多発性骨髄腫治療薬最新の動向
3種類以上の治療を受けた患者でも奏効率70%を下回ります
多発性骨髄腫治療薬の最新承認状況と薬価
多発性骨髄腫の治療薬開発は2024年から2025年にかけて飛躍的な進歩を遂げています。2025年6月24日には、トアルクエタマブ(商品名:タービー皮下注3mg、同40mg)が再発または難治性の多発性骨髄腫を対象に承認され、同年8月14日に薬価収載と同時に発売されました。タービーの薬価は3mg製剤が146,284円、40mg製剤が1,879,962円と高額ですが、高額療養費制度の対象となるため、患者の実質負担は所得区分に応じて月額数万円から十数万円程度に抑えられます。
同じく2024年12月27日には、テクリスタマブ(商品名:テクベイリ)が承認され、2025年3月に発売されています。さらにエルラナタマブ(商品名:エルレフィオ)は2024年5月に発売後、2025年6月24日に用法・用量が追加承認され、投与間隔の延長が可能となりました。これにより通院頻度が減少し、患者の治療負担が軽減されています。
これら二重特異性抗体は皮下注製剤であるため、点滴製剤と比較して投与時間が大幅に短縮されるのが特徴です。タービーは週1回または隔週投与、エルレフィオも週1回投与から開始し、後に投与間隔を延長できるため、外来通院での管理がしやすくなっています。
タービーの承認に関する詳細情報はヤンセンファーマの公式発表で確認できます。
医療機関では、これらの新薬導入に伴い院内体制の整備が進められています。二重特異性抗体は初回投与時にサイトカイン放出症候群(CRS)のリスクがあるため、入院または日帰り入院での投与管理が推奨されており、緊急時対応のプロトコル整備が必須です。
多発性骨髄腫のGPRC5D標的薬とBCMA標的薬の違い
タービーは世界初のGPRC5DとCD3を標的とする二重特異性抗体として注目されています。従来の二重特異性抗体であるテクベイリやエルレフィオはBCMAとCD3を標的としていますが、タービーは異なる作用機序を持つため、BCMA標的治療後の患者にも効果が期待できます。
GPRC5D(G protein-coupled receptor class C group 5 member D)は多発性骨髄腫細胞および正常な形質細胞の表面に発現していますが、BCMAと異なり正常なB細胞にはほとんど発現していません。このため、BCMA標的療法で課題となっていた正常B細胞への傷害に伴う免疫不全が低減される可能性があります。
臨床試験MonumenTAL-1試験では、タービーの全奏効率(ORR)は日本人患者で77.8%、海外データでは74.6%という高い成績を示しました。特に3種類以上の治療歴を有する難治性患者においてもこの成績が得られた点は画期的です。奏効持続期間の中央値は約10ヶ月であり、深い奏効を達成した患者では長期間の病勢コントロールが可能となっています。
BCMAとGPRC5Dは異なる標的分子であるため、交差耐性が生じにくいという利点があります。実際に、RedirecTT-1試験ではタービーとテクベイリの併用療法が検討され、髄外病変を有する難治性患者においても全奏効率83%という極めて高い効果が報告されました。これは単剤では到達困難な成績であり、二重標的化戦略の有効性を裏付けています。
つまり、標的の違いが治療戦略に幅を持たせているということですね。
多発性骨髄腫初回治療におけるDVRd療法の意義
2025年6月、ダラツムマブ皮下投与製剤(ダラキューロ)+ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンの4剤併用療法(DVRd療法)が、自家造血幹細胞移植の適応・非適応を問わず初回治療として使用可能となりました。これまで初回治療は3剤併用が標準でしたが、より強力な4剤併用が選択肢に加わったことで、治療戦略が大きく変化しています。
PERSEUS試験の結果では、従来の3剤併用療法(VRd療法)と比較して、DVRd療法では微小残存病変(MRD)陰性率が47.5%から75.2%へ向上しました。さらに重要なのは、MRD陰性状態が12ヶ月以上持続した割合が、3剤併用群の29.7%に対してDVRd療法群では64.8%に達したことです。東京ドーム約1.5個分の面積に相当する64,800平方メートルの敷地に、治療効果が持続する患者が広がっているイメージです。
日本赤十字社医療センターの鈴木憲史先生は、多発性骨髄腫治療の目標は「より早く深い奏効を達成し、それをできるだけ長く維持すること」であり、薬剤耐性が出現する前の初回治療が最も重要だと強調しています。DVRd療法により、従来「治らない病気」とされてきた多発性骨髄腫において、長期無再発を維持できる患者が増加する可能性が示されています。
