静脈瘤結紮デバイスとOリング
静脈瘤結紮デバイスの構造とOリング
静脈瘤結紮デバイスは、内視鏡の先端に接続する透明なフード(キャップ)と、静脈瘤を結紮するゴムまたはエラストマ製のOリング状バンドを基本要素として理解すると、製品差の比較がしやすくなります。
実臨床ではここに「発射(離脱)機構」と「複数バンド装填(マルチバンド)」という要素が加わり、再装填を減らして止血・予防治療のテンポを維持します。
たとえば市販デバイスでは、広い視野をうたう製品コンセプトも提示されており、見え方(視野)を“安全・高機能”の一部として設計していることが分かります。
Oリングの材質・寸法はカタログスペックだけでなく、結紮後の潰瘍形成や脱落時期(臨床的には1〜2週間程度で脱落と説明されることが多い)に影響し得るため、施設のフォロー計画(再内視鏡・PPI運用等)とセットで考えるのが実務的です。
参考)食道静脈瘤に対する内視鏡的治療法:どんな治療?どんな時に必要…
また「静脈瘤結紮デバイス」という言葉は、下肢静脈瘤の結紮・抜去系デバイスにも使われうるため、ブログ記事では“食道・胃静脈瘤のEVLを想定している”ことを冒頭で明示すると誤読を防げます。
参考)ACD−A液
静脈瘤結紮デバイスの内視鏡手技と吸引
EVL(内視鏡的静脈瘤結紮術)は、内視鏡先端に装着したゴムバンドで静脈瘤を縛り、血流遮断によって壊死・脱落を促す治療として解説されています。
実装面で重要なのは「目標静脈瘤をデバイス内に十分吸引し、根部を確実にOリングで結紮する」という再現性で、吸引が不十分だと狙いが浅くなり、止血効果や潰瘍形態にも影響し得ます。
製品の添付文書系PDFでも、内視鏡で目標部位を決めたうえで、結紮用シリンダーを当てて吸引し、Oリングが外れて結紮が成立するという流れが明確に示されています。
現場で「意外に差が出る」ポイントは、吸引のかけ方そのものよりも、吸引開始前の“当てがい”の角度と、視野内での静脈瘤の中心合わせです。
ここは経験則になりやすいので、教育用には「静脈瘤の頂点ではなく根部をキャップ中央に置く」「吸引しながらわずかに引いて根部を作る」など、施設で言語化しておくと新人教育の質が揃います(手技のコツは施設差があるため、標準化の目的で表現を固定するのがコツです)。
参考)内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)とは|B型肝炎訴訟・給付金相談…
静脈瘤結紮デバイスとオーバーチューブ
食道静脈瘤のEVLでは、内視鏡を挿入して観察後、オーバーチューブを留置し、いったん内視鏡を抜去してからOリング装着済みの内視鏡をオーバーチューブ経由で再挿入する運用が紹介されています。
この運用は、再挿入時の摩擦や口腔・咽頭での引っ掛かりを減らし、出血時の再挿入を安定化しやすい反面、準備物と手順が増えるためチームの役割分担が重要になります。
一方で、症例や施設プロトコルによっては「オーバーチューブを使用せず」マルチバンドデバイスを用いる運用が記載されている資料もあり、どちらを標準にするかは止血優先度・人員・経験値で最適解が変わります。
“どちらが正しいか”より、「自施設で迷わない」ことが安全です。
- 緊急止血:再挿入を安定させたいならオーバーチューブ前提の物品配置と手順化。
参考)消化器センター
- 予防治療:マルチバンド運用で再挿入回数を減らす設計も検討余地があります。
参考)https://www.med.niigata-u.ac.jp/in3/wpin3/wp-content/uploads/2025/02/EV.pdf
ブログでは、読者施設が自院のフローを点検できるように「準備物チェックリスト(デバイス、Oリング、オーバーチューブ、吸引確認、予備デバイス)」を提示すると実用性が上がります。
参考)https://www.top-tokyo.co.jp/app/uploads/2022/03/4070-4.pdf
静脈瘤結紮デバイスとEIS/EVL
食道胃静脈瘤に対する内視鏡治療として、EIS(内視鏡的硬化療法)とEVL(静脈瘤結紮術)が代表的で、施設によってはEISを基本にEVLを補助的に使う運用が論文で述べられています。
またEISとEVLを併用するEISLという考え方では、EVLの血流遮断効果を期待して、穿刺部以外の隆起する静脈瘤にもOリング結紮を複数追加する工夫が紹介されています。
この発想は「結紮デバイス=単独の止血ツール」というより、「硬化療法を効かせるための血流制御デバイス」として位置づけ直すもので、治療設計の言語が変わる点が意外性のある学びになります。
臨床説明のレベルでは、EVLは“侵襲が少なく安全で手技が簡単”といった利点が一般向けにも説明されますが、医療者向け記事では「どの病態でどちらを主軸にするか」「再発・再治療を見越した計画」を中心に書くと差別化できます。
また、静脈瘤の評価(例:red-color signなど)を根拠に治療適応が語られる場面があるため、記事内では“自施設のガイドライン参照”の導線も作ると無難です。
参考:医療機器としての定義(透明フード+Oリング)を押さえる箇所の根拠
日本の医療機器基準等情報で、静脈瘤結紮用セットの基本構成(内視鏡末端の透明フード+ゴム/エラストマ製Oリング状バンド)が確認できます。
静脈瘤結紮デバイスの独自視点:教育と品質
検索上位の多くは「EVLとは」「ゴムバンドで縛る」という概要説明に寄りますが、医療従事者向けに価値が出やすいのは“静脈瘤結紮デバイスを使った手技の品質をどう担保するか”という運用設計の視点です。
品質を上げる実務ポイントは、個人の手技の上手さだけでなく、デバイス準備〜記録までを「再現可能な工程」に落とすことです。
具体策(施設でそのまま使える粒度)
- 事前ブリーフィング:今回のゴールを“止血”か“予防治療”かで言語化し、オーバーチューブ有無・バンド本数・バックアップ機材を先に決めます。
- 役割固定:術者、スコープ介助、デバイス担当、薬剤・吸引担当を固定し、吸引確認(負圧、リーク)をタイムアウト項目に入れます。
- 失敗モードを先読み:吸引が浅い、視野が悪い、発射不良、バンド脱落などを想定し、復旧手順(予備デバイス交換、視野確保、再結紮の優先順位)を院内で一枚紙にします。
- 記録の標準化:結紮部位(EGJからの距離など施設ルール)、バンド数、出血の有無、再治療計画をテンプレ化し、次回治療の意思決定を速くします。
“意外に盲点”になりやすいのは、製品選定で「視野」や「発射方式」に注目しても、教育資料が追い付かず、結局“いつものやり方”に戻ってしまうことです。
デバイス更新時は、添付文書に沿った基本手順(吸引→Oリング離脱→結紮成立確認)を全員で再確認し、旧手順の癖をリセットする場を作るだけで合併症リスクと迷いが減ります。
参考:デバイスの視野・設計思想の確認(製品比較の導入部の根拠)
メーカー情報として、広い視野によるライゲーションの実現など、設計思想の要点が確認できます。
https://www.bostonscientific.com/jp-JP/products/band-ligator.html

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