混合ホルモンの種類と処方時注意点

混合ホルモンの種類と使用法

経口避妊薬は血栓症リスクを3倍に高めます。

この記事のポイント
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混合ホルモン剤の基本構成

卵胞ホルモンと黄体ホルモンを組み合わせた製剤で、低用量から超低用量まで複数の種類が存在します

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血栓症の重大リスク

服用開始3ヶ月以内に血栓症リスクが最も高まり、年間1万人あたり3~9人が発症する可能性があります

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処方前の確認事項

喫煙歴、年齢、既往歴を詳細に聴取し、禁忌症例を見逃さない慎重な判断が求められます

混合ホルモン剤の基本的な構成成分

 

混合ホルモン剤は卵胞ホルモンエストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)を組み合わせた医薬品です。これら二つのホルモン成分を配合することで、排卵抑制作用と子宮内膜増殖抑制作用を発揮します。

卵胞ホルモンとして主に使用されるのはエチニルエストラジオールやエストラジオールです。エストロゲンには3種類あり、エストラジオールが最も効果が強く、エストリオールは作用が穏やかとされています。どれも単一成分ではなく、必ず黄体ホルモンと組み合わせて処方されるのが基本です。

黄体ホルモン成分には複数の世代があります。第1世代のノルエチステロン、第2世代のレボノルゲストレル、第3世代のデソゲストレル、第4世代のドロスピレノンなどが代表的です。世代によって副作用プロファイルが異なり、第4世代は血栓症リスクがやや高いという報告もあります。

エストロゲン含有量によって低用量ピル(エチニルエストラジオール0.03~0.05mg)と超低用量ピル(同0.02mg以下)に分類されます。含有量が少ないほど副作用リスクは低下しますが、不正出血の頻度は増加する傾向があります。つまり副作用軽減と出血コントロールのバランスが重要ということですね。

医療用医薬品として国内で承認されている混合ホルモン剤は、避妊目的のOC(経口避妊薬)と治療目的のLEP(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤)に大別されます。成分はほぼ同じですが、保険適用の有無と処方目的が異なります。

ケアネット医薬品検索の混合ホルモン剤一覧

混合ホルモン剤の薬価や添付文書情報が確認できる医療従事者向けデータベースです。

混合ホルモンの月経困難症治療への応用

月経困難症治療に使用されるLEPには、フリウェル、ルナベル、ヤーズ、ジェミーナなどがあります。これらは保険適用となり、患者負担を軽減しながら症状改善を図れる点で重要な選択肢です。

フリウェルとルナベルはノルエチステロンとエチニルエストラジオールを含む製剤で、LDタイプ(低用量)とULDタイプ(超低用量)があります。ULDはエストロゲン量が0.02mgと少なく、血栓症リスクをより低減できる可能性があります。

ヤーズはドロスピレノンを含む超低用量製剤で、月経困難症に対する効果が高いとされています。24日間の実薬服用と4日間の休薬という投与スケジュールが特徴です。ただしドロスピレノンには抗アルドステロン作用があり、高カリウム血症のリスクに注意が必要です。

ジェミーナはレボノルゲストレルを含む超低用量製剤で、77日間の連続投与が可能です。長期連続投与により月経回数を減らせるため、月経困難症の症状軽減効果が期待できます。

出血パターンは個人差が大きいですね。

40歳以上や血栓症リスクが高い患者には、エストロゲンを含まないミニピル(プロゲスチン単剤)が選択肢となります。2025年に国内初のミニピル「スリンダ」が承認され、低用量ピルが使用できない患者層にも治療の道が開かれました。血栓症リスクが大幅に低いことが最大のメリットです。

治療効果を最大化するには、患者の年齢、喫煙歴、既往歴、希望する月経パターンを総合的に評価して製剤を選択する必要があります。症状改善だけでなく、長期的な安全性も考慮した処方判断が求められます。

混合ホルモン製剤の血栓症リスク評価

混合ホルモン剤の最も重大な副作用が血栓症です。低用量ピル服用者における血栓症発症率は年間1万人あたり3~9人とされており、非服用者の1~5人と比較して約3倍のリスク上昇があります。

血栓症リスクが最も高いのは服用開始後3ヶ月から6ヶ月の期間です。この時期は身体が新しいホルモン環境に適応する過程にあり、凝固系が活性化しやすい状態になります。逆に長期服用者では身体が慣れてリスクは低下していきます。

経口剤と経皮剤では血栓症リスクに差があります。経口剤は消化管から吸収後、門脈を経て肝臓に高濃度で到達し、肝臓で凝固因子を増加させます。一方、経皮剤(貼付剤やジェル)は肝初回通過効果を回避するため、血栓症リスクが低いとされています。

