エフィナコナゾール先発後発比較
先発品クレナフィンとAGは成分も製造元も同じなのに薬価が半額以下になります。
エフィナコナゾール先発品クレナフィンの特徴と薬価
エフィナコナゾール(商品名:クレナフィン爪外用液10%)は、科研製薬が創製した日本初の外用爪白癬治療剤として2014年9月に発売されました。
参考)日本初“外用”爪白癬治療剤の特徴と有用性|医師向け医療ニュー…
有効成分エフィナコナゾールは新規トリアゾール系化合物で、真菌細胞膜成分エルゴステロールの生合成を阻害することで抗真菌作用を発揮します。従来の経口抗真菌薬で報告されていた肝障害の副作用や薬物相互作用を回避できる点が大きな利点です。
参考)爪外用薬 |クレナフィン|塗り薬 – 池袋駅前のだ皮膚科ーク…
爪の構成成分であるケラチンとの親和性が低いため、爪表面に塗布するだけで爪の中や爪床(爪の下の皮膚)まで浸透し、優れた臨床効果を示します。
これが原則です。
参考)https://medical-tribune.co.jp/rensai/articles/?blogid=11amp;entryid=569041
先発品クレナフィン爪外用液10%の薬価は1,396.80円/gで、1本(3.56g)あたり約4,972円となっています。3割負担の患者では1本あたり約1,800円の自己負担が発生します。yakumika+1
エフィナコナゾール後発品AGの登場と価格メリット
2025年6月に保険収載され、9月12日に科研ファルマからオーソライズド・ジェネリック(AG)として「エフィナコナゾール爪外用液10%『科研』」が発売されました。
AGは有効成分、原薬、添加剤、製造方法・製造場所、容器、効能効果がすべて先発品と同一でありながら、薬価は676.30円/gと先発品の約半額に設定されています。
つまり約48%の薬価削減です。
3割負担の患者では1本あたり約700円となり、毎日両方の指5本に塗布した場合でも約2週間使用できます。月2本まで処方可能なため、1か月あたりの患者負担は約1,400円に抑えられます。
参考)爪白癬薬のジェネリック
先発品メーカー自らがAGを製造販売するため、品質面での不安が全くない点も医療従事者にとって処方しやすい要素となっています。
これは使えそうです。
参考)エフィナコナゾール爪外用液(クレナフィン爪外用液のジェネリッ…
エフィナコナゾールの臨床効果と治療期間の実際
無作為化二重盲検試験では、52週目の完全治癒率でエフィナコナゾール外用液群が基剤群に対して優越性を示しました。
参考)https://www.pmda.go.jp/drugs/2014/P201400074/200022000_22600AMX00739000_B100_1.pdf
しかし実臨床では完全治癒率は17.9%にとどまり、改善が認められる症例は治癒も含めて81.3%でした。484例の検討では、治癒症例のうち3割以上が治癒に1年以上を要しており、根気強い治療継続が必要であることが明らかになっています。
参考)https://cir.nii.ac.jp/crid/1390285697606272640
治療期間が長期化する主な理由は、爪の成長速度が遅いことと、感染した爪が完全に生え変わるまで時間がかかるためです。足の爪は1か月に約1mm程度しか伸びないため、完全に新しい爪に置き換わるには最低でも12か月以上かかる計算になります。
治療開始時に患者へ「爪白癬の治療には長い時間がかかること」「改善の兆しが見えるまで数か月かかる場合もあること」を丁寧に説明し、アドヒアランス向上を図ることが治療成功の鍵です。どういうことでしょうか?