ただし、強力な治療であるため全ての患者に適しているわけではありません。高齢者や臓器機能低下を伴う患者では、有害事象のリスクが高まる可能性があります。そのため、患者の全身状態、年齢、併存疾患、治療目標、ライフスタイルなどを総合的に評価した上で、個別に最適な治療法を選択することが求められます。
最初の1-2サイクルは減量を前提とせず規定用量で投与することが推奨されています。初回の強力な治療により確実に深い奏効を得ることが、長期予後の改善につながるためです。その後は効果と有害事象のバランスを見ながら、必要に応じて用量調整を行います。
DVRd療法の臨床的意義についてはがん情報サイトオンコロの解説記事が参考になります。
多発性骨髄腫治療における二重特異性抗体の副作用マネジメント
二重特異性抗体治療で最も注意すべき副作用はサイトカイン放出症候群(CRS)です。CRSはT細胞が活性化される際に大量のサイトカインが放出されることで起こり、発熱、低血圧、頻脈、低酸素血症などの症状を引き起こします。タービーでは76.1%の患者にCRSが発現しましたが、大部分はGrade 1-2の軽度であり、98%が14日以内に回復しています。
初回投与時のCRS予防策として、ステップアップ投与法が採用されています。タービーでは1日目に12mg、4日目に32mg、8日目以降に76mgと段階的に増量することで、T細胞の過剰な活性化を抑制します。また一部の施設では、抗IL-6受容体抗体トシリズマブの予防投与が試みられており、CRS発症率を10.1%まで低下させたという報告があります。
免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)も重要な副作用です。ICARSは錯乱、意識レベルの低下、けいれんなどの神経症状を呈しますが、二重特異性抗体では発現頻度が比較的低く、タービーでは約9%に認められました。重症例は少なく、適切な対応により多くが回復しています。
感染症リスクへの対応も欠かせません。二重特異性抗体治療中は好中球減少や免疫グロブリン低下により、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症のリスクが高まります。予防的な抗菌薬投与、免疫グロブリン補充療法、G-CSF製剤の使用などを患者の状態に応じて検討します。発熱性好中球減少症が疑われる場合は、直ちに血液培養を採取し、広域抗菌薬を開始することが原則です。
GPRC5D標的薬特有の副作用として、味覚障害や爪障害が挙げられます。GPRC5Dは舌の上皮細胞や爪床にも発現しているため、タービー投与患者では味覚障害が高頻度に認められます。これに対しては、亜鉛製剤の補充や口腔ケアの徹底が推奨されます。爪障害に対しては、保湿剤の使用や外傷回避の指導が有効です。
どういうことでしょうか?
標的分子の発現部位により副作用プロファイルが異なるため、BCMA標的薬とGPRC5D標的薬では注意すべき有害事象が一部異なります。BCMA標的薬では正常B細胞への影響により免疫グロブリン低下が顕著ですが、GPRC5D標的薬では相対的に軽度であり、代わりに味覚障害や爪障害への対応が必要となります。
CRSのリスクが高い初回投与期間中は、G-CSF製剤の使用を避けることが推奨されています。G-CSFによるサイトカイン放出がCRSの症状と重複し、鑑別や重症度評価を困難にする可能性があるためです。好中球数が500/μL以上に回復してから使用を検討します。
多発性骨髄腫のCAR-T療法と二重特異性抗体の使い分け
多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法は、2022年以降日本でも複数の製剤が承認されています。イデカブタジェン・ビクルユーセル(製品名:アベクマ)とシルタカブタジェン・アウトルユーセル(製品名:カービクティ)はいずれもBCMAを標的としたCAR-T療法であり、再発難治性患者に対して高い奏効率を示しています。
CAR-T療法の最大の特徴は、一度の投与で長期間の効果が期待できることです。KarMMa-3試験では、アベクマ投与群の無増悪生存期間中央値は13.3ヶ月と、標準治療群の4.4ヶ月を大きく上回りました。完全奏効率も高く、深い奏効が得られた患者では数年単位での病勢コントロールが可能です。
一方で、CAR-T療法には製造に時間がかかる、入院管理が必須である、費用が極めて高額(薬剤費約3500万円)といった制約があります。患者自身のT細胞を採取して遺伝子改変するため、製造期間として3-4週間が必要であり、その間に病勢が進行するリスクがあります。また重篤なCRSやICANSの発現頻度が高く、専門的な管理体制を有する施設でのみ実施可能です。
