ナイスタチン軟膏の効果と使い方
クロラムフェニコール配合剤は長期使用で耐性菌リスクが高まります。
ナイスタチンの抗真菌作用と特性
ナイスタチンはポリエンマクロライド系の抗真菌薬で、カンジダ属真菌に対して強力な抗菌作用を示します。この薬剤の最大の特徴は、真菌の細胞膜に存在するエルゴステロールに結合し、細胞膜の透過性を変化させることで真菌を死滅させる点です。kusurinomadoguchi+2
カンジダに対する耐性獲得は極めて困難であることが研究で確認されています。C. albicansやC. parakruseiを50代継代培養した実験でも、耐性上昇は認められませんでした。
参考)https://clinicalsup.jp/jpoc/DrugInfoPdf/00056460.pdf
つまり長期使用でも耐性化しにくいということですね。
ナイスタチンは皮膚、膣、口腔、食道のカンジダ感染症に良好な反応を示すため、医療現場では多様な剤形で使用されています。局所投与では全身への吸収がほとんどないため、安全性プロファイルも優れています。wikipedia+1
ナイスタチン配合軟膏の組成と適応
市販薬で唯一、化膿性皮膚疾患用薬として抗真菌成分ナイスタチンを配合しているのがクロマイ-N軟膏です。この製剤には以下の3つの有効成分が含まれています。daiichisankyo-hc+1
- クロラムフェニコール:20mg(力価)/1g
- フラジオマイシン硫酸塩:5mg(力価)/1g
- ナイスタチン:10万単位/1g
2つの抗生物質と抗真菌剤の配合が特徴です。
この組み合わせにより、おでき、ふきでもの、とびひ、めんちょう、毛のう炎など、化膿性皮膚疾患の様々な原因菌に効果を発揮します。添加物としてゲル化炭化水素を使用した油性軟膏のため、ジュクジュクした患部からカサカサした患部まで幅広く使用できます。daiichisankyo-hc+2
患部を保護する作用もあります。
第一三共ヘルスケアのクロマイ-N軟膏公式サイトでは製品の詳細な情報と使用方法が掲載されています。
ナイスタチン軟膏の正しい塗布方法
ナイスタチン軟膏の基本的な使用方法は、1日1~数回、適量を患部に塗布することです。ただし、前日分の軟膏が残っている場合は注意が必要になります。nicedrug+1
古い軟膏の上から新しい軟膏を重ねて塗ることは避けるべきです。古い軟膏をきれいに落とし、皮膚を清潔な状態にしてから新たな軟膏を塗布することが治療効果を高める上で重要です。
参考)https://kango-oshigoto.jp/hatenurse/article/7508/
清潔にすることが効果の鍵です。
小児に使用させる場合は、保護者の指導監督のもとで使用させてください。外用にのみ使用し、目や目の周囲には使用しないよう注意が必要です。万一目に入った場合は、すぐに水またはぬるま湯で洗い、症状が重い場合は眼科医の診療を受けてください。e-welcia+1
塗布する際の皮膚の状態確認も大切です。患部が広範囲の場合、湿潤やただれのひどい場合、深い傷やひどいやけどの場合は、使用前に医師、薬剤師、登録販売者に相談してください。
参考)【第2類医薬品】 クロマイ-N軟膏 6g 抗生物質 抗真菌…
ナイスタチン軟膏の副作用と禁忌
ナイスタチンは一般的に忍容性が高く、全身的副作用のリスクは低い薬剤です。局所投与の場合、最も一般的な副作用は塗布部位の一時的な皮膚刺激です。
参考)https://www.apollohospitals.com/ja/medicines/nystatin
具体的には、軽度の作熱感、ピリピリ感、発赤の増加などが生じることがありますが、通常は皮膚が適応すると消失します。使用後に発疹、発赤、かゆみ、はれ、水疱などの症状が現れた場合は副作用の可能性があるため、直ちに使用を中止し、医師、薬剤師、登録販売者に相談してください。medley+1
発疹などは即座に対応が必要です。
絶対禁忌として、本剤または本剤の成分、抗生物質によりアレルギー症状を起こしたことがある人は使用できません。過去にナイスタチンやその成分にアレルギー反応を示した場合が主な懸念事項となります。
経口投与のナイスタチン製剤では、消化器系の副作用として悪心・嘔吐、食欲不振、下痢などが報告されています(発現頻度0.1~5%未満)。ただし、軟膏などの外用剤では全身への吸収がほとんどないため、これらの副作用は極めて稀です。apollohospitals+1
ナイスタチン配合剤の長期使用リスク
クロマイ-N軟膏などのナイスタチン配合剤には、使用上の重要な注意事項があります。添付文書には「長期連用しないでください」という明確な警告が記載されています。
この警告の背景には、配合されている抗生物質の耐性菌リスクがあります。近年の国内報告によると、クリンダマイシンをはじめとする抗菌薬に対して耐性を示す菌の割合が分離菌の約60%にまで増加しています。
耐性菌問題は深刻化しています。
漫然と抗生物質を使い続けると、耐性菌を生む原因となります。5~6日間使用しても症状がよくならない場合は使用を中止し、添付文書を持って医師、薬剤師、登録販売者に相談してください。ns-scl+1
ナイスタチン自体は耐性獲得が困難ですが、配合されているクロラムフェニコールやフラジオマイシンといった抗生物質については耐性菌の出現リスクを考慮する必要があります。医療従事者は患者に対し、適切な使用期間と受診タイミングを指導することが重要です。
急性期の症状には効果的ですが、長期使用は避けるべきですね。
長期使用が必要と判断される場合は、医師の診察を受け、より適切な治療方針を検討することをお勧めします。患部の状態を定期的に評価し、必要に応じて治療薬の変更や追加検査を行うことで、耐性菌リスクを最小限に抑えながら効果的な治療が可能になります。