定期的な診察で改善度を確認し、視覚的なフィードバックを与えることで、患者のモチベーション維持につながります。
エフィナコナゾールの副作用プロファイルと対応
エフィナコナゾールの主な副作用は適用部位に現れます。接触皮膚炎が7.0%(14/200例)と最も頻度が高く、皮膚炎および紅斑が各2.0%(4/200例)、爪甲剥離症が1.5%(3/200例)報告されています。
参考)エフィナコナゾール爪外用液10%「サワイ」の効能・副作用|ケ…
484例を対象とした長期使用の検討では、接触皮膚炎が13例(2.7%)に認められましたが、全身性の副作用は認められませんでした。
厳しいところですね。
適用部位の副作用として、皮膚炎26例(2.1%)、水疱18例(1.5%)、紅斑9例(0.7%)、そう痒・異常感覚・腫脹・疼痛・皮膚剥脱が各7例(0.6%)、爪甲脱落4例(0.3%)が報告されています。
接触皮膚炎が発現した場合は、塗布量の調整や塗布頻度の見直し、必要に応じて一時的な休薬を検討します。症状が軽度であれば、保湿剤の併用や爪周囲への塗布を避けることで継続可能なケースもあります。
重篤な皮膚症状が出現した場合や症状改善が見られない場合は、速やかに使用を中止し、内服抗真菌薬への変更も含めた治療方針の再検討が必要です。
エフィナコナゾール処方時の実践的な患者指導法
エフィナコナゾールを処方する際は、正しい塗布方法と継続の重要性を具体的に説明する必要があります。
塗布のタイミングは入浴後がベストです。爪が柔らかくなっている状態で薬剤を塗布すると、より深部まで浸透しやすくなります。爪表面だけでなく、爪の先端部分や爪の下(爪床側)にも薬剤が届くよう、爪先からも塗布することを指導します。
1日1回の塗布が基本ですが、塗り忘れた場合は気づいた時点で塗布するよう伝えます。
2回分をまとめて塗布する必要はありません。
爪やすりなどで爪表面を軽く削ってから塗布すると、薬剤の浸透性がさらに向上します。ただし、爪を削りすぎると痛みや二次感染のリスクがあるため、軽く表面を整える程度にとどめるよう注意が必要です。
使用量の目安として、爪10枚に使用する場合、1本(3.56g)で約2~8週間分となります。罹患爪の枚数によって使用期間が変わるため、患者ごとに適切な処方量を調整します。
他の外用抗真菌薬(ルコナック爪外用液など)との併用は避け、どちらか一方を選択して使用するよう指導します。足白癬を併発している場合は、別途足白癬用の外用抗真菌薬を処方し、部位を分けて使用させます。
エフィナコナゾール先発とジェネリックの使い分け戦略
先発品クレナフィンとAGのエフィナコナゾール爪外用液「科研」は、成分・品質が完全に同一であるため、臨床効果や安全性に差はありません。
参考)エフィナコナゾール爪外用液が、院内処方できるようになりました…
コスト面から考えると、AGを第一選択とすることで患者の経済的負担を約半分に軽減できます。長期治療が前提となる爪白癬では、薬剤費の削減が治療継続率の向上に直結します。
結論はAG優先です。
ただし、先発品を長期間使用している患者が改善傾向にある場合、あえて切り替える必要性は低いでしょう。患者が「薬が変わることへの不安」を持つ場合は、AGが先発品と同じメーカーによる同一品質であることを丁寧に説明します。
新規処方の場合は、原則としてAGを選択し、患者の自己負担を最小限にすることが推奨されます。医療機関の薬剤採用方針によっては院内処方でAGを用意することで、さらにアクセス性が向上します。
他の爪白癬治療薬との比較では、ルコナック爪外用液(ルリコナゾール)がエフィナコナゾールよりもさらに経済的です。ルコナックは爪10枚に使用した場合の30日分が約4,977円であるのに対し、クレナフィンは約21,311円、AGでも10,000円程度かかります。
参考)ルコナック爪外用液とクレナフィン爪外用液の違い!~何日分使え…
コスト最優先ならルコナック、薬剤特性や患者の状態に応じてエフィナコナゾールAGを選択するという使い分けが実践的です。
エフィナコナゾールと内服薬の治療費比較
爪白癬治療では外用薬と内服薬の選択が重要な判断ポイントとなります。
内服薬の代表例として、ホスラブコナゾール(ネイリン)は1か月約7,000円で3か月治療した場合の総額は約21,000円です。テルビナフィン(ラミシール)は1か月約2,000円で6か月治療すると約12,000円となります。okahifuka-kurashiki+1
エフィナコナゾールAGを使用した場合、爪10枚に1年間治療すると約12,000~48,000円の範囲となり、罹患爪の数によって大きく変動します。1~2枚程度の軽症例ではAGのコストメリットが大きくなります。
内服薬は定期的な肝機能検査(採血)が必要となるため、検査費用も治療コストに含める必要があります。外用薬は全身性の副作用リスクが低く、検査費用がかからない点も利点です。
高齢者や多剤併用患者では、薬物相互作用や肝機能への影響を考慮すると、外用薬であるエフィナコナゾールが第一選択となるケースが多くなります。
これが条件です。
エフィナコナゾール処方における保険適用と処方日数制限
エフィナコナゾール爪外用液は爪白癬に対して保険適用があり、1回の処方で月2本まで処方可能です。
1本3.56gで両足の指5本に毎日塗布した場合、約2週間分に相当するため、月2本であれば約1か月分の治療が可能となります。罹患爪の数が少ない場合は1本で1か月以上使用できることもあります。
処方箋の使用期間は発行日を含めて4日以内となっているため、患者には速やかに調剤薬局で受け取るよう指導します。長期保存による品質劣化を防ぐため、開封後は冷所保存や直射日光を避けた場所での保管を指導します。
再診間隔は通常1~3か月ごとに設定し、治療効果の判定と副作用の有無を確認します。改善が認められない場合は、真菌学的検査(顕微鏡検査・培養検査)で菌の残存を確認し、治療方針の見直しを検討します。
治療が長期化する場合でも、定期的な受診により患者の治療意欲を維持し、塗布方法の再確認や疑問点の解消を行うことがアドヒアランス向上につながります。
意外ですね。
クレナフィン爪外用液の審査報告書(PMDA)では、臨床試験データや安全性情報が詳細に記載されています。
KEGGデータベースのエフィナコナゾール製剤一覧では、各製品の薬価や添加物の比較が可能です。