ペニシリンg投与方法|静注・筋注・投与量・血管痛対策まで

ペニシリンg投与方法と投与経路

静注だけだと血管痛リスクが2倍になります。

この記事のポイント
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投与経路と特徴

静脈内投与・筋肉内注射の使い分けと注意点を解説

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血管痛・静脈炎対策

PICC挿入や持続投与による副作用予防方法

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疾患別投与量

通常感染症から髄膜炎まで病態別の投与設計

ペニシリンgの基本的な投与経路と選択基準

ペニシリンG(ベンジルペニシリンカリウム)は静脈内投与または筋肉内注射で投与される抗生物質です。投与経路の選択は感染症の重症度や患者の状態に応じて決定されます。kegg+1

静脈内投与は重症感染症や髄膜炎などで推奨される投与経路です。通常30〜60万単位を1日4〜6回投与し、最大で2400万単位/日まで投与可能です。血管痛や静脈炎のリスクがあるため、注射部位や点滴速度に十分な注意が必要です。kobe-kishida-clinic+1

筋肉内注射は軽症から中等症の感染症に用いられます。1日4〜6回の投与で最大1800万単位/日まで投与できますが、静脈内投与より最大投与量が制限されます。同一部位への反復注射は避け、神経走行部位を回避する必要があります。pins.japic+2

投与経路の選択では、感染部位への移行性も考慮します。髄膜炎では髄液移行性が良好なため静脈内投与が一選択です。hokuto+1

ペニシリンgの静脈内投与における具体的な方法

静脈内投与には間欠投与と持続投与の2つの方法があります。ペニシリンGは半減期が約30分と極めて短いため、投与方法の選択が治療効果に大きく影響します。gimidoc.blog.fc2+1

間欠投与では1回400万単位を1日6回点滴静注するのが標準的です。4時間毎の投与が原則となりますが、これは看護師の業務負担や患者の睡眠を妨げる問題があります。400万単位を生理食塩水100mlに溶解し、1時間かけて投与します。tsukubahospitalist.hatenablog+2

持続投与は半減期の短さを補うための有効な方法です。例えば1800万単位/日の場合、ペニシリンGカリウム100万単位9バイアルを生理食塩水または5%ブドウ糖液100mlに溶解し、12時間かけて持続投与を1日2回実施します。静脈炎予防のため、輸液量は最低300ml以上が推奨されます。hosphar.blogspot+3

輸液500ml+ペニシリンGカリウム600万単位を6時間かけて投与し、これを1日4回繰り返す方法も実施されています。血中濃度を安定させる観点から、持続点滴は間欠投与と同等以上の効果が期待できます。chemotherapy+1

ペニシリンg投与時の血管痛・静脈炎対策

ペニシリンGは血管痛や静脈炎を起こしやすい抗菌薬として知られています。これらの副作用は投与部位や投与方法によって予防可能です。hokuto+2

PICC(末梢挿入型中心静脈カテーテル)の挿入は長期投与時の有効な対策です。骨髄炎などで長期抗菌薬投与が必要な場合、特にペニシリンGのような血管炎リスクが高い抗菌薬では適応となります。PICCは上大静脈に先端を留置するため、薬剤が速やかに希釈され血管刺激が軽減されます。igakukotohajime+2

点滴速度の調整も重要な予防策です。急速な投与は血管痛のリスクを高めるため、適切な速度での投与が必要です。vet.cygni+1

ホットパックの使用は血管痛の予防と緩和に効果的です。血管を温めることで血管を拡張させ、薬剤との接触時間を減らし静脈炎・血管痛の予防を図ります。点滴中にホットパックを使用すると、血管痛や違和感の出現を抑えられます。oncoc.showa.gunma-u+2

輸液量の確保も静脈炎予防に有効です。最低300ml以上の輸液で希釈することで、血管への刺激を軽減できます。

参考)薬剤師の話: ■ペニシリンGカリウム注の持続投与…

ペニシリンg投与量の疾患別設定基準

ペニシリンGの投与量は感染症の種類と重症度によって大きく異なります。

適切な投与量設定が治療成功の鍵となります。

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通常感染症では1回30〜60万単位を1日4〜6回投与します。敗血症、感染性心内膜炎、肺炎などの重症感染症では、より高用量が必要です。clinicalsup+1

