外用ステロイド薬の選び方と適切な使用法

外用ステロイド薬の基本と分類

顔の吸収率は腕の13倍です。

この記事の3つのポイント
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外用ステロイド薬の5段階分類

ウィークからストロンゲストまでの強さのランクと、部位・症状に応じた適切な選択基準を解説します

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部位別の吸収率と副作用リスク

顔は腕の13倍、陰部は42倍という吸収率の違いを理解し、部位に応じた強さの使い分けが重要です

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患者指導の実践的ポイント

FTUによる適量の塗布法、保湿剤との併用順序、プロアクティブ療法など現場で役立つ指導方法をまとめました

外用ステロイド薬は、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、乾癬などの炎症性皮膚疾患の治療において第一選択薬として広く用いられています。医療従事者として正確な知識を持ち、患者に適切な指導を行うことが治療成功の鍵となります。

外用ステロイド薬は、体内で分泌される副腎皮質ホルモンを化学的に合成し、その抗炎症作用を強化した薬剤です。炎症の原因となる物質の産生を抑制し、免疫反応をコントロールすることで、皮膚の赤みやかゆみ、腫れなどの症状を改善します。内服薬と異なり、局所に作用するため全身性の副作用が起こりにくいのが特徴です。

外用ステロイド薬は作用の強さによって5つのランクに分類されており、日本では以下のように区分されています。最も弱いものから順に、ウィーク(Weak)、ミディアム(Medium)、ストロング(Strong)、ベリーストロング(Very Strong)、ストロンゲスト(Strongest)となります。この分類は医療従事者が患者の症状や使用部位に応じて適切な薬剤を選択する際の重要な指標です。

ストロンゲストランクには、デルモベート(クロベタゾールプロピオン酸エステル)やダイアコート(ジフロラゾン酢酸エステル)が含まれます。最も強力な抗炎症作用を持ち、重症の皮膚炎や難治性の疾患に使用されますが、長期使用による副作用リスクも最も高いため、使用部位や期間に厳重な注意が必要です。

ベリーストロングランクには、アンテベート(ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル)やマイザー(ジフルプレドナート)、フルメタ(モメタゾンフランカルボン酸エステル)などがあります。強い抗炎症作用を持ちながら、ストロンゲストよりも使いやすく、多くの炎症性皮膚疾患で処方されています。

ストロングランクは、リンデロンV(ベタメタゾン吉草酸エステル)やアルメタ(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)などが代表的です。中等度から強い炎症に対して効果を発揮し、副作用リスクと効果のバランスが良いため、臨床現場で最も頻繁に処方されるランクです。

ミディアムランクには、ロコイド(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)やキンダベート(クロベタゾン酪酸エステル)があり、軽度から中等度の炎症に使用されます。顔面や小児への使用にも比較的安全性が高く、長期使用が必要な場合にも選択されやすいランクです。

ウィークランクは、プレドニゾロンやヒドロコルチゾン酢酸エステルなど最も弱い作用を持つステロイドです。軽微な炎症や、非常に敏感な部位への使用に適しています。市販薬としても販売されているものがこのランクに該当することが多いです。

外用ステロイド薬の強さランク別一覧表

 

医療現場では、患者の症状や使用部位に応じて適切なランクを選択することが求められます。各ランクの代表的な製剤を把握しておくことで、処方内容の確認や患者への説明がスムーズになります。

以下に、各ランクの主な製剤をまとめました。

ストロンゲスト(Ⅰ群)の主な製剤:

これらは最強の抗炎症作用を持ちます。

ベリーストロング(Ⅱ群)の主な製剤:

強い効果が期待できます。

ストロング(Ⅲ群)の主な製剤:

これが基本です。

ミディアム(Ⅳ群)の主な製剤:

  • ロコイド軟膏・クリーム・ローション(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)
  • キンダベート軟膏・クリーム(クロベタゾン酪酸エステル)
  • アルメタ軟膏(アルクロメタゾンプロピオン酸エステル)

顔にも使いやすい強さです。

ウィーク(Ⅴ群)の主な製剤:

  • プレドニゾロン軟膏・クリーム
  • ヒドロコルチゾン酢酸エステル軟膏・クリーム

最も弱い作用となります。

これらの分類を理解することで、医師の処方意図を把握し、患者への適切な説明が可能になります。処方された薬剤のランクを確認し、使用部位や症状の重症度と照らし合わせることが重要です。

