アレクチニブ添付文書の用法用量と副作用管理
術後補助療法では1回600mgと通常用量の2倍投与が必要です。
アレクチニブの効能効果とALK融合遺伝子検査
アレクチニブ塩酸塩(商品名:アレセンサ)は、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌および未分化大細胞リンパ腫に対する分子標的治療薬です。
効能効果は大きく3つに分類されています。
第一に、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌が挙げられます。これは多くの医療従事者が最も頻繁に処方する適応症でしょう。第二に、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌における術後補助療法が承認されており、完全切除後の再発予防に使用されます。第三に、再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫が含まれます。
いずれの適応においても、投与前に十分な経験を有する病理医又は検査施設において、ALK融合遺伝子陽性が確認されている必要があります。添付文書では承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いることが明記されています。承認された診断薬に関する情報は、PMDAのウェブサイトから入手可能です。
PMDAのコンパニオン診断薬情報ページ(承認された体外診断用医薬品の一覧)
術後補助療法として投与する場合、臨床試験に組み入れられた患者の病期等について十分に理解することが求められます。添付文書の臨床成績の項を熟知し、適応患者の選択を慎重に行う必要があるということですね。なお、術前補助療法における安全性及び有効性は確立していないため、この使用法は推奨されません。
アレクチニブの用法用量における適応別の違い
アレクチニブの用法用量は適応症によって大きく異なります。これは臨床現場で混乱を招きやすい点なので注意が必要です。
切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌に対しては、通常、成人にアレクチニブとして1回300mgを1日2回経口投与します。一方、術後補助療法では1回600mgを1日2回、食後に経口投与することになっており、用量が2倍になります。しかも投与期間は24カ月間までと限定されている点が特徴的です。患者の状態により適宜減量することも認められています。
再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫では、通常1回300mgを1日2回経口投与しますが、体重35kg未満の場合は1回投与量を150mgに減量する必要があります。小児の投与設定も含まれているということですね。
食事の影響については、重要なデータがあります。健康成人を対象とした薬物動態試験では、空腹時投与と比較して食後投与でAUC(血中濃度曲線下面積)が約2.9倍、Cmax(最高血中濃度)が約2.7倍に増加することが示されています。Tmaxの中央値も空腹時投与で4時間、食後投与で8時間と延長します。
中外製薬の服用タイミングと食事の影響に関するページ(詳細な薬物動態データ)
術後補助療法では「食後投与」が明示されているのに対し、進行・再発例では投与タイミングの指定がないことに留意してください。発売当初は空腹時投与が推奨されていましたが、現在の添付文書では進行・再発例の投与タイミングに関する記載はありません。ただし、食事による血中濃度の変動が大きいため、投与タイミングを一定に保つことが望ましいでしょう。
アレクチニブの副作用発現時の減量・休薬基準
術後補助療法における副作用管理では、詳細な減量基準が設定されています。通常投与量は600mgですが、1段階減量で450mg、2段階減量で300mg、3段階減量では投与中止となります。
具体的な用量調節基準を見てみましょう。間質性肺疾患が発現した場合は、グレードにかかわらず全例で投与を中止します。肝機能障害については、総ビリルビンが基準値上限の2倍以下でALT又はASTが基準値上限の5倍を超える上昇の場合、ベースライン又は基準値上限の3倍以下に回復するまで休薬し、回復後は1用量レベル減量して投与再開できます。しかし、総ビリルビンが基準値上限の2倍を超えかつALT又はASTが基準値上限の3倍を超える上昇の場合は、投与を中止しなければなりません。
徐脈についても基準が設けられています。Grade 2又はGrade 3の場合はGrade 1以下又は心拍数が60回/分以上に回復するまで休薬し、回復後は1用量レベル減量して投与再開できます。
Grade 4の徐脈では投与を中止します。
血中CK増加がCKの基準値上限の5倍を超えた場合、ベースライン又は基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬し、回復後は1用量レベル減量又は同一用量で投与再開が可能です。10倍を超えた場合は必ず減量が必要となります。
溶血性貧血でヘモグロビンが10g/dL未満になった場合、10g/dL以上に回復するまで休薬し、回復後は1用量レベル減量して投与再開します。
これらの基準を把握しておくことが重要です。
進行・再発例および未分化大細胞リンパ腫の場合は、副作用により休薬する際、回復後は休薬前と同一用量で投与を再開できます。忍容性が得られない場合は投与を中止することになります。つまり、この適応では段階的な減量設定がないということですね。
アレクチニブ投与時の重大な副作用とモニタリング
アレクチニブ投与において最も注意すべき重大な副作用は間質性肺疾患です。
発現頻度は4.0%と報告されています。
息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等の初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導することが必須です。胸部CT検査等の実施など、患者の状態を十分観察し、必要に応じて動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行います。
肝機能障害も重要な副作用です。AST、ALT、ビリルビン等の増加を伴う肝機能障害があらわれることがあるため、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察する必要があります。添付文書には頻度不明とされていますが、実際にはAST増加が27.1%、ALT増加が21.7%、高ビリルビン血症が26.8%と高頻度で認められています。
血液系の副作用としては、好中球減少が8.0%、白血球減少が5.4%で発現します。定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察することが求められます。その他の重大な副作用として、消化管穿孔、血栓塞栓症(肺塞栓症等)、腎機能障害(1.0%)が報告されています。消化管穿孔の疑いがある場合は、内視鏡、腹部X線、CT等の必要な検査を行い、本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う必要があります。
