粘膜下注入材シリンジ粘膜下層
粘膜下注入材シリンジの目的と粘膜下層
内視鏡治療で「粘膜下注入材シリンジ」を扱う最大の目的は、粘膜下層に適量の注入材(薬液)を入れて病変周囲を持ち上げ、切除・剥離の操作性と安全域を確保することです。PMDAの資料でも、ヒアルロン酸ナトリウム溶液の粘弾性を利用して粘膜下に滞留させ、粘膜層と筋層の間を解離させることが狙いだと説明されています。
また製品情報の観点では、ヒアルロン酸ナトリウム溶液が「隆起の形成・維持」を支えることが、内視鏡用粘膜下注入材のコア価値として整理されています。
臨床現場の実感としては「十分な挙上が長く保てるほど、追加局注の回数や焦りが減り、結果的に穿孔リスクのコントロールに寄与する」ため、注入材の性状とシリンジ運用はセットで考える必要があります。
次のような局面で、シリンジの扱いが手技全体の質に影響します。
- 挙上が浅い(粘膜下層に入っていない/層を外している)
- 押し出し抵抗が強く、一定圧で注入できない
- シリンジ内の気泡や抵抗変化で「入った感触」が読めない
- 針の突出・収納や視野確保が甘く、粘膜損傷のリスクが上がる
粘膜下注入材シリンジの局注針準備
局注針(ディスポーザブル内視鏡局所注射針など)は、単に「刺して注入する器具」ではなく、針の突出・ロック・収納という安全設計を前提に運用する機器です。添付文書では、無菌的に取り出して破損がないか確認し、針が先端から出ること・ロックがかかることを確認し、薬液(注入材等)を充填したシリンジをハブ部に接続して、針先端から薬液が出ることを確認すると明記されています。
この「針先端から出ることを確認」は、エア噛みや閉塞の早期発見だけでなく、注入開始直後の不意な圧上昇(急な噴出)を避ける意味でも重要です。
さらに、内視鏡への挿入や抜去の際には針をカテーテル内に収納することが注意事項として強調されており、ここを省略すると本品や内視鏡の損傷につながる可能性があるとされています。
準備で起きやすい「詰まり・抵抗」の原因は複数あります。
- 針内腔のフラッシュ不足(薬液が出る確認を省略)
- カテーテルのキンク(折れ曲がり)や潰れ
- シリンジ接続の緩み(押した時に漏れる・圧が逃げる)
現場の工夫としては、以下が再現性を上げます。
- 「薬液が出る確認」までを準備のチェックリストに固定化する(新人ほど効く)
- 抵抗が重い時ほど、無理に押し切らず一旦原因(接続・キンク・閉塞)を切り分ける
- 針の突出・収納操作は、視野確保できている時だけ行う(添付文書の警告に沿う)
粘膜下注入材シリンジの注入材とバイアル
注入材の「準備しやすさ」は、実は製品の容器設計で差が出ます。たとえばオリンパスの内視鏡用粘膜下注入材では、20mLの内容量に対して30mL用のバイアル瓶を採用し、ヘッドスペースを大きくしてシリンジで引き抜きやすくしている点が特徴として説明されています。
同製品は、針先端が視認しやすいゴム栓設計で「最後まで抜き切ったことがわかりやすい」とされ、溶液がゴム栓部に残らないよう確認しながら引き出せるとも記載されています。
さらに「ヘッドスペースが大きく陽圧にしやすい」ため、一度で20mLの全量を引き抜けると明記されており、局注準備の手間や時間に直結するポイントです。
この領域で意外に見落とされがちな観点は、「挙上性能」だけでなく「準備のストレスと手技の中断回数」です。
- 引き抜きにくいと、準備に時間がかかり、交換や追加準備が増える
- 結果的に、局注のテンポが崩れ、視野維持や止血対応の計画にも影響が出る
- 容器やラベリングが整っていると、シリンジ上の記載作業の負担が減る(製品情報として、シリンジ目盛を隠さないサイズの製品情報シール添付が挙げられている)
参考)https://www.kaigen-pharma.co.jp/news_release/564/
粘膜下注入材シリンジの押出抵抗
「押出抵抗(押したときの重さ)」は、術者の疲労だけでなく、狙った層へ一定速度で入れるコントロール性にも影響します。粘膜下注入後に自己組織化(ゲル化)するタイプでは、注入時のシリンジ押出抵抗が既存品より低いことが示され、操作性が高いという資料があります。
一方で、粘膜下に入った後にゲル化する性質は、挙上維持に寄与する可能性がある反面、使い方(刺入深度、注入スピード、針位置の保持)を雑にすると想定外の形状になりやすいので、一定の操作手順を崩さない運用が重要です。
押出抵抗が高い・急に変化する場合は、「針先が層を外した」「針先が壁に当たっている」「閉塞やキンクがある」「接続が甘い」など複数の原因があり得るため、感覚だけで押し切らない判断が安全側に働きます。
押出抵抗のマネジメントとして現場で効きやすいのは、次の発想です。
- “押す力”ではなく“抵抗の原因”を探す(閉塞、キンク、接続、針先位置)
- フラッシュ確認を毎回ルーチン化し、開始時の抵抗を標準化する
- 製品特性(粘弾性、ゲル化)により押出感が変わることを、チーム内で共通言語にする
参考)https://pdf.irpocket.com/C7777/Pyu0/TtrO/yqLO.pdf
粘膜下注入材シリンジの独自視点
検索上位では「どの注入材が良いか」「手技の概要」が前面に出がちですが、現場改善として効く独自視点は“シリンジ運用のヒューマンエラー設計”です。製品情報として、5mLシリンジの目盛を隠さないサイズの製品情報シールを添付し、シール手作りやシリンジへの記載作業負担を軽減する工夫が紹介されています。
つまり、粘膜下注入材シリンジの課題は「薬液の性能」だけでなく、準備・ラベリング・引き抜き・受け渡しといった周辺作業で起きるミスや中断をどう減らすかにもあります。
加えて、局注針の添付文書では、視野確保下での操作や、針刺し事故への注意、抵抗時は無理に操作しないことなどが列挙されており、これは“個人の注意力”ではなく“手順設計”に落とし込むべき安全要求と捉えると運用が安定します。
明日から取り入れやすい小さな改善案です。
- 🏷️ シリンジのラベル表記ルールを固定(製品名、濃度、準備時刻、担当)し、口頭確認の回数を減らす
- 👀 「視野確保できていない時は針操作しない」をチーム標語化し、介助側も止められる運用にする
- 🧰 “抵抗が重い時の分岐手順”をミニプロトコル化(接続→キンク→針先→交換の順)し、押し切りを防ぐ
局注針の警告・使用方法(安全運用の根拠、準備チェック、抜去時の注意の根拠)。
バイアル設計(ヘッドスペース、ゴム栓視認、シリンジで引き抜きやすい理由の根拠)。
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