二重特異性抗体はCAR-T療法と比較して、製造不要ですぐに投与開始できる、外来治療が可能、費用が相対的に低い(年間約数百万円)という利点があります。ただし継続投与が必要であり、通院負担や長期的な医療費負担は考慮すべき点です。
治療選択の実際では、患者の病勢進行速度、全身状態、年齢、併存疾患、通院可能性、経済的状況などを総合的に評価します。急速進行例や全身状態不良例では、すぐに開始できる二重特異性抗体が選択されることが多くなります。一方、比較的全身状態が良好で、一度の治療で長期コントロールを目指したい患者では、CAR-T療法が検討されます。
近年の動向として、CAR-T療法と二重特異性抗体を使用するタイミングが議論されています。従来はCAR-T療法が後線治療として位置づけられていましたが、より早期に使用することで予後改善が期待できるとの報告もあります。また、GPRC5Dを標的としたCAR-T療法の開発も進んでおり、大阪大学ではMMG49 CAR-T細胞療法の非臨床試験で有望な結果が報告されています。
結論は、両者は競合ではなく相補的な関係にあるということです。
多発性骨髄腫治療の最新ガイドラインと治療戦略
2026年1月、米国臨床腫瘍学会(ASCO)が多発性骨髄腫の診療ガイドラインを改訂し、初回治療における4剤併用療法の推奨が強化されました。移植適応患者の初回治療には、ダラツムマブまたはイサツキシマブ+ボルテゾミブ+レナリドミド+デキサメタゾンの4剤併用療法(D-VRd/Isa-VRd)を実施すべきとされています。
また高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫に対しては、積極的モニタリングのほかダラツムマブ単剤療法(最長36ヶ月)が推奨される場合があることが新たに追加されました。くすぶり型は無症候性の段階ですが、高リスク群では2年以内に症候性骨髄腫へ進行する確率が高いため、早期介入の有効性が示されています。
日本国内でも、日本骨髄腫学会や日本血液学会のガイドラインが順次更新されており、二重特異性抗体やCAR-T療法の位置づけが明確化されつつあります。再発難治性患者に対しては、前治療の内容、耐性の有無、BCMA標的治療歴の有無などを考慮して、最適な薬剤を選択することが推奨されています。
超高リスク患者に対する治療戦略も進化しています。染色体異常や遺伝子変異により予後不良と判断される患者では、初回治療からより強力な治療が検討されます。イサツキシマブ+レナリドミド+シクロホスファミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの5剤併用療法(Isa-R-CyBorD療法)が導入療法として試みられ、自家造血幹細胞移植、地固め療法を組み合わせる戦略が報告されています。
治療シークエンスの最適化も重要な課題です。初回治療で使用した薬剤に耐性が生じた場合、作用機序の異なる薬剤への変更が基本となります。プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗CD38抗体の3クラスに耐性を獲得した患者では、二重特異性抗体やCAR-T療法などの新規免疫療法が選択肢となります。
厳しいところですね。
しかし新薬の登場により、3クラス耐性後の治療成績は大きく改善しています。米国のデータでは、3クラス耐性後の全奏効率は約30%、全生存期間中央値は12.4ヶ月でしたが、二重特異性抗体やCAR-T療法により奏効率70%超、生存期間の延長が期待できるようになっています。
ASCOガイドライン改訂の詳細はケアネットの記事で解説されています。
医療機関では、これらの新規治療を安全に提供するための体制整備が急務となっています。二重特異性抗体やCAR-T療法は専門的な知識と経験を要するため、血液内科専門医、薬剤師、看護師、臨床検査技師などの多職種チームによる管理が不可欠です。CRSやICANSなどの特殊な副作用に対する早期発見・早期対応のプロトコル作成、緊急時の連携体制構築、患者教育資材の整備などが進められています。
今後は、より早期の治療ライン、さらには初回治療における二重特異性抗体やCAR-T療法の役割についても臨床試験が進行中です。初回治療から免疫療法を導入することで、従来達成困難であった長期寛解や治癒の可能性を探る研究が世界各地で実施されており、多発性骨髄腫治療は新たな時代を迎えようとしています。
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