日本アトピー協会によるステロイド外用薬の詳細なランク一覧表は、各製剤の正確な分類を確認する際に役立ちます。

外用ステロイド薬の剤形による使い分け

外用ステロイド薬には、軟膏、クリーム、ローション、ゲル、スプレー、テープなど様々な剤形があります。それぞれの剤形には特性があり、患部の状態や使用部位によって使い分けることで治療効果を最大化できます。

軟膏は油脂性基剤を用いた剤形で、最も刺激が少なく、あらゆる皮膚状態に使用できる汎用性の高い剤形です。傷やびらん、ジュクジュクした患部にも使用でき、保湿効果も高いため乾燥した皮膚にも適しています。ただし、べたつきがあるため、顔面や有毛部では使用感が悪く、患者のアドヒアランスが低下する可能性があります。

クリームは水と油を乳化させた剤形で、軟膏よりも伸びが良く、べたつきが少ないため使用感に優れています。O/W型(水中油型)とW/O型(油中水型)があり、O/W型の方がさらにさっぱりした使用感です。しかし、水分を含むため防腐剤が添加されており、軟膏よりも刺激性が高く、びらんや傷のある部位には不向きです。また、アルコールを含む製剤では染みることがあるため注意が必要です。

クリームは適度な使用感です。

ローションは液状の剤形で、最も伸びが良く、べたつきが少ない特徴があります。頭皮などの有毛部や、広範囲の病変に適しており、塗布時の摩擦刺激も少ないため、急性期の炎症にも使いやすい剤形です。ただし、アルコールを含む製剤が多く、傷や亀裂のある部位では刺激痛を感じることがあります。また、蒸発しやすいため保湿効果は低くなります。

ゲルは透明で清涼感のある剤形で、アルコールを含むものが多く、乾きやすい特性があります。頭皮や脂漏部位に適しており、べたつきを嫌う患者に好まれます。しかし、刺激性が高く、乾燥した皮膚や傷のある部位には適しません。

スプレーは広範囲に素早く塗布できる剤形で、手が届きにくい背中などに便利です。ただし、顔面への使用は目や口に入るリスクがあり、塗布量のコントロールが難しいため、医療従事者としては推奨する機会は限られます。

テープ剤は密封療法(ODT)の効果があり、角化の強い部位や限局した病変に有効です。貼付するだけで良いため手を汚さず、患者の利便性が高い一方、かぶれのリスクや、可動部位では剥がれやすいという欠点があります。

剤形選択の基本的な考え方として、ジュクジュクした急性期の病変には軟膏、亜急性期から慢性期でべたつきを避けたい場合にはクリーム、有毛部や広範囲にはローション、というように病変の性状と部位に応じて使い分けます。患者のライフスタイルや好みも考慮し、継続して使用できる剤形を選択することがアドヒアランス向上につながります。

外用ステロイド薬使用時の部位別注意点

外用ステロイド薬の吸収率は、塗布する部位によって大きく異なります。前腕屈側の吸収を1とした場合、顔面(頬)は13倍、額は6倍、頭皮は3.5倍、頸部は6倍、陰嚢は42倍、手掌は0.8倍、足底は0.14倍という研究データがあります。この吸収率の違いは主に皮膚の厚さや角層のバリア機能の差によるものです。

つまり、同じランクのステロイドでも、顔に塗った場合と手のひらに塗った場合では、全く異なる作用の強さになるということです。吸収率が高い部位ほど、弱いランクのステロイドでも十分な効果が得られる一方、副作用のリスクも高まります。

顔面は皮膚が薄く、吸収率が腕の13倍と非常に高いため、ストロング以上の強いステロイドの長期使用は避けるべきです。顔面に強いステロイドを数ヶ月以上継続使用すると、酒さ様皮膚炎(赤ら顔)や皮膚萎縮、毛細血管拡張などの副作用が起こりやすくなります。原則としてミディアム以下、できればウィークからミディアムクラスを選択し、症状が強い場合でもストロングクラスを短期間のみ使用するようにします。

顔は慎重に選びます。

眼瞼周囲は特に皮膚が薄く、ステロイドの吸収率が高い部位です。強いステロイドを長期使用すると、眼圧上昇による緑内障や白内障のリスクがあるため、眼科的チェックが必要な場合もあります。可能な限り弱いランクを短期間のみ使用するよう指導します。

