天然ケイ酸アルミニウム効果と医療現場注意点

天然ケイ酸アルミニウムの効果と投与時の注意

透析患者に天然ケイ酸アルミニウムを投与するとアルミニウム脳症を引き起こします。

この記事の3つのポイント
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天然ケイ酸アルミニウムの作用機序

腸管内の異常有害物質や過剰な水分を吸着・除去することで止瀉作用を発揮します

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重要な禁忌事項と長期投与リスク

透析患者への投与は絶対禁忌であり長期投与ではアルミニウム蓄積による重篤な副作用が発生します

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供給状況と代替製剤の検討

国内鉱脈枯渇により供給不安定な状況が続いており代替薬剤の選択が必要です

天然ケイ酸アルミニウムの基本的な吸着作用機序

 

天然ケイ酸アルミニウムは消化管用吸着剤として下痢症治療に広く用いられる医薬品です。主成分である天然ケイ酸アルミニウムは天然に産する酸性白土で、水に溶けない特性を持ち、強力な吸水・吸着力を発揮します。

この薬剤の作用機序は、胃及び腸管内における異常有害物質、過剰の水分又は粘液などを物理的に吸着して除去することにあります。吸着作用は腸管内で結果的に収斂作用を示し、止瀉作用につながります。通常の下痢止めのように腸の運動を抑制して下痢を止めるのではなく、原因物質そのものを吸着・除去する点が特徴的です。

成人への通常用量は1日3~10gを3~4回に分割経口投与します。これは他の止瀉薬と比較すると投与量としては多めの設定です。白色又はわずかに着色した粉末で、におい及び味はほとんどありませんが、砂のようなザラついた食感があるため、小児では服薬コンプライアンスに注意が必要となります。

ウイルス性胃腸炎や食あたりなど、感染性ではない下痢症状に対して有効性を示しますが、腸管出血性大腸菌感染症などの重篤な細菌性下痢には使用すべきではありません。原因物質の排出を妨げることで症状の悪化や治療期間の延長を招くリスクがあるためです。

天然ケイ酸アルミニウムの添付文書情報(KEGG MEDICUS)

天然ケイ酸アルミニウム投与で透析患者が直面するリスク

透析療法を受けている患者に天然ケイ酸アルミニウムを投与することは絶対禁忌です。長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血などの重篤な副作用が発現するおそれがあります。

透析患者では腎機能が著しく低下しているため、通常なら尿中に排泄されるアルミニウムが体内に蓄積してしまいます。アルミニウムは非常にゆっくりと蓄積し、脳組織や骨組織に沈着することで不可逆的な障害を引き起こします。アルミニウム脳症では認知機能障害、けいれん、意識障害などの中枢神経症状が出現し、アルミニウム骨症では骨の石灰化障害により骨折リスクが著しく上昇します。

腎障害のある患者への投与時には定期的なモニタリングが重要です。血中アルミニウム濃度、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼなどの検査値を確認し、異常が認められた場合には減量または休薬などの適切な処置を行う必要があります。目安としては血中アルミニウム濃度が20μg/L以上で注意が必要とされています。

医療現場では妻が自身への処方薬を透析治療中の夫と共用してしまったという事例も報告されています。同じ「下痢止め」という認識から家族間で薬を融通してしまうケースがあるため、処方時には禁忌情報を患者家族にも明確に伝える必要があります。

便秘のある患者にも慎重投与が求められます。吸着作用により便秘症状を悪化させるおそれがあるためです。

天然ケイ酸アルミニウムの長期投与によるビタミン・ミネラル欠乏

天然ケイ酸アルミニウムは非選択的な吸着剤であるため、有害物質だけでなくビタミンやミネラルなどの栄養素も吸着して排出してしまいます。

そのため長期間の服用は好ましくありません。

吸着される主な栄養素にはビタミンB群、ビタミンK、鉄、亜鉛、マグネシウムなどが含まれます。特にビタミンKは血液凝固に関与する重要な栄養素であり、欠乏すると出血傾向が高まる可能性があります。鉄欠乏は貧血の原因となり、亜鉛欠乏は味覚障害や免疫機能低下につながります。

