日本矯正歯科学会の認定医と専門医の違い
日本矯正歯科学会では、矯正歯科治療に関する適切な学識と経験を有する者を認定医・指導医・臨床指導医(旧専門医)として認定しています。
日本矯正歯科学会の認定医と専門医の違い
認定医は、学会が認めた大学病院や矯正医療機関で、5年以上の臨床経験(※)を持ち、学会での発表等で審査に合格した歯科医師のことです。
専門医(臨床指導医)は、認定医の資格を有する者で、さらに7年以上の臨床経験を有し、特定症例の治療において、学会での発表等で審査に合格した歯科医師のことです。
※臨床経験の期間は、矯正歯科の専門研修を受けた期間を含みます。
認定医と専門医(臨床指導医)の違いは、以下のとおりです。
項目 | 認定医 | 専門医(臨床指導医) |
---|---|---|
資格 | 日本矯正歯科学会認定医 | 日本矯正歯科学会認定専門医(臨床指導医) |
臨床経験 | 5年以上 | 7年以上 |
学会発表 | 必要 | 必要 |
特定症例の治療 | 不要 | 必要 |
認定医は、矯正歯科の基本的な知識と技術を有し、一般的な症例の治療を適切に行うことができる歯科医師です。一方、専門医(臨床指導医)は、認定医の資格に加えて、特定症例の治療においても高い技術と知識を有する歯科医師です。
矯正歯科治療を受ける際には、認定医や専門医(臨床指導医)の資格を有する歯科医師を選ぶことをおすすめします。認定医や専門医(臨床指導医)は、矯正歯科に関する豊富な知識と経験を有しており、より安全で効果的な治療を受けることができます。
矯正歯科の専門医が治療可能な特定症例
矯正歯科の専門医が治療可能な特定症例は、以下のとおりです。
- 骨格性咬合異常
- 上顎前突(上顎の前歯が突出している状態)
- 下顎前突(下顎の前歯が突出している状態)
- 反対咬合(上顎と下顎の歯が噛み合っていない状態)
- 開咬(上顎と下顎の歯の間に隙間がある状態)
- 深咬合(上顎と下顎の歯が過剰に噛み合っている状態)
- 歯列不正
- 叢生(歯が重なっている状態)
- 空隙(歯が欠けている状態)
- 歯の傾き
- 歯の位置異常
- 歯がずれている状態
- 歯が回転している状態
- 歯並びの悪化を予防する治療
- 歯列矯正装置の装着
- 成長期の顎の成長を促す治療
これらの症例は、一般的な矯正歯科治療では対応が難しい場合や、より高度な技術や知識が必要となる場合があります。専門医は、これらの症例に対して、適切な治療計画を立て、安全で効果的な治療を行うことができます。
具体的な症例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 上顎前突が著しい場合
- 下顎前突が著しい場合
- 反対咬合が重度の場合
- 開咬が広範囲にわたる場合
- 深咬合が著しい場合
- 叢生が重度の場合
- 空隙が広範囲にわたる場合
- 歯が大きくずれている場合
- 歯が大きく回転している場合
また、専門医は、矯正歯科治療と歯周病治療の連携にも長けています。歯周病が進行している場合、矯正歯科治療を行う前に、歯周病治療を行う必要があります。専門医は、歯周病の治療と矯正歯科治療を適切に組み合わせることで、より良い治療結果を導くことができます。