頸部も吸収率が高く、よく動く部位であるため密閉効果が生じやすく、副作用が出やすい部位です。ミディアムからストロングクラスを基本とし、症状に応じて調整します。

陰部(陰嚢、外陰部)は最も吸収率が高い部位で、腕の42倍にもなります。ウィークからミディアムクラスのみを使用し、ストロング以上は原則として使用を避けるべきです。真菌感染の合併も多い部位であるため、改善がみられない場合は真菌検査を検討する必要があります。

体幹部(胸、腹、背中)は比較的皮膚が厚く、標準的な吸収率の部位です。ストロングクラスを中心に、症状の強さに応じてミディアムからベリーストロングまで幅広く選択できます。広範囲に使用する場合は、全身吸収による副作用にも注意が必要です。

四肢の屈側(腕の内側、膝の裏など)は、皮膚が薄く、密閉されやすいため吸収率が高めです。ストロングクラスを基本としますが、長期使用時は皮膚萎縮に注意します。

四肢の伸側(腕の外側、すねなど)は、皮膚が厚く、角化していることも多いため、ストロングからベリーストロングクラスが必要になることがあります。特に慢性湿疹や苔癬化した病変では、強めのステロイドが効果的です。

手掌と足底は角層が非常に厚く、吸収率が極めて低い部位です。ベリーストロングからストロンゲストクラスを使用しても、副作用はほとんど起こりません。むしろ弱いランクでは効果が不十分なことが多く、適切な強さの選択が重要です。密閉療法(ODT)を併用すると効果が高まります。

医療従事者として、患者に処方されたステロイドのランクと使用部位を照らし合わせ、適切な処方かどうかを確認する習慣をつけることが重要です。不適切と思われる処方を発見した場合は、処方医に疑義照会を行い、患者の安全を守る役割を果たすことが求められます。

外用ステロイド薬の適切な塗布量と回数

外用ステロイド薬の効果を最大限に引き出すためには、適切な量を塗布することが不可欠です。しかし、多くの患者は必要量よりも少なく塗っており、これが治療効果が得られない主な原因の一つとなっています。

塗布量の目安として、FTU(Finger Tip Unit:フィンガーチップユニット)という国際的な指標が使用されています。1FTUとは、大人の人差し指の先端から第一関節までチューブから絞り出した量で、約0.5gに相当します。この量で、大人の手のひら2枚分の面積(体表面積の約2%)に塗ることができます。

具体的には、5mm口径のチューブから約2.5cmの長さで約0.5gとなります。

これを患部に優しく伸ばして塗布します。

ティッシュペーパーが軽く貼り付く程度の厚さが目安で、薄く擦り込むのではなく、しっかりと塗ることが重要です。

ローションの場合は、1円玉大(直径約2cm)が1FTUに相当します。フォーム剤の場合は、製品のキャップ大に噴出した泡が1FTUとなります。

身体各部位に必要なFTU数の目安は以下の通りです。顔と頸部で2.5FTU、片腕で3FTU、片手で1FTU、胸と腹で7FTU、背中と臀部で7FTU、片脚で6FTU、片足で2FTUとなります。全身に塗る場合は合計約20〜30FTU、つまり10〜15g程度が必要です。

これだけ覚えればOKです。

塗布回数については、基本的に1日2回(朝・夕または入浴後)が推奨されます。ただし、ストロング以上の強いステロイドで症状が改善してきた場合は、1日1回に減らすことも検討します。ミディアム以下の弱いステロイドは、1日2回の方が効果が高いという報告があります。

塗布のタイミングとしては、入浴後が最適です。入浴により皮膚が清潔になり、角層が水分を含んで柔らかくなっているため、薬剤の浸透が良くなります。入浴後5分以内に塗布するのが理想的ですが、必ずしもこの時間にこだわる必要はありません。

塗り方のコツとして、薬剤を点在させてから伸ばすのではなく、必要量を手のひらに取り、患部全体に優しく塗り広げる方法が推奨されます。強く擦り込む必要はなく、薄く伸ばしすぎないことが大切です。塗った後に軽くティッシュを当てて、貼り付くくらいが適量の目安です。

