アンジオテンシン変換酵素阻害薬の一覧
アンジオテンシン変換酵素阻害薬の代表例と一覧
カプトプリル(カプトリル)、エナラプリル(レニベース)、アラセプリル(セタプリル)、デラプリル(アデカット)、リシノプリル(ロンゲス)、ベナゼプリル(チバセン)、イミダプリル(タナトリル)、テモカプリル(エースコール)、トランドラプリル(オドリック)、ペリンドプリル(コバシル)などが日本で流通する主要薬剤です。各薬剤には先発品・ジェネリック品、錠剤や細粒・カプセルなど様々な剤型があり、患者の年齢や既往症、腎機能に応じて使い分けがされています。
カプトプリルは日本で最初期のACE阻害薬であり、腎疾患などにも汎用されています。エナラプリルやデラプリルは慢性心不全や腎機能障害、糖尿病性腎症への適応拡大も特徴的です。
各薬剤の商品名・剤型の詳細は管理薬剤師.com「ACE阻害薬一覧」で参考になります
アンジオテンシン変換酵素阻害薬の副作用と注意点
ACE阻害薬は主に空咳、血管浮腫、腎機能障害、高カリウム血症など副作用が報告されています。
・空咳はブラジキニン作用の増強によるものでARBでは少ない
・血管浮腫は顔面・舌・声門・腸管でも発症し、迅速な対処が必要
・腎機能障害を持つ患者では投与量や血清カリウム値のモニタリングが必須
・妊娠中の服用は禁忌、高齢者は副作用発現率が高い傾向
・薬剤選択時は患者背景や合併症を総合的に判断することが重要
分類・作用機序や副作用について詳細な論文レビューはこちらで確認できます
アンジオテンシン変換酵素阻害薬の臨床薬理と薬剤選択
ACE阻害薬は降圧薬としてだけでなく、腎保護・心筋保護効果も注目されています。特に糖尿病性腎症や心不全への効果検証が進みエビデンスも蓄積されています。慢性心不全患者でのジギタリス製剤・利尿薬等との併用療法時に副作用管理が重要となるケースも多いです。
・利尿薬との併用で過度な血圧低下の危険性あり
・腎障害時はカリウム上昇リスクに注意
・用量調整や効果判定は原則として4~8週後
・糸球体保護作用やメサンギウム細胞増殖抑制など多様な腎臓関連効果
薬剤選択の際は各患者の疾患背景や薬剤耐性・副作用既往歴など個別評価が重要です。
作用機序や腎保護作用詳細は医療機関資料で参照可能
アンジオテンシン変換酵素阻害薬の意外な研究・臨床応用
主要な降圧薬としての用途以外に、最近では脳卒中後の再発予防や認知症予防、老化関連疾患へのPleiotropic(多面的)作用も注目されています。肥大型心筋症や難治性高血圧、特定の腎疾患では治療選択肢として提案されることがあり、国際的な臨床研究でも新たな知見が生まれています。また、ACE阻害薬の副作用発現リスクや個別最適化治療(テーラーメイド治療)の指針づくりが進行中です。
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アンジオテンシン変換酵素阻害薬とその他降圧薬の使い分け
ACE阻害薬とARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)はしばしば比較されます。ACE阻害薬はエビデンス量が多く心筋梗塞や糖尿病性腎症予防に分がある一方、空咳や血管浮腫の副作用リスクはARBより多い傾向。両者とも妊婦禁忌、腎障害・高カリウム血症リスクに注意が必要です。臨床では副作用や合併症背景に応じた薬剤選択が推奨されています。配合剤の処方による相乗効果や副作用低減も研究されています。
ACE阻害薬とARB一覧や選択について実用的なまとめはこちら