先発品選択で年間約78万円の損失リスクがあります
アビラテロン先発後発品薬価
アビラテロン先発ザイティガ錠の薬価と規格
前立腺癌治療剤であるザイティガ錠は、ヤンセンファーマが製造販売する先発医薬品です。CYP17阻害作用により、精巣・副腎・前立腺癌組織内でのアンドロゲン生合成を抑制する機序を持ちます。
現在の薬価は、250mg錠が1錠あたり3,759.3円、500mg錠が7,287.3円に設定されています。通常の用法用量は1日1回1,000mg(250mg錠なら4錠、500mg錠なら2錠)をプレドニゾロンと併用で空腹時に投与するため、1日あたりの薬剤費は約15,000円、月間では約45万円にも達します。これはコーヒー1杯分の値段で計算すると、約3,000杯分にも相当する高額な治療費です。
ザイティガ錠は2014年7月に日本で承認され、当初は「去勢抵抗性前立腺癌」を適応としていました。その後、2018年12月には「内分泌療法未治療のハイリスクの予後因子を有する前立腺癌」へと適応が拡大されています。適応拡大により、より早期からの治療介入が可能になったことで、使用機会が大幅に増加しました。
先発品であるザイティガ錠は、国内外の臨床試験で有効性と安全性が確立されており、長期投与時のデータも豊富に蓄積されています。医療従事者にとっては、処方経験が豊富で安心感がある選択肢です。
ザイティガ錠の詳細な適応症・用法用量についてはKEGG医療用医薬品データベースを参照
アビラテロン後発品の薬価と承認メーカー
アビラテロン酢酸エステルの後発品は、2023年8月15日に6社が承認を取得しました。承認を取得したのは、第一三共エスファ、日本ジェネリック、沢井製薬、サンド、東和薬品、ニプロの6社です。ただし、承認後も薬価収載が見送られる状況が続き、実際に発売されたのは2025年12月5日からとなりました。
後発品の薬価は250mg錠で1錠あたり1,632.3円です。つまり先発品と比較すると約56.6%の価格になります。
1日1回1,000mg(250mg錠4錠)を投与する場合、1日あたりの薬剤費は約6,529円、月間では約19万6千円となります。先発品との月間差額は約25万円、年間では約300万円もの医療費削減効果が期待できます。患者負担が3割の場合でも、年間約90万円の負担軽減につながるのです。
ただし、重要な点として、500mg規格の後発品は承認されていません。先発品であるザイティガ錠500mgは2023年6月に薬価収載されたばかりであり、後発品の開発・承認が追いついていない状況です。そのため、500mg錠を処方していた患者を後発品に切り替える場合、250mg錠4錠への処方変更が必要になります。
錠剤数が増えることで服薬アドヒアランスに影響が出る可能性もあるため、患者ごとの状況を考慮した選択が求められます。高齢者や嚥下機能が低下している患者では、特に注意が必要でしょう。
アビラテロンオーソライズドジェネリックの特徴
後発品の中でも特筆すべきは、第一三共エスファが発売した「アビラテロン酢酸エステル錠250mg『DSEP』」がオーソライズドジェネリック(AG)である点です。
オーソライズドジェネリックとは、先発医薬品メーカーから許諾を受けて製造される後発品で、原薬・添加物・製造方法が先発品と完全に同一である点が最大の特徴です。通常の後発品は、先発品と同等性を証明する試験により承認されますが、製造方法や添加物が異なる場合があります。一方、AGは先発品そのものと言っても過言ではない製品です。
第一三共エスファのAGは、ヤンセンファーマのザイティガ錠250mgと原薬、添加物、製法が同一です。つまり「中身は全く同じだが、価格が約43%安い」という製品になります。後発品への切り替えに不安を感じる患者や医療従事者にとって、AGは安心して選択できる選択肢と言えるでしょう。
AGの薬価も通常の後発品と同じ1,632.3円です。つまり、品質面では先発品と同等でありながら、経済性は後発品と同水準という、両者のメリットを併せ持つ製品になっています。
