アゼラスチン先発品アゼプチンの特徴と後発品選択の注意点

アゼラスチン先発品と後発品の基礎知識

先発品アゼプチン1mg錠は後発品より約2.6円高いだけです。

この記事の3つのポイント
💊

先発品アゼプチンと後発品の違い

エーザイが製造販売する先発品と複数メーカーの後発品があり、薬価差は1錠あたり2.6~3.5円程度で医療費削減効果は限定的

🔬

第二世代抗ヒスタミン薬の特性

気管支喘息では1回2mg、アレルギー性鼻炎では1回1mgと適応疾患により用量が異なり、朝食後と就寝前の1日2回投与が基本

⚠️

眠気と運転制限の指導

第二世代でも眠気の副作用があり添付文書で自動車運転が禁止されており、患者への明確な説明と記録が必要

アゼラスチン先発品アゼプチンの基本情報

 

アゼラスチン塩酸塩の先発品は、エーザイ株式会社が製造販売する「アゼプチン錠」です。1986年に発売されたこの薬剤は、第二世代抗ヒスタミン薬に分類され、気管支喘息アレルギー性鼻炎蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹などの幅広いアレルギー性疾患の治療に使用されています。

アゼプチンには0.5mg錠と1mg錠の2つの規格があります。薬価は0.5mg錠が9.4円、1mg錠が8.7円です。興味深い点として、低用量の0.5mg錠のほうが薬価が高く設定されているということですね。これは製剤設計や製造コストの違いによるものと考えられます。

アゼラスチン塩酸塩は、ヒスタミンH1受容体拮抗作用に加えて、ロイコトリエンやヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離抑制作用を併せ持つ点が特徴です。つまり症状が出てからの対症療法だけでなく、アレルギー反応そのものを抑える予防的な効果も期待できるということです。第一世代抗ヒスタミン薬と比較して、抗コリン作用が弱く、脂溶性が低いため中枢神経系への移行が少ないとされています。

KEGGデータベース:アゼプチンの詳細情報(薬効分類、添加物、相互作用などの医療従事者向け包括的データ)

アゼラスチン後発品の種類と薬価比較

アゼラスチン塩酸塩の後発品は、複数の製薬メーカーから販売されています。主なメーカーは、鶴原製薬、東和薬品、日医工岐阜工場(旧日医工)です。これらの後発品も先発品と同様に0.5mg錠と1mg錠の2規格があります。

後発品の薬価を見ると、0.5mg錠が5.9円、1mg錠が6.1円で統一されています。先発品との薬価差は、0.5mg錠で3.5円、1mg錠で2.6円です。1日2回の投与を1か月続けた場合、1mg錠使用で月額約156円、年間約1,872円の差額となります。これは患者1人あたりの医療費削減効果としては比較的小さいと言えます。

しかし医療機関全体で見ると話は変わってきます。仮に1つの医療機関で年間100人の患者にアゼラスチンを処方している場合、後発品への切り替えで年間約18万7千円の医療費削減が可能です。さらに後発品使用体制加算の算定要件を満たすためにも、こうした比較的薬価差の小さい品目でも積極的に後発品を採用する姿勢が求められています。

ジェネリック医薬品への変更は、患者負担軽減だけでなく、医療保険財政の健全化にも貢献するものですね。ただし、後発品の中には製造中止や出荷調整が発生するケースもあるため、複数メーカーの採用や在庫管理には注意が必要です。

アゼラスチン適応疾患別の用法用量の違い

アゼラスチン塩酸塩の用法用量は、適応疾患によって明確に区別されています。

これが処方時の重要なポイントです。

気管支喘息の場合は、通常アゼラスチン塩酸塩として1回2mgを朝食後および就寝前の1日2回経口投与します。1mg錠であれば1回2錠、0.5mg錠であれば1回4錠ということです。これに対して、アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、アトピー性皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹の場合は、1回1mgを朝食後および就寝前の1日2回投与となります。つまり1mg錠なら1回1錠、0.5mg錠なら1回2錠です。

この用量の違いは非常に重要ですね。気管支喘息では通常の2倍量を使用することで、気道過敏性の改善効果を高めているのです。処方監査の際には、傷病名と投与量が適切に対応しているか確認する必要があります。例えば、アレルギー性鼻炎の患者に1回2mgを処方すると過量投与となる可能性があります。

投与タイミングについても注意が必要です。朝食後と就寝前という2回投与の設定には意味があります。朝食後の服用で日中の症状をコントロールし、就寝前の服用で夜間から早朝にかけての症状悪化を予防する狙いです。特に気管支喘息では、早朝に喘息発作が起こりやすい「モーニングディップ」という現象が知られており、就寝前の服用がこれに対応しています。

アゼラスチン処方時の副作用と服薬指導のポイント

アゼラスチン塩酸塩は第二世代抗ヒスタミン薬ですが、眠気の副作用は依然として発現します。添付文書には「眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等の危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること」と明記されています。

つまり運転は禁止ですね。

臨床試験や市販後調査では、眠気の発現頻度は0.1~5%未満とされています。第一世代抗ヒスタミン薬と比較すれば低頻度ですが、ゼロではありません。特に服用開始直後や用量増量時には注意が必要です。患者には具体的に「車やバイクの運転はしないでください」「機械の操作をする仕事の前には服用しないでください」と伝える必要があります。

その他の副作用としては、発疹、倦怠感、口渇、悪心・嘔吐、苦味感などが報告されています。特に苦味感は薬剤そのものの味によるもので、服用後に口に残ることがあります。水で十分に流し込むよう指導するとよいでしょう。

長期ステロイド療法を受けている患者への投与時には特別な注意が必要です。気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療では、副腎皮質ステロイド剤が併用されることがあります。ステロイド剤を急に減量・中止すると、喘息発作の誘発やアレルギー症状の悪化が起こる可能性があるため、アゼラスチンの効果を確認しながら慎重にステロイド量を調整する必要があります。

アゼラスチン先発品と後発品の実務的な選択基準

医療従事者として先発品と後発品のどちらを選択すべきか、実務的な判断基準を持つことが重要です。

まず考慮すべきは患者の希望と経済状況です。薬価差が月額156円、3割負担で約47円という金額は、患者によって受け止め方が異なります。経済的に余裕のない患者にとっては、この差額も大きな負担になることがありますね。一方で、長年先発品を使用していて安心感を持っている患者に対しては、無理に変更を勧める必要はありません。

次に供給安定性の観点です。2020年代に入ってから、ジェネリック医薬品メーカーの品質問題や製造トラブルにより、多くの後発品で出荷調整や供給停止が発生しました。アゼラスチン塩酸塩についても、一部メーカーで出荷状況に変動がありました。複数メーカーの後発品を採用しておくことで、供給リスクを分散できます。

医療機関としての後発品使用率も考慮点です。診療報酬改定により、後発医薬品使用体制加算の算定要件が厳格化されています。施設全体の後発品使用率を維持・向上させるため、薬価差の小さい品目でも積極的に後発品を採用する方針を取る医療機関が増えています。

一般名処方による処方箋発行も有効な選択肢です。「【般】アゼラスチン塩酸塩錠1mg」と記載することで、保険薬局での銘柄選択を可能にし、一般名処方加算も算定できます。患者の希望や薬局の在庫状況に応じて柔軟に対応できるため、実務上のメリットが大きいですね。

KEGG医薬品データベース:アゼラスチン塩酸塩全製品の薬価・添加物比較表(先発品・後発品の詳細比較に有用)

アゼライン酸 アゼライン酸誘導体4.6% グリシルグリシン 美容液 30mL プラスキレイ プラスAZバランスセラム