また、アルミニウムによる無機リンの吸収阻害も問題となります。リン酸塩低下のある患者では症状を悪化させるおそれがあるため注意が必要です。リンは骨の構成成分として重要であり、長期的な欠乏は骨粗鬆症のリスクを高めます。

下痢症状が落ち着いた後も漫然と投与を続けると、便秘症状が出現することがあります。

止瀉作用が過剰に働くためです。

下痢をしている期間だけ服用し、症状改善後は速やかに中止することが原則です。

小児患者では成長期に必要な栄養素の吸収が阻害されることで発育への影響も懸念されます。

つまり短期使用が基本です。

小児への投与期間は通常3~5日程度を目安とし、それ以上継続する場合は栄養状態のモニタリングを行うべきでしょう。

天然ケイ酸アルミニウムと他剤併用時の相互作用

天然ケイ酸アルミニウムは強力な吸着作用を持つため、他の薬剤との併用時には相互作用に注意が必要です。併用薬剤の吸収を阻害し、効果を減弱させる可能性があります。

特に注意すべき併用注意薬剤としてテトラサイクリン系抗生物質があります。テトラサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンなどがこれに該当し、アルミニウムイオンとキレートを形成することで吸収が著しく低下します。抗菌薬の血中濃度が治療域に達しなければ感染症治療が不十分となり、治療失敗や耐性菌出現のリスクが高まります。

マクロライド系抗菌薬のクラリスロマイシンも吸着作用により吸収が低下するとの報告があります。他の経口投与薬についても併用薬剤の吸収・排泄に影響を与える可能性があります。

この相互作用は薬剤の服用時間をずらすことにより弱まるとの報告があります。基本的には天然ケイ酸アルミニウムと他の薬剤の服用間隔を1~2時間あけることが推奨されます。可能であれば2時間以上間隔をあけるとより安全です。

消化液や消化酵素も吸着してしまうため、消化酵素製剤との併用も注意が必要です。

同様に服用時間をずらす配慮が求められます。

薬剤師による服薬指導では、この服用間隔について患者に具体的に説明することが重要です。

天然ケイ酸アルミニウム製剤の供給不安と代替薬選択

2022年12月以降、代表的な天然ケイ酸アルミニウム製剤であるアドソルビン原末は出荷停止となっています。原薬として使用していた国内の天然ケイ酸アルミニウムの鉱脈が枯渇したことが理由です。

製造販売元のアルフレッサファーマは製品規格に適合する代替原薬を探していますが、2024年時点でも供給再開の目途は立っていません。天然に産する鉱物を原料とする製剤であるため、品質や純度が一定基準を満たす原薬の確保が困難な状況です。国内で唯一使用されていた鉱脈の枯渇という予期せぬ事態により、長年臨床現場で使用されてきた薬剤が突然入手できなくなりました。

この供給停止により医療現場では代替薬の選択を迫られています。主な代替候補としてタンニン酸アルブミン、合成ケイ酸アルミニウム(制酸剤として使用されるが止瀉作用もある)、ロペラミドなどが挙げられます。ただし作用機序が異なるため、症状や患者背景に応じた適切な選択が必要です。

市販薬では佐藤製薬のスメクタテスミンが地中海原産の天然ケイ酸アルミニウム(スメクタイト)を配合した製剤として入手可能です。これは医療用のアドソルビンとは原料産地が異なりますが、同様の吸着作用を持ちます。

医療機関では処方システムの変更が必要となります。在庫切れの確認と代替薬への切り替え指示を速やかに行う体制整備が求められます。

供給再開まで長期化する可能性があります。

アドソルビン原末出荷停止のお知らせ(アルフレッサファーマ公式)

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