ヘパリン類似物 一覧と剤形特徴・市販薬比較・選び方

ヘパリン類似物質は、保湿・血行促進・抗炎症作用を持ち、皮膚科領域で広く使われています。医療用では「ヒルドイド」シリーズ（マルホ）、後発品として「ヘパリン類似物質ゲル0.3％」「クリーム0.3％」など多数の製品が存在し、剤形も軟膏・クリーム・ローション・スプレー・フォーム（泡）など多様です。
代表的な医療用製剤：
・ヒルドイドクリーム0.3％、ヒルドイドソフト軟膏0.3％、ヒルドイドローション0.3％、ヒルドイドフォーム0.3％（マルホ）
・ヘパリン類似物質ゲル0.3％「アメル」「日医工」「ケンエー」など（各社後発品）
・ヘパリン類似物質外用スプレー0.3％「サトウ」「PP」「TCK」「日新」など（各社）
・ヘパリン類似物質油性クリーム0.3％「ニプロ」「アメル」「日医工」「ニットー」など

市販薬では「ヒルマイルド」「ヒルメナイド」「フェルゼアプレミアム」「メンソレータムアレピット」「ピアソンHPクリーム」などがあり、剤形・成分・保湿力・使用感に差があります。
KEGG：ヘパリン類似物質商品一覧

ヘパリン類似物質は、患者の皮膚状態や部位に合わせて剤形を選択します。
・軟膏：水に溶けにくく、保湿・保護作用が高い。刺激が少なく、湿潤・乾燥どちらにも使用可能。
・クリーム：伸びがよく、べたつきが少ない。乾燥した患部や軟膏のべたつきが苦手な場合に適する。
・ローション：さらっとした使用感で有毛部や広範囲に使いやすい。やや刺激性あり。
・スプレー・フォーム：広範囲や手の届きにくい部位、夏場の使用に便利。
シオノギ：剤形ごとの特徴解説

医療用ヘパリン類似物質は、先発品「ヒルドイド」シリーズのほか、薬価を抑えた後発品（ジェネリック）が多数流通しています。
例：
・ヒルドイドクリーム0.3％（18.2円／g）
・ヘパリン類似物質クリーム0.3％「アメル」（後発品、薬価記載なし）
・ヘパリン類似物質クリーム0.3％「ラクール」（3円／g）
・ヘパリン類似物質油性クリーム0.3％「ニプロ」（3.7円／g）
・ヘパリン類似物質ローション0.3％「ニットー」（4.9円／g）
市販薬は価格帯が広く、50gで1,000円前後～、100gで2,000円台が主流。
KEGG：薬価比較一覧

ヘパリン類似物質は、親水性・保水性に優れ、皮膚角層まで水分を届ける高い保湿効果があります。さらに血行促進・抗炎症作用も併せ持ち、乾燥性皮膚炎や傷あとの治療、バリア機能回復に用いられます。
尿素系やワセリン系保湿剤と比較すると、角層の柔軟化・バリア機能補強・水分保持のバランスが良いのが特徴です。
シオノギ：保湿剤比較表

患者ごとに適した剤形・製品選択が重要です。
・乾燥が強い部位や高齢者には軟膏タイプ、
・広範囲や有毛部にはローションやスプレー、
・仕事や外出時には携帯性の高いチューブやミニサイズ、
・敏感肌や乳幼児には無香料・無着色・低刺激タイプを推奨。
剤形による塗布感や伸び、保湿持続性、患者の嗜好性も考慮し、必要に応じて複数剤形を組み合わせることも有効です。

また、医薬品・医薬部外品・化粧品の区分による効果の違い、自己判断での長期連用リスク、出血傾向のある患者への注意喚起も重要です。