調剤薬局 otc 陳列方法
調剤薬局 otc 陳列方法の区分と混在
調剤薬局でOTCを置くとき、最初に押さえるべきは「医薬品を医薬品以外と区別して陳列する」「リスク区分ごと(要指導、第一類、第二類、第三類、指定第二類など)に区分して陳列する」という“区分陳列”の考え方です。
見落としやすいのが、「需要者が棚を見ただけで分かる」ことがポイントで、1つ1つ手に取って確認しないと区分が分からない陳列は適切と言いづらい、という実務目線の注意です。
特に調剤薬局は健康食品・サプリメント・医薬部外品も一緒に扱うことが多く、ドリンク剤やビタミン剤は“見た目が似ている別区分”が混在しやすいため、同一棚に並べるなら仕切り・棚札・POPで一目で区別できるように作り込みます。
また、厚労省のQ&Aでは、区分ごとの陳列で棚を完全に分ける/仕切りを設けることは「必ずしも必要ではない」が、購入者から見て紛らわしくない陳列となるよう適切に対応するよう示されています。
つまり、現場の解は「棚を分ける」だけではなく、「紛らわしく見えない」ための表示設計(棚札、色分け、POPの定位置化、空箱展示のルール化)まで含めて完成です。
意外と効くのは、同系統パッケージ(白×青、金×黒など)が多い領域ほど、棚の“背景色”や“棚札の色”で区分を固定してしまう方法で、スタッフ交代があっても崩れにくくなります。
参考)OTC薬の棚配置で売上アップ!効果的なOTC陳列の秘訣|中日…
調剤薬局 otc 陳列方法の情報提供場所
OTC陳列を考える上で、売り場設計の中心は「情報提供場所(情報提供カウンター等)」です。
指定第二類医薬品は、情報提供場所から7m以内の範囲に陳列する、という具体的な距離要件が示されています。
逆に言うと、情報提供場所の位置が曖昧なまま棚替えをすると、売り場が“整って見えても”要件を満たさない配置になりうるため、最初に店舗図面へ落として距離を測るのが安全です。
情報提供場所は、単に「相談を受ける場所」ではなく、売り場を“法令上の条件で分割する起点”にもなります。
例えば、指定第二類を7m以内に寄せると、必然的に風邪薬・鎮痛薬・胃腸薬など主要カテゴリの近くに情報提供導線が生まれ、声かけのタイミングが取りやすくなります。
参考)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002w4wd-att/2r9852000002w511_1.pdf
さらに、情報提供場所の近くに「相談歓迎」「禁忌確認」「併用薬確認」などの掲示を固定すると、指定第二類に求められる相談喚起(声かけや掲示等)にもつなげやすくなります。
調剤薬局 otc 陳列方法の指定第二類
指定第二類医薬品は、情報提供場所から7m以内、または「鍵をかけた陳列設備やカウンター内等の需要者が直接手の触れられない場所」に陳列する、という整理が実務上の基本線になります。
この“7m”は、売り場づくりでは地味ですが、監査・指導の観点では極めて具体的で、しかも棚移動やレジ移設で簡単に逸脱しやすい数値です。
そのため、月次の売り場点検に「情報提供場所から7m以内にあるか(メジャーで確認)」をチェック項目として入れておくと、担当者の経験差を埋められます。
指定第二類は「禁忌の確認や専門家への相談を促す声かけや掲示等」が必要と整理されており、ここを“陳列だけで完結させない”のが調剤薬局らしい強みになります。
たとえば、棚札に「相談推奨」「服用中の薬がある方は先に相談」など短い文言を常設し、レジ前にも同一メッセージを置くと、患者が自分から相談を切り出しやすくなります。
意外な工夫として、指定第二類の棚前に「症状別セルフチェック(○日以上続く/高熱/妊娠授乳/小児/高齢)」の簡易カードを置くと、受診勧奨のトリガーを患者自身が持てるようになり、結果的にクレーム予防にも効きます。
調剤薬局 otc 陳列方法のカウンターと什器
調剤薬局のOTCは「棚の正しさ」だけでは伸びにくく、カウンター周りの什器で“ついで買い”の導線を作ると改善しやすい、とする考え方があります。