頻度の高いその他の副作用として、便秘が30.8%、血中CK増加が27.4%、筋肉痛、味覚障害、発疹が20.4%などで認められています。便秘は患者のQOLに大きく影響するため、適切な対症療法を検討することが望ましいでしょう。血中CK増加については前述の用量調節基準に従って管理します。
PMDA適正使用ガイド(副作用の詳細な症状と対処法について)
治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うことが警告に記載されています。特に間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者では、間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがあるため、より慎重な観察が必要です。
アレクチニブのCYP3A4関連薬物相互作用
アレクチニブはチトクロームP450、主にCYP3A4によって代謝されます。このため、CYP3A4に影響を与える薬剤との併用には注意が必要です。
CYP3A4阻害剤(イトラコナゾール等)との併用により、アレクチニブの血漿中濃度が上昇し、副作用の発現頻度が高まるおそれがあります。添付文書では、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮することが推奨されています。やむを得ず併用する際には、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意する必要があります。これは、アレクチニブの代謝には主にCYP3A4が関与しているため、CYP3A阻害剤との併用により代謝が阻害され血漿中濃度が増加する可能性があるためです。
逆に、CYP3A4誘導剤(リファンピシン等)との併用では、アレクチニブの血漿中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあります。この場合もCYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮することが望ましいですね。CYP3A誘導剤との併用により、アレクチニブの代謝が亢進し血漿中濃度が低下する可能性があるためです。
実際の臨床試験データでは、強力なCYP3A4阻害剤であるposaconazoleとアレクチニブを併用した際の薬物動態への影響が報告されています。併用を避けられない場合、処方前にCYP3A4への影響を確認し、相互作用のリスクを評価することが重要です。
肝機能障害を有する患者では、アレクチニブの血漿中濃度が上昇するとの報告があります。特に重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者に術後補助療法を行う場合、減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意することが求められます。肝機能障害患者では肝機能障害が増悪するおそれもあるため、定期的な肝機能検査が必須となります。
アレクチニブの特定患者集団における注意事項
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては、アレクチニブの投与が禁忌となっています。これは添付文書の禁忌の項に明記されている重要な制限です。動物実験(ラット、ウサギ)において、胚・胎児の死亡、流産、内臓異常、骨格変異等が報告されているためです。
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明することが求められます。遺伝毒性試験においては、異数性誘発作用が認められましたが、遺伝子突然変異誘発性又は染色体構造異常誘発性は認められていません。それでも、生殖能を有する患者に対しては十分な情報提供が必要ということですね。
授乳婦については、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討することとされています。ヒト母乳中への移行については不明とされているため、授乳を継続する場合は慎重な判断が求められます。
小児等への投与に関しては、適応により状況が異なります。ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌および術後補助療法については、小児等を対象とした臨床試験は実施していません。一方、再発又は難治性のALK融合遺伝子陽性の未分化大細胞リンパ腫については、低体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していないものの、6歳以上の小児に対しては体重に応じた用量設定が可能です。
高齢者については、患者の状態を観察しながら慎重に投与することが推奨されています。一般に生理機能が低下していることが多いため、より注意深いモニタリングが必要となります。腎機能障害があらわれることもあるので、定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察することが重要です。
KEGG医療用医薬品データベースのアレセンサ情報ページ(添付文書全文と詳細な医薬品情報)
適用上の注意として、PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導することが記載されています。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがあるためです。これは高齢者や嚥下機能が低下した患者で特に注意が必要ですね。
本剤は劇薬に指定されており、処方箋医薬品として厳格な管理が求められます。緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与することが警告に明記されています。治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与することも必須要件となっています。
I’ll now create the article based on my research. Let me analyze what I’ve found:
- セリチニブ(ジカディア)は現在も販売されており、販売中止の情報は見つかりませんでした
- 主な情報:
- 2019年2月に用法・用量が変更(750mg空腹時→450mg食後)
- ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんの治療薬
- 希少疾病用医薬品(対象患者数約2,200人)
- 副作用:下痢63.5%、悪心60.9%、嘔吐47.8%
- 2025年5月にベネトクラクスとの併用禁忌が追加
「販売中止」という検索ワードに対して、実際には販売中止になっていないため、記事では「販売中止の情報は確認されていない」という正確な情報を提供します。