アキレス腱周囲炎の治し方
アキレス腱周囲炎の治し方の症状
アキレス腱周囲炎は、アキレス腱とその周囲に炎症や変性が起こり痛みが出る病態で、臨床では「アキレス腱付着部炎」「アキレス腱付着部障害」「踵骨滑液包炎」などの名称で扱われることがあります。
痛みの部位は「足関節後方、アキレス腱と踵骨の境目」が典型で、腫脹を伴うこともあります。
症状は歩行や足関節運動で増悪し、階段・坂道の上り下りがつらくなる、靴が当たると痛む、といった訴えに集約されやすいです。
安静時は痛みが目立たないこともありますが、進行すると安静時痛が持続する場合があるため、「動けば痛いだけ」だと決めつけない問診が重要です。
医療従事者向けの説明としては、患者が「ふくらはぎ」ではなく「踵のすぐ上」を指差すか、靴のカウンター(踵部)で痛みが再現されるかを確認すると、訴えの焦点が明確になります。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/e52de08e91202f4e8d246b0d9fcc866707932b44
また誘因として、スポーツ・長距離歩行・立ち仕事などの反復負荷や、不適切な靴が関与しうる点を最初に共有すると、後述する保存療法(負荷調整・靴の修正)へ自然につながります。
アキレス腱周囲炎の治し方の検査
診断の基本は身体所見で、アキレス腱周囲や踵骨付着部の圧痛、把握時痛(つまむと痛い)、腫脹、運動時痛があり、かつアキレス腱断裂がないことを確認して診断します。
臨床で見落としやすいのは「痛み=炎症」と短絡し、断裂や他疾患(滑液包炎、付着部障害など)の評価を省いてしまうことなので、歩行・階段・つま先立ちでの疼痛再現と、触診での局在を丁寧に取ります。
画像では、X線で踵骨の骨棘を認める場合があり、慢性的な付着部ストレスの示唆になります。
MRIではアキレス腱と踵骨の境界部の腫脹や水分貯留(滑液包炎)を示す所見が得られることがあり、症状の説明や治療方針(保存か、難治なら手術を含めるか)の判断材料になります。
医療者が患者説明で使いやすい言い換えとしては、X線は「骨の形(骨棘など)」、MRIは「腱の周囲の腫れや水分(炎症のサイン)」を見ている、と整理すると理解されやすいです。
痛みが強い・腫脹が強い・安静時痛が出ているケースほど、負荷調整だけで押し切らず、画像検査や専門医紹介の閾値を下げる姿勢が安全です。
アキレス腱周囲炎の治し方の治療法
治療の基本は保存療法で、まずはサポータや弾力包帯などで足関節の安静を図り、日常動作での負担を下げます。
歩行障害が強い場合は松葉杖で免荷(体重をかけない)を行い、さらに踵が高めの靴に変更することも疼痛軽減に有効です。
加えて、発症の原因となった動作・作業(ラン、ジャンプ、長距離歩行、立位時間など)を一定期間控えることが、短期的にも中長期的にも回復を早めます。
薬物療法としては鎮痛の外用(貼付・外用)や内服を用い、並行して理学療法として下腿筋(下腿三頭筋を含む)のストレッチを行う、という組み合わせが現実的です。
疼痛が強い場合にステロイドや局所麻酔薬の注射が検討されることがありますが、繰り返し投与でアキレス腱が弱くなり断裂などの副作用が起こりうるため、適応と回数に注意が必要です。
保存療法で多くは回復する一方、痛みが取れない難治例では変性部切除、骨棘切除、滑液包切除などの手術が考慮されます。
患者説明では「注射=最終手段」ではなく「痛みでリハビリに入れない時の選択肢だが、やり方に注意が必要」と位置付けると、過度な期待も過度な拒否も減らせます。
アキレス腱周囲炎の治し方のリハビリ
リハビリの柱は、下腿筋のストレッチを中心に、腱・腱周囲の負担を下げながら機能を戻すことです。
またスポーツ後のケアとして、アイシングで腫脹を軽減し、再度ストレッチやマッサージを行って筋疲労の蓄積を避ける、という流れは患者が実行しやすい行動指針になります。
重要なのは「安静だけ」でも「痛くても運動」でもなく、痛みが落ち着く方向に負荷量を調整していく点で、ここを外すと慢性化・再燃を繰り返しやすくなります。
とくに身体が硬い人は発症しやすいとされるため、症状が引いた後も日頃から柔軟性を高める体操やトレーニングを続けるように指導します。
臨床で役立つ小技としては、患者が「ストレッチはやっている」と言う場合でも、回数・時間・タイミング(起床後、運動前後、入浴後)まで確認し、実施可能な最小単位(例:1回30秒×左右など)に落とすと継続率が上がります。
また、痛みが出る動作を完全にゼロにできない職種(立ち仕事など)では、免荷や靴変更に加えて「休憩の入れ方」「痛みが増えた日の対応」を事前に決めておくと、再燃時の対応が速くなります。
アキレス腱周囲炎の治し方の再発予防
再発予防は「負荷の管理」と「環境(靴など)の是正」が中心で、スポーツ・ランニング・ウォーキング・長時間の立位や歩行を行う人ほど、やりすぎや疲労の蓄積に注意する必要があります。
若年でも高齢でも起こりうるため、年齢でリスクを決めつけず、生活背景(通勤、業務内容、運動習慣)から負荷源を特定します。
靴については、不適切な靴が発症に関与することがあり、踵が低いぺたんこ靴、踵が固定されないサンダルやスリッパ、足底が硬すぎる靴は避けた方がよい、とされています。
ここは意外に介入効果が大きく、運動療法がうまく進まないケースほど「仕事靴の仕様」や「中敷きの摩耗」などがボトルネックになっていることがあります。
独自視点として、医療者が介入しやすいのは「症状が出た時だけ対策」ではなく、「症状が軽い日もやる最低限の予防ルーチン」を作ることです。
例えば、立ち仕事の患者には「勤務後に踵周囲の腫れが強いか(靴下の跡、熱感)」をセルフチェックさせ、悪化サインが出たら翌日の負荷を落とす(階段回避、移動距離調整、アイシング)という行動計画に落とすと、再燃の早期対応につながります。
治療選択の根拠として、理学療法領域ではアキレス腱炎に関するCQとして、筋力増強運動、ストレッチングや徒手療法、物理療法、装具療法やテーピングなどが検討項目として整理されています。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/5a7f1e5537beb1ba7cef963501082a4baab8b5cb
周囲炎と腱障害は臨床で重なりやすいため、「運動療法・装具・物理療法をどう組むか」をチーム内で共通言語化しておくと説明のブレが減ります。
論文の関連情報(腱リハビリの考え方として):アキレス腱障害ではエキセントリック運動が広く用いられますが、単独のエキセントリックが他のローディングより明確に優れると断定できない、という整理もあります。
参考)https://www.jospt.org/doi/10.2519/jospt.2015.5910
参考リンク(症状・検査・治療法・靴やストレッチなど患者指導の根拠に使える):アキレス腱周囲炎 (あきれすけんしゅういえん)とは
参考リンク(アキレス腱炎に対する理学療法の検討項目=CQを俯瞰し、院内の標準化に使える):https://www.jspt.or.jp/guideline/2nd/ankle_foot/

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