プロゲスチンの世代によってもリスクが異なります。第2世代のレボノルゲストレルに比べ、第3世代のデソゲストレルや第4世代のドロスピレノンは血栓症リスクがやや高いという報告があります。服用1万人あたりの追加発症数は、レボノルゲストレルが6例に対し、デソゲストレルは14例という研究結果もあります。

35歳以上で1日15本以上喫煙する患者、肥満(BMI 30以上)、血栓症の既往や家族歴がある患者は絶対禁忌です。これらの危険因子が重なると、血栓症発症リスクは指数関数的に上昇します。

処方前の問診で必ず確認が必要ですね。

血栓症の初期症状は「ACHES(エイクス)」で覚えます。A(激しい腹痛)、C(激しい胸痛・息切れ)、H(激しい頭痛)、E(目の異常・視力障害)、S(ふくらはぎの痛み・腫れ)のいずれかが出現したら直ちに服用を中止し、医療機関受診を指導する必要があります。

日本血栓止血学会の女性ホルモン剤と静脈血栓塞栓症に関する資料

血栓症のメカニズムと臨床対応について詳しく解説されている医療従事者向けガイドです。

混合ホルモン剤の長期使用と乳がんリスク

混合ホルモン剤の長期使用は乳がんリスクをわずかに上昇させる可能性があります。エストロゲンと黄体ホルモンの併用療法では、相対リスクが1.2~1.4倍に増加すると報告されています。

リスク上昇は使用期間に比例します。5年未満の使用ではリスク増加はほとんど見られませんが、5年以上の使用で相対危険率が35%増加するという研究があります。1年使用期間が延長するごとに、乳がん発生危険性が2.3%ずつ増加していくということですね。

ただし絶対リスクの増加は非常に小さいことを理解する必要があります。1000人年の使用に対して増加するのは約1例程度です。例えば、30歳から40歳まで10年間使用した場合、100人のうち追加で発症するのは1人程度という計算になります。

使用中止後のリスクは、3~5年で元のレベルに戻ります。長期使用後に中止した場合でも、永続的にリスクが高まり続けるわけではありません。つまり、必要な期間だけ使用し、不要になったら中止するという方針が合理的です。

乳がんの既往がある患者や、乳房にしこりがある患者、家族歴が強い患者には慎重投与が必要です。処方前には必ず乳房検査を実施し、定期的なフォローアップで早期発見に努める体制を整えることが重要です。

患者には「短期間の使用では乳がんリスクはほとんど上昇しない」「定期検診を受けることでリスク管理できる」と説明し、過度な不安を与えないバランスの取れた情報提供が求められます。月経困難症改善などのメリットとリスクを天秤にかけ、個別に判断する姿勢が大切ですね。

混合ホルモン処方時の患者説明実務

混合ホルモン剤処方時には、血栓症リスクについて患者が理解できる言葉で説明する必要があります。「足の痛みや腫れ、激しい胸の痛み、息切れ、激しい頭痛が出たらすぐに服用を止めて連絡してください」と具体的な症状を伝えます。

服用開始前にチェックリストを用いた問診が有効です。年齢、喫煙本数、BMI、血圧、血栓症の既往や家族歴、片頭痛の有無、授乳中かどうかなどを確認します。日本産科婦人科学会が提供するHRTチェックシートなどが参考になります。

服用方法の説明では、21錠タイプと28錠タイプの違いを明確に伝えます。21錠タイプは3週間服用後1週間休薬、28錠タイプは休薬期間にプラセボ錠を服用して飲み忘れを防ぎます。

どちらも効果は同じですね。

飲み忘れ時の対応も重要な説明事項です。12時間以内に気づいたら直ちに服用し、次回は通常通りの時間に服用します。24時間以上経過した場合は、避妊効果が低下する可能性があるため、他の避妊法を併用するよう指導します。

副作用への対応策も事前に伝えておくと患者の不安を軽減できます。吐き気は服用開始1~2ヶ月で治まることが多い、不正出血は3ヶ月程度で安定することが多い、といった時間経過の見通しを示すことが大切です。

定期受診の重要性も強調します。3ヶ月後、6ヶ月後、その後は半年ごとに血圧測定、体重測定、問診を実施し、年1回は乳房検査と婦人科診察を受けるよう指導します。継続的なモニタリングが安全使用の鍵となります。

日本産科婦人科学会のHRTチェックシート

ホルモン補充療法処方時に使用できる禁忌・慎重投与確認シートです。


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