具体的には、目線の高さに主力商品を置く、カウンターまわりの什器を活用する、カテゴリ別に整理する、動線を意識する、といった売り場の基本原則が紹介されています。
ただし調剤薬局は、ドラッグストアほどの回遊前提ではないため、「待ち時間」と「会計前後」の短時間で意思決定できる品目に絞って什器に載せるのが現実的です。
ここで重要なのは、法令上“手の触れられない場所”に置く必要がある区分(要指導・第一類など)と、自由選択しやすい第二類・第三類の棚の役割を混同しないことです。
待合ベンチ前には、季節・症状の“入口商品”(例:のど、鼻、胃、皮膚)を少量面で置き、会計導線には衛生用品や関連小物を置くと、視線移動が少なく購入につながりやすくなります。
さらに、レシートや薬袋の受け渡し時に「OTCの相談はここで受けられます」と案内できるよう、什器と情報提供場所の表示を視界内に同居させると、声かけの心理的ハードルが下がります。
意外な盲点は、OTC棚の裏側(スタッフ動線側)です。
補充や棚替えが面倒だと、結局は“分かっていても元に戻せない”運用崩れが起きるため、裏側に「棚割りの写真」「フェイス数」「欠品時の代替ルール」を貼っておくと、VMDより先にオペレーションが安定します。
調剤薬局 otc 陳列方法の独自視点:監査
検索上位では「売上アップ」や「見やすい陳列」が中心になりがちですが、調剤薬局の現場では“監査・指導で指摘されやすいポイントを先に潰す”発想が、結果的に売り場の自由度を上げます。
例えば、日本薬剤師会の資料では、医薬品と医薬品以外を区別し、区分陳列を「棚を見ただけでわかる」レベルで行う点を強調しており、混在や曖昧表示は避けるべきと読み取れます。
また、要指導・第一類・薬局製造販売医薬品は需要者が触れられない場所に陳列する、指定第二類は情報提供場所から7m以内(または触れられない場所)など、配置条件が複数レイヤーで存在します。
そこで、売り場を作る前に「監査で問われるチェックリスト」を作ってしまうと、棚替えのたびに議論がぶれません。
例として、次のように“写真で残せる項目”にすると、引き継ぎも容易です。
- 📷 医薬品と食品・サプリ・医薬部外品が見た目で区別できるか(棚全景の写真で確認)。
- 📏 指定第二類が情報提供場所から7m以内か(距離が分かる写真・図面を残す)。
- 🔒 要指導・第一類が需要者の手の届かない場所にあるか(カウンター内、施錠什器など)。
- 🪧 相談喚起の掲示があるか(指定第二類の禁忌確認・相談推奨の掲示)。
- 🧾 売り場変更時に、情報提供場所の定義(どこを情報提供場所とするか)がスタッフ間で一致しているか。
もう一つの独自視点は、「陳列=見せ方」だけでなく「閉鎖=売らない時間帯の作法」まで含めて設計することです。
厚労省Q&Aでは、一般用医薬品を販売しない営業時間中は陳列場所の閉鎖が必要で、シャッター・パーティション・チェーン等で物理的に遮断し、可動式なら従事者以外が動かせない措置が必要、という具体像が示されています。
調剤薬局でも人員体制によっては「専門家不在時間」が発生しうるため、棚を作る段階で“閉鎖しやすい構造”にしておくと、ルールが守れずに現場が疲弊する事態を避けられます。
意外に知られていない現場テクとして、監査対応の強い薬局は「棚の完成形」ではなく「棚が崩れたときの復旧手順」を持っています。
棚割りのPDFや写真を、月次で更新し、変更履歴(いつ、どこを、なぜ変えたか)を残すだけでも、指摘が入った際に“改善の証跡”として説明しやすくなります。
参考:法令遵守と陳列区分、指定第二類7mなどの具体要件(陳列の章)
https://www.kpa.or.jp/docs/download/6ef8075b9ee65d7e44a582d4f40a6306.pdf
参考:一般用医薬品の陳列(棚や仕切りが必須か等)に関する厚労省Q&A
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11120000-Iyakushokuhinkyoku/0000119204.pdf

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