保湿剤とステロイド外用薬を併用する場合、塗布順序については複数の意見がありますが、一般的には保湿剤を先に全体に塗り、その後にステロイド外用薬を患部のみに塗る方法が推奨されます。これは、先にステロイドを塗ってから保湿剤を塗ると、ステロイドが不要な部位にまで広がってしまうリスクがあるためです。ただし、両者の間隔を空ける必要はなく、連続して塗布して問題ありません。

混ぜて塗る方法(混合処方)は、塗布量が不足しがちになり、効果が減弱する可能性があるため、現在ではあまり推奨されていません。別々に塗る方が、それぞれの薬剤の効果を最大限に引き出せます。

患者への指導では、実際にチューブから絞り出して1FTUの量を見せ、どの程度塗れば良いかを視覚的に理解してもらうことが効果的です。また、処方された期間で薬剤を使い切るように指導し、使用量が適切かどうかを次回受診時に確認することも重要です。

外用ステロイド薬のプロアクティブ療法とは

プロアクティブ療法は、アトピー性皮膚炎などの再燃を繰り返す炎症性皮膚疾患に対する新しい治療戦略です。従来のリアクティブ療法(症状が出たときだけ治療する方法)とは異なり、症状が治まった後も定期的にステロイド外用薬を使用し続けることで、再燃を予防する治療法です。

プロアクティブ療法の具体的な進め方は、まず急性期に1日2回のステロイド外用薬塗布で皮膚炎を完全に寛解させます。見た目に炎症がなくなっても、皮膚の深部には微小炎症が残っていることが多いため、さらに数日間塗布を続けます。その後、同じステロイド外用薬を週2回(例えば月曜日と木曜日)の間欠塗布に切り替え、それ以外の日は保湿剤のみでスキンケアを継続します。

この週2回の間欠塗布を数ヶ月間継続することで、皮膚の深部に残る炎症を徐々に消失させ、最終的には保湿剤のみで良好な皮膚状態を維持できるようになることを目指します。

これが新しい方法です。

プロアクティブ療法の有効性は、複数の臨床研究で実証されています。週2回のステロイド外用薬使用により、何も塗らない場合と比較して再燃率が約60〜80%減少するという報告があります。また、トータルで使用するステロイドの量は、リアクティブ療法と比較して同程度かやや少なくなることが示されており、副作用のリスクを増やすことなく、より良好な皮膚状態を維持できることが明らかになっています。

プロアクティブ療法の対象となるのは、適切な治療で一度は寛解したものの、すぐに再燃を繰り返す患者です。特に、同じ部位に繰り返し炎症が起こる場合に効果的です。肘窩、膝窩、頸部など、アトピー性皮膚炎の好発部位で特に有用性が高いとされています。

ただし、プロアクティブ療法は医師の診断と指導のもとで行う治療法であり、患者の自己判断で実施すべきものではありません。使用するステロイドのランク、週何回塗布するか、どのくらいの期間継続するかは、個々の患者の状態に応じて医師が判断します。通常、ストロング以下のランクが選択され、ベリーストロング以上は推奨されません。

タクロリムス軟膏(プロトピック)やデルゴシチニブ軟膏(コレクチム)などの非ステロイド外用薬でもプロアクティブ療法が可能であり、ステロイドの副作用が懸念される顔面などではこれらの薬剤が選択されることもあります。

医療従事者として、プロアクティブ療法を行っている患者に対しては、「症状がないのに薬を塗り続ける」ことの意義を丁寧に説明し、アドヒアランスを維持することが重要です。また、週2回の塗布を忘れないよう、カレンダーにチェックを入れるなどの工夫を提案することも有効です。

外用ステロイド薬の副作用と患者指導の実際

外用ステロイド薬の副作用は、大きく局所性副作用と全身性副作用に分けられますが、適切な使用であれば問題になるのはほとんどが局所性副作用です。医療従事者として、これらの副作用を正しく理解し、患者に適切に説明することで、不必要なステロイド忌避を防ぎ、治療のアドヒアランスを向上させることができます。