化膿性髄膜炎では成人に1回400万単位を1日6回点滴静注します。つまり1日2400万単位という高用量投与が標準です。髄膜炎では中枢神経への十分な移行が必要なため、通常感染症の4〜8倍の投与量となります。

参考)https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00060242.pdf

感染性心内膜炎では200万〜400万単位を4時間ごと静注、または1200万〜2400万単位を24時間持続静注します。重症病態では高用量での使用が望ましいとされています。

壊死性筋膜炎などの重症病態でも高用量投与が推奨されます。腎機能に問題がなければ2g(約320万単位相当のアンピシリン換算)を6時間毎に投与する標準投与量が基本です。igakukotohajime+1

年齢や症状により適宜増減が必要で、特に腎機能障害患者では投与量調整が必須です。

ペニシリンg投与時の禁忌と注意すべき患者背景

ペニシリンGの投与には絶対的禁忌と相対的禁忌があり、患者背景の確認が不可欠です。投与前の問診とモニタリングが重大な副作用を防ぎます。

参考)https://www.meiji-seika-pharma.co.jp/medical/product/faq/answer/pg-7/

本剤の成分に対し過敏症の既往歴がある患者への投与は絶対的禁忌です。ペニシリン系抗生物質アレルギー歴がある場合、アナフィラキシーショックのリスクが高まります。初回投与時は特に注意が必要で、投与開始後30分から1時間は慎重なモニタリングを行います。kobe-kishida-clinic+1

高カリウム血症腎不全患者では注意が必要です。ペニシリンGカリウム製剤はカリウム濃度が61mEq/Lと高値であり、できるだけメインルートの側管から投与すべきです。腎機能障害患者では投与量調整が必須となります。

参考)God Does Not Play Dice   〜でも医療…

筋肉内注射では神経損傷のリスクに配慮が必要です。注射針刺入時に激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き部位を変えて注射します。低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には特に注意が求められます。vet.cygni+1

不適切な使用は耐性菌出現のリスクを高めるため、適切な投与量と期間の遵守が重要です。必要以上に長期間の投与や不十分な投与量は避けるべきです。

KEGG MEDICUS:ペニシリンG添付文書

添付文書の詳細な禁忌・警告事項を確認できます。

ペニシリンg投与後のモニタリングポイント

投与後の適切なモニタリングは治療効果の評価と副作用の早期発見に不可欠です。

臨床症状と検査データの両面から評価します。

アレルギー反応の監視は投与開始直後が最も重要です。初回投与後30分〜1時間は注意深い観察が必要で、発疹、呼吸困難、血圧低下などの症状に注意します。アレルギー反応が疑われる際は直ちに投与を中止し、代替薬を検討します。必要に応じて抗ヒスタミン薬や副腎皮質ステロイド薬などの対症療法を行います。

血管痛・静脈炎の評価も重要なモニタリング項目です。注射部位の疼痛、発赤、腫脹、硬結の有無を定期的に確認します。症状が出現した場合は投与部位の変更やPICC挿入を検討します。vet.cygni+1

血中カリウム濃度の監視は腎機能障害患者や高用量投与時に必須です。ペニシリンGカリウム製剤はカリウム含有量が高いため、高カリウム血症のリスクがあります。

治療効果の評価には感染症状の改善と炎症マーカーの推移を確認します。発熱、白血球数、CRPなどの推移をモニタリングし、必要に応じて培養結果に基づく抗菌薬の変更を検討します。

腎機能のモニタリングも継続的に実施します。腎機能低下時は投与量調整が必要となるため、血清クレアチニンや尿量の変化に注意を払います。

Hokuto:ペニシリンG腎機能別投与量計算ツール

腎機能に応じた投与量調整の計算に役立ちます。