ビクテグラビル添付文書の概要
制酸剤を朝に服用する患者に夕にビクタルビを出すと効果が失われますosaka-hiv+1
ビクテグラビル配合錠の基本組成と効能
ビクタルビ配合錠は、ビクテグラビルナトリウム52.5mg(ビクテグラビルとして50mg)、エムトリシタビン200mg、テノホビル アラフェナミドとして25mgを1錠中に含有する配合剤です。kegg+1
HIV-1感染症の治療薬として承認されており、通常成人には1日1回1錠を経口投与します。3つの有効成分が1つの錠剤に配合されているため、服薬アドヒアランスの向上が期待できます。medley+1
薬価は1錠あたり7094.1円で、ギリアド・サイエンシズから販売されています。
つまり単剤療法より簡便です。
本剤による治療開始前には、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすることが推奨されています。
ビクテグラビル添付文書における禁忌事項
本剤の成分に対して過敏症の既往歴がある患者への投与は禁忌です。
アレルギー歴の確認が必須ですね。
特に重要なのは、リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品を投与中の患者への併用禁忌です。これらの薬剤や食品は、ビクテグラビルの血中濃度を著しく低下させ、治療効果を減弱させる可能性があります。ubie+1
抗結核薬や抗てんかん薬を服用中の患者では、HIV治療を開始する前に代替薬への変更を検討する必要があります。セイヨウオトギリソウはサプリメントとして市販されているため、患者への聞き取りが重要です。
参考)ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビルアラフ…
これらの併用禁忌薬剤を見落とすと、HIV治療が無効になり、薬剤耐性ウイルスの出現リスクが高まります。
ビクテグラビル投与時の用法用量と腎機能評価
通常、成人には1回1錠を1日1回経口投与しますが、投与後にクレアチニンクリアランスが30mL/分未満に低下した場合は注意が必要です。pmda+1
腎機能正常患者と比べて、維持血液透析を行っている末期腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/分未満)を有する患者では、薬物動態が変化する可能性があります。
定期的な腎機能検査は欠かせません。
腎機能が著しく低下している患者では、尿量の減少、むくみ、体のだるさ、筋力の低下、骨痛、尿量の増加、喉の渇きなどの症状に注意が必要です。
これが原則です。
hiv-pt-portal+1
検査値の変動だけでなく、患者の自覚症状を丁寧に聴取することで、早期に腎障害を発見できます。
大阪HIV臨床カンファレンスのビクタルビ添付文書ページでは、用法用量や腎機能に関する詳細な記載が参照できます。
ビクテグラビルと制酸剤・鉄剤の相互作用
マグネシウムやアルミニウムを含む制酸剤との併用時には、本剤をこれらの製剤の投与2時間以上前に投与することが推奨されます。ビクテグラビルが多価陽イオンと錯体(キレート)を形成し、吸収が抑制されるためです。medley+1
鉄剤やカルシウム含有製剤も同様に、ビクテグラビルの吸収を阻害する可能性があります。
服用時間の調整なら問題ありません。
食事と一緒に服用する場合は、制酸剤、鉄剤、カルシウム製剤との併用が可能になることもありますが、添付文書上は2時間以上の間隔を空けることが原則です。
患者が複数の薬剤やサプリメントを服用している場合、服薬スケジュールの調整が治療成功の鍵を握ります。
ビクテグラビルの重大な副作用と監視項目
腎不全または重度の腎機能障害は、ビクタルビ配合錠の重大な副作用の一つです。尿量の変化、むくみ、倦怠感などの症状が出現した場合、速やかに医師に報告するよう患者指導が必要です。gifu-upharm+1
乳酸アシドーシス及び重度の肝腫大(脂肪肝)も重要なリスクです。息切れ、筋肉痛、羽ばたくような手の震え、吐き気、右上腹部の痛みや圧痛、皮膚の黄染などの症状に注意します。hiv-pt-portal+1
骨密度の低下も報告されており、長期投与例では骨折リスクの評価が必要です。
厳しいところですね。
主な副作用として頭痛、悪心、下痢などがありますが、多くは軽度から中等度で治療継続が可能です。それでも患者のQOLに影響する場合は対症療法を検討します。
ギリアド・サイエンシズの副作用情報ページには、患者向けの詳しい副作用説明があります。
ビクテグラビル併用注意薬と処方時の確認事項
抗不整脈薬のピルシカイニドとの併用では、ピルシカイニドの血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高まる可能性があります。OCT2及びMATE1トランスポーターを介した相互作用が原因です。gifu-upharm+1
メトホルミンなどの血糖降下薬との併用時も、メトホルミンの血中濃度上昇に注意が必要です。
これは必須です。
抗ウイルス薬であるアシクロビル、バラシクロビル、バルガンシクロビルとの併用では、腎機能への影響を考慮した用量調整が必要になる場合があります。
本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、患者には服用中のすべての薬剤を担当医に報告し、新たに他の薬剤を服用する場合は事前に相談するよう指導します。osaka-hiv+1
国立国際医療研究センターの併用禁忌・注意薬リストでは、ビクタルビの相互作用が体系的にまとめられています。
ビクテグラビル投与における患者説明と同意取得
本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新情報を参考に、患者またはそれに代わる適切な者によく説明し同意を得る必要があります。osaka-hiv+1
説明内容には、本剤はHIV感染症の根治療法ではないこと、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾患を発症する可能性があること、性的接触や血液を介して他者への感染の可能性があることなどが含まれます。
本剤は併用薬剤と相互作用を起こす可能性があるため、服用中の全ての薬剤、サプリメント、健康食品を報告してもらうことが重要です。
いいことですね。
medley+1
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導することも忘れてはいけません。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあります。carenet+1
ビクテグラビル処方時の独自の臨床判断ポイント
添付文書に記載されている情報以外にも、実臨床では患者個別の状況を考慮した判断が求められます。
例えば、高齢患者では多剤併用(ポリファーマシー)の問題があり、相互作用のリスクが高まります。
定期的な処方薬の見直しが大切です。
妊娠を希望する女性患者や妊娠中の患者では、胎児への影響を考慮した治療選択が必要です。
主治医との相談が条件です。
参考)https://www.hiv-pt-portal.jp/library/biktarvy/biktarvy_onomi_ja.pdf
免疫再構築症候群のリスクも考慮すべきポイントです。治療開始後に免疫力が回復し、日和見感染などに対する炎症反応(発熱、下痢など)が現れることがあります。
患者のライフスタイルや服薬アドヒアランスに影響する因子(勤務時間、食事パターン、他科受診状況など)を把握することで、より効果的な服薬指導が可能になります。
これは使えそうです。
長期投与例では、骨密度検査や腎機能マーカー(シスタチンCなど)の追加評価を検討し、早期に異常を発見する体制を整えることが推奨されます。