最も頻度の高い局所性副作用は皮膚萎縮です。ステロイドの長期使用により、表皮が薄くなり、皮膚が透けて見えるようになります。特に顔面や頸部、腋窩、鼠径部などの皮膚が薄い部位で起こりやすく、強いランクのステロイドほどリスクが高まります。皮膚萎縮が進むと、光沢のある薄い皮膚となり、静脈が透けて見えるようになります。多くの場合、ステロイドを中止すれば数ヶ月で改善しますが、重度の場合は完全には回復しないこともあります。

毛細血管拡張は、皮膚が薄くなることで毛細血管が破綻しやすくなり、赤い血管が浮き出て見える状態です。特に顔面で目立ちやすく、患者のQOLを大きく低下させます。一度拡張した血管は元に戻りにくいため、予防が重要です。

予防が大切です。

酒さ様皮膚炎は、顔面に強いステロイドを数ヶ月以上継続使用した場合に起こる副作用で、顔面の紅斑、ほてり、痒み、ニキビ様の発疹が特徴です。ステロイドを中止すると一時的に症状が悪化する(リバウンド現象)ため、患者が再びステロイドを使用してしまうという悪循環に陥りやすい状態です。治療には時間がかかり、数ヶ月から1年以上を要することもあります。

ステロイド痤瘡(ステロイドざ瘡)は、ステロイドの使用によりニキビ様の発疹ができる副作用です。特に顔面や上半身に出現しやすく、通常のニキビとは異なり、同じ大きさの発疹が一斉に出現するのが特徴です。ステロイドの免疫抑制作用により毛包内の細菌が増殖することが原因です。

感染症のリスク増加も重要な副作用です。ステロイドの免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルス感染が起こりやすくなります。特に、カンジダ症、白癬(水虫)、単純ヘルペスウイルス感染症、伝染性軟属腫(水いぼ)などがステロイド使用中に悪化することがあります。ステロイドを塗っても改善しない、あるいは悪化する場合は、感染症の合併を疑う必要があります。

多毛は、ステロイドの作用により毛が濃くなる副作用で、特に顔面で目立ちやすい副作用です。ステロイド中止により改善することが多いです。

眼周囲へのステロイド使用では、眼圧上昇による緑内障や白内障のリスクがあります。強いステロイドを眼瞼に長期使用する場合は、定期的な眼科受診が推奨されます。

全身性副作用は、広範囲に強いステロイドを長期使用した場合や、密閉療法を行った場合に起こる可能性があります。副腎抑制、クッシング症候群様症状、成長抑制(小児)などがありますが、通常の外用療法では極めて稀です。

患者指導のポイントとして、まずステロイドへの不安を理解し、丁寧に説明することが重要です。多くの患者は、内服ステロイドの副作用と混同して外用ステロイドを恐れています。「外用ステロイドは局所に作用し、内服薬のような全身性の副作用はほとんど起こらない」ことを明確に伝えます。

副作用のリスクは、適切な強さを適切な期間使用すれば非常に低いことを強調します。顔面にストロング以上を数ヶ月以上使い続けるなど、明らかに不適切な使用をしない限り、重大な副作用は起こりにくいと説明します。

症状が改善したら、医師の指示に従って減量または中止することが重要であることを伝えます。自己判断で突然中止するとリバウンドが起こることがあるため、必ず医師に相談するよう指導します。

改善したら徐々に減らします。

副作用の早期発見のために、塗布部位の皮膚の変化(薄くなる、血管が見える、赤くなる、ニキビができる)に注意し、異常を感じたらすぐに医師に相談するよう伝えます。

保湿剤によるスキンケアの重要性を強調し、ステロイドだけに頼らず、皮膚のバリア機能を維持することが再燃予防につながることを説明します。

タキフィラキシー(耐性)について質問されることもありますが、外用ステロイドでは臨床的に問題となる耐性はほとんど起こらないとされています。長期使用で効果が弱まったと感じる場合は、耐性ではなく、皮膚の慢性化や不適切な使用(量が少ない、回数が少ない)が原因であることが多いと説明します。

医療従事者として、処方内容をチェックし、不適切な処方(顔にベリーストロング以上、小児にストロンゲスト、陰部にストロング以上など)を発見した場合は、積極的に疑義照会を行うことが患者の安全を守る上で重要です。

田辺三菱製薬のステロイド外用剤の副作用に関する詳細ページでは、各副作用の写真や対処法が分かりやすく解説されており、患者説明の資料として活用できます。

【指定第2類医薬品】リンデロンVsクリーム 10g