レベチラセタム錠500mgの効果と副作用を徹底解説

レベチラセタム錠500mgは、主にてんかん患者の部分発作（二次性全般化発作を含む）や、他の抗てんかん薬で十分な効果が得られない強直間代発作に対する併用療法に適応される抗てんかん薬です。作用機序は脳内のシナプス小胞タンパク質（SV2A）に結合し、神経伝達物質の放出を調整することで発作を抑制します。

• 部分発作の抑制効果が高い
• 他剤との併用療法で発作頻度の減少が期待できる
• 単剤でも一定の有効性が報告されている

国内第III相試験では、1000～2000mg/日群で6か月間発作消失患者の割合が73.8%、1年間で59.0%と高い有効性が示されています。
KEGG 医療用医薬品情報（適応・用法詳細）

レベチラセタム錠500mgの副作用は比較的多岐にわたりますが、主なものは以下の通りです。

• 傾眠（眠気）
• 鼻咽頭炎
• 頭痛
• 浮動性めまい
• 下痢
• 挫傷、運動緩慢

臨床試験における副作用発現頻度は、500mg/日投与群で60.6%、1000mg/日投与群で61.4%と高めです。特に傾眠は27.9%、鼻咽頭炎は14.1%、頭痛は11.8%と報告されています。
重大な副作用としては、横紋筋融解症、急性腎障害、悪性症候群、中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、重篤な血液障害（汎血球減少、無顆粒球症など）などが挙げられます。
ケアネット：効能・副作用詳細

精神神経系の副作用として、浮動性めまい（10.4%）、頭痛（11.8%）、傾眠（27.9%）が多く報告されています。他にも、不眠症、感覚鈍麻、気分変動、振戦、易刺激性、抑うつ、幻覚、異常行動など多彩な症状が現れることがあります。特に高齢者や精神疾患の既往がある患者では注意が必要です。
また、攻撃性や自殺企図などの重篤な精神症状が稀に報告されており、患者や家族への十分な説明と観察が重要です。
くすりのしおり：副作用詳細

小児では、傾眠、運動緩慢、頭痛、下痢、QT延長などが報告されています。妊婦では血中濃度が低下することがあり、特に第3トリメスターで顕著です。妊娠中の投与は胎児への移行性や骨格異常、成長遅延のリスクが動物実験で示唆されています。
授乳婦では乳汁中への移行が報告されており、治療上の有益性と母乳栄養のバランスを考慮する必要があります。高齢者では腎機能低下や精神症状の発現に注意が必要です。
QLife：副作用・注意点詳細

レベチラセタムは、他の抗てんかん薬と比較して薬物相互作用が少なく、肝代謝酵素をほとんど誘導・阻害しないため、併用薬が多い高齢者や多剤併用が必要な患者にも使いやすい特徴があります。
また、長期継続投与試験では副作用発現頻度が92.1%と高いものの、重篤な副作用の発現は稀で、忍容性が高い点が注目されています。
さらに、近年の研究では、てんかん以外の神経障害性疼痛や双極性障害への応用も検討されていますが、現時点では保険適応外です。
JAPIC：長期投与試験データ