腸型胃がんと内視鏡
腸型胃がんのローレン分類と分化型
腸型胃がんは、病理学的な「ローレン分類(Lauren分類)」で腸型(intestinal type)に相当し、わが国で臨床的に使われる「分化型/未分化型」の枠組みとも概ね重なります。ローレン分類は腸型・びまん型に大別され、腸型は腺管構造を作る傾向が強く、臨床では管状腺癌や乳頭腺癌などの分化型を想定して診療の導線を組みやすいのが特徴です。
ただし「腸型=常におとなしい」という理解は危険で、同じ分化型の中でも乳頭腺癌はリンパ節転移が問題になり得る、など“組織型の内訳”で臨床像が揺れます(病理報告書の一行を、治療戦略に翻訳する作業が重要です)。
また腸型・びまん型というラベルは、患者説明では分かりやすい一方で、実臨床の意思決定(ESDか手術か、追加治療はどうするか)では「深達度」「潰瘍所見」「脈管侵襲」「切除断端」「病変径」などの具体パラメータに落とし込む必要があります。
腸型胃がんと腸上皮化生とピロリ
腸型胃がんを語るうえで、背景粘膜の“地形”として外せないのが萎縮性胃炎と腸上皮化生で、ピロリ感染が慢性炎症を通じて腸上皮化生を誘発し得ることが、病態の軸になります。
とくに近年は、腸上皮化生が「単なる随伴所見」か「前がん病変」かという長年の論点に対し、腸上皮化生細胞でのDNAメチル化異常(エピゲノム不安定性)の蓄積が発がんリスクに関係する可能性が示され、炎症性サイトカイン(IL-17A)がその加速に関わるという機序も報告されています。これは、除菌の意義を“炎症を止める”だけでなく“エピゲノム負荷を軽減する”観点で捉え直せる意外性のあるポイントです。
一方で、除菌後にリスクがゼロになるわけではなく、腸上皮化生が広い症例ほど「白っぽい地図状粘膜」に紛れて分化型の小病変を見落としやすい、という現場の落とし穴が知られています(背景粘膜を「異常の海」と見做し、色調差・微細構造差を拾う姿勢が必要です)。
参考:腸上皮化生と発がんリスク(IL-17A、DNAメチル化など機序の説明)
腸型胃がんの内視鏡と所見
腸型胃がん(分化型が多い)は、通常観察では「平坦な発赤」「わずかな隆起」「軽い陥凹」など、いずれも“少し変”程度の所見として現れることがあり、びらんや瘢痕の中に潜む点が厄介です。
このため、通常光だけで勝負せず、NBIなど画像強調や拡大観察で境界・表面構造・微小血管の乱れを丁寧に追い、背景の腸上皮化生と“同じ白さ”に見える領域の中から、色調差や構造の破綻を拾うのが実践的です。
さらに、臨床で効く視点として「深達度診断」があり、分化型主体の病変でもサイズが大きくなると粘膜下層浸潤が増える、といった傾向が議論されています(最終的には超音波内視鏡や総合判断も含めて詰める領域です)。
腸型胃がんの治療とESDとガイドライン
治療の大枠は、早期でリンパ節転移リスクが十分低い場合に内視鏡的切除(ESDなど)を検討し、進行例や高リスク所見があれば外科手術や薬物療法を組み合わせる、という流れになります。
胃癌治療ガイドラインの改訂点として、内視鏡治療の適応は「組織型(分化型/未分化型)」「潰瘍所見(UL)」「大きさ」「深達度」などで細かく層別化され、たとえばSM1相当などは根治の可能性が高い一方で、転移リスクを踏まえたフォロー(内視鏡に加え腹部超音波やCTなど)が示される、といった整理がされています。
現場でのコツは、病理結果が出た後に「追加切除が必要か」を“感覚”で判断しないことです。eCura評価やリスク因子の積み上げ(脈管侵襲、断端、深達度、潰瘍所見など)で再現性を担保し、患者への説明も「なぜ追加治療が必要/不要なのか」を論理で支えると、チーム医療が安定します。
参考:胃がん治療(手術・薬物療法など全体像の整理、患者説明にも転用しやすい)

腸型胃がんの予後とびまん型の比較と独自視点
腸型とびまん型は、同じ胃癌でも臨床経過や治療反応性が異なる集団として扱われ、びまん型(および混合型)が腸型より予後不良な集団である、という指摘が報告ベースでも繰り返されています。
ここで独自視点として強調したいのは、「予後」を“腫瘍そのもの”だけでなく“背景粘膜の将来”まで含めて捉えることです。腸型胃がんは背景に萎縮や腸上皮化生が広がることが多く、局所が治っても異時性胃がんのリスクをゼロにできないため、治療成功=フォロー終了にならない構造的な難しさがあります(これは術者や主治医が変わった瞬間に抜けやすい落とし穴です)。
また、除菌後は炎症が落ち着く一方で「地図状の白色変化」が残り、分化型の小病変が背景に紛れやすいという“見え方の変化”が起こるため、通常観察の慣れだけでは不十分になり得ます。内視鏡チーム内で「除菌後胃癌は別物」として症例画像を共有し、観察ルーチン(前庭部の腸上皮化生帯を最後にもう一周する等)を作ると、シンプルですが実害を減らせます。

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