疑う状況で抗VEGFが検討され、内服薬はエビデンスの不確かさも踏まえ説明が必要です。


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中心性脈絡網膜症 治療 適応 経過観察

 

中心性(漿液性)脈絡網膜症(CSC)は、網膜下液による漿液性網膜剥離を主体とし、経過とともに自然軽快する例も少なくありません。

一方で、網膜剥離が長期間続く、あるいは再発を繰り返すと、視力低下や見にくさが残ることがあるため、単なる「様子見」で終えないリスク評価が重要です。

臨床運用としては、網膜下液が出現してから「約3か月」自然軽快がない場合に治療介入を検討する、という考え方が実地で提示されています。

経過観察を選ぶ際に、医療者側で共有しておきたい説明ポイントです。

・症状:中心暗点、変視、小視などは起こり得て、剥離の改善で軽快しても違和感が残ることがある。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/899188f6e55f2c86dac4ec54015bb38ff1b79f1d

・フォロー:急性期を過ぎても、長期経過で加齢黄斑変性様の病態へ移行し得るため、継続観察が必要になる。

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/65580d121b254e13a5d4c4c9f0aecf98512aad95

・増悪因子:ステロイド使用やストレス等がリスクとして語られることが多く、薬剤歴・生活背景の再確認が診療の質に直結します。

参考)https://www.jmedj.co.jp/blogs/product/product_19585

中心性脈絡網膜症 治療 OCT 診断

治療設計の起点は「OCTで何を見て、何を除外するか」です。

OCTは網膜下液(SRF)を明瞭に捉えられ、診断自体は眼底所見+OCTで比較的行いやすい一方、漏出点や病型評価のために造影検査を追加する流れが一般に用いられます。

医療従事者向けに、OCT周辺で押さえたい実務ポイントを整理します。

・急性寄り:局所的な漿液性網膜剥離(SRD)が中心で、視細胞外節やRPE変化が軽い場合は自然軽快の余地がある。

参考)疾患から診療科を探す(当院で診療可能な疾患か否かは、事前にお…

・慢性寄り:RPE変化の蓄積、網膜下液の遷延、外網膜障害が疑われる場合は、視機能の不可逆性を意識し介入を早めに検討する。

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10630374/

・鑑別の落とし穴:近年はCNV合併の判断が重要になってきており、OCT-A等も合わせて診断する、という実臨床の記載があります。

「CSCと思っていたが、実はCNV要素が強い」ケースは治療選択(抗VEGFの要否)を根本から変えるため、画像の読みと臨床経過(再発性、滲出のパターン)を統合して判断します。

中心性脈絡網膜症 治療 光線力学療法 PDT

遷延例・慢性例の治療の柱として、低強度の光線力学的療法(PDT)が第一選択とされる、という臨床側の説明が公開されています。

同ページでは、3か月程度自然軽快がない場合に介入検討し、状況に応じてPDT、漏出点への直接網膜光凝固、CNVの程度により抗VEGFも考慮する、という分岐が示されています。

PDTの臨床的な価値は「網膜下液の改善」と「長期視機能リスクの低減」を同時に狙える点にあります。

京都大学の公開情報では、PDTを行った場合に網膜下液改善の確率が高まり、2年後の視力悪化リスクが低下する、という施設データが紹介されています。

ただし、CSCは慢性でも自然軽快することがあり、無治療で長期経過観察されることも多い、という指摘もあり、介入の「タイミング」と「患者背景(職業視・片眼優位など)」の摺り合わせが重要です。

参考)日本眼科学会雑誌 Online Journal

参考:治療介入の目安(「3か月」)や低強度PDTが一選択、抗VEGF/レーザーの位置づけ(外来運用の考え方)

京都大学 眼科学教室:中心性漿液性脈絡網膜症外来

中心性脈絡網膜症 治療 抗VEGF 脈絡膜新生血管

抗VEGFは「CSCだから打つ」というより、CNV合併(pachychoroid neovasculopathy等)を含めた病態評価の結果として検討される位置づけが明確です。

実際に、CNV合併の有無の判断が必要で、OCT-A等の所見と合わせて診断する、という臨床運用が示されています。

エビデンスの全体像としては、CSCに対するランダム化比較試験のレビューで、PDT、レーザー、抗VEGF、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬など複数の選択肢が扱われる一方、標準化された金標準が未確立であることが論じられています。

またCochraneの日本語要約では、他の治療より優れている治療法が示されなかった、としつつ、低用量PDTやエプレレノン等が「有用かもしれない」がエビデンスは不確か、と整理しています。

参考)中心性漿液性脈絡網膜症(central serous cho…

現場での説明では、次のように「適応を絞る」コミュニケーションが安全です。

・OCT-A等でCNVが疑われる:抗VEGFを治療オプションとして具体化する。

・CNVがはっきりしない:PDTやレーザーの適応、経過観察の許容期間を再検討する。

・患者の期待調整:自然軽快例がある一方、再発・遷延では視機能低下が残り得る点を共有する。

中心性脈絡網膜症 治療 独自視点 服薬歴 職業視

検索上位で「治療法の列挙」は多く見られますが、医療従事者の実務として差が出るのは、服薬歴(とくにステロイド)と“職業視”を初診時に構造化して拾う運用です。

CSCは中年男性に多く、ストレスやステロイド投与が危険因子とされる、という指摘があり、問診でここを取りこぼすと「治療しているのに再燃する」説明不能例を作りやすくなります。

実際の外来では、次のチェック項目をテンプレ化すると、紹介元との情報連携や治療選択が安定します。

・ステロイド曝露:内服だけでなく点鼻・外用・吸入・関節注射など経路を広く確認(自己中断は避け、処方科と調整)。

・両眼歴と再発歴:再発を繰り返すと視力低下が起こり得るため、初回か再発かで「許容する経過観察期間」を変える判断が必要。

・職業視:運転、精密作業、単眼視依存などで“同じ視力”でも支障が大きく、3か月ルールを機械的に適用しない根拠になる。

最後に、医療者として押さえておきたい「説明の一言」です。

・「多くは自然軽快し得るが、長引く・繰り返す場合は視機能が落ち得るため、OCT所見と期間で治療介入を判断する」—この軸をぶらさないことが、患者の納得と継続通院につながります。semanticscholar+1​


中心性漿液性脈絡網膜症