医療機関での採用検討においても、AGであれば先発品からの切り替えに対する抵抗感が少なく、スムーズな導入が期待できます。薬剤部門と診療科の連携により、計画的な切り替えを進めることで、医療費適正化に大きく貢献できます。
第一三共エスファのオーソライズドジェネリック発売に関する公式プレスリリース
アビラテロン先発後発品の選択基準
先発品と後発品の選択において、医療従事者が考慮すべきポイントは複数あります。
まず経済性の観点では、後発品の選択により年間約300万円(患者負担3割で約90万円)の医療費削減が可能です。長期投与が前提となる去勢抵抗性前立腺癌治療において、この差額は患者の経済的負担に直結します。高額療養費制度を利用しても、所得区分によっては月々の自己負担上限に達するケースが多く、少しでも薬剤費を抑えることが重要です。
品質面での不安がある場合は、AGの選択が有効な選択肢となります。AGなら先発品と完全に同一の製品であるため、切り替えによる効果や副作用の変化を心配する必要がありません。
服薬アドヒアランスの観点では、500mg規格の有無が重要です。250mg錠4錠の服用が困難な患者では、先発品の500mg錠2錠を選択するほうが適切な場合もあります。特に高齢者や認知機能低下のある患者では、錠剤数が多いとのみ忘れや誤服用のリスクが高まります。
新規処方の場合は、初めから後発品またはAGを選択することで、切り替えに伴う患者の不安を回避できます。一方、既に先発品で治療が安定している患者を後発品に変更する場合は、患者への十分な説明と同意取得が必須です。「薬が変わるが中身は同じ」という説明だけでは不十分で、AGであることや薬価差額の具体的な金額を提示することで、患者の理解と納得が得られやすくなります。
薬剤選択が適切です。
アビラテロン服用時の医療従事者向け注意点
アビラテロン投与においては、医療従事者が押さえておくべき重要な管理ポイントがいくつかあります。これらは先発品・後発品を問わず共通の注意事項です。
第一に、プレドニゾロン併用の必須性です。アビラテロンはCYP17阻害によりアンドロゲンだけでなくコルチゾールの生成も抑制するため、副腎不全のリスクがあります。このため、プレドニゾロン1回5mg、1日2回(朝・夕食後)の併用が必須条件となっています。プレドニゾロン以外のステロイドでの代替や、1日2回以外の投与方法については安全性が確立していません。
患者が風邪などの感染症に罹患した場合(いわゆるシックデイ)には、相対的な副腎不全に注意が必要です。通常量のプレドニゾロンでは不足する可能性があるため、ステロイドの一時的な増量を検討します。
第二に、空腹時投与の厳守です。アビラテロンは食事の影響を非常に受けやすく、食後に服用するとCmax(最高血中濃度)とAUC(血中濃度時間曲線下面積)が著しく上昇します。具体的には、「食事の1時間以上前、かつ食後2時間以降」という空腹時の定義を患者に正確に理解してもらう必要があります。
服用タイミングの例を示すと、朝食を7時に摂る患者なら、朝食1時間前の6時、または朝食2時間後の9時以降が適切です。夕食を19時に摂る患者なら、18時または21時以降となります。ライフスタイルに合わせた服用時間の設定が、アドヒアランス向上につながります。
第三に、副作用モニタリングです。重大な副作用として低カリウム血症、肝機能障害、心血管系障害が報告されています。特に低カリウム血症は、CYP17阻害に伴う鉱質コルチコイド過剰状態が原因で発生し、重症例では不整脈から死亡に至った症例も報告されています。
肝機能障害については、投与開始から3か月以内、特に最初の1~2か月以内に多く発現します。そのため投与開始後3か月間は2週間ごと、その後は月1回の肝機能検査実施が推奨されています。AST、ALT、ビリルビン値の上昇を早期に発見し、必要に応じて休薬や中止の判断を行うことが重要です。
定期的な検査が必須です。
厚生労働省によるアビラテロンの低カリウム血症に関する安全性情報(PDF)
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