吸引洗浄管と送水と吸引と洗浄
吸引洗浄管の使い方と手順のポイント
吸引洗浄管は、体液・血液・洗浄液などを「吸引」しつつ、必要に応じて「洗浄(送水)」で術野や管腔内の詰まりを軽減する目的で用いられる器具として整理すると理解しやすいです。
現場のつまずきポイントは「吸引できない」ではなく、実は“吸引はできるが流量が落ちる/途中で詰まる/視野が戻らない”といった、性能の落ち方が段階的で気づきにくい点です。
操作としては、①接続(吸引器・吸引チューブ・吸引洗浄管)→②吸引圧の確認→③洗浄液の準備→④吸引と洗浄を状況に応じて切替、の順で「流れ」を固定化するとミスが減ります。
特に“吸引圧の確認”は、口腔内吸引の標準的な手順でも「水を吸って吸引できるか確認する」とされており、吸引ラインが通っているかを事前に見える化する動作が推奨されています。
吸引洗浄管でも同様に、使用開始前に少量の水で通水・吸引の両方が成立するかを確認しておくと、術中トラブルの切り分けが速くなります。
参考)https://www.hakko-medical.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/suction-and-irrigation-kit.pdf
詰まりやすい状況(凝血塊・脂肪片・粘稠な分泌物)では、強い陰圧で“吸い込んで押し込む”より、洗浄で希釈してから吸引する方が結果的に閉塞を起こしにくい運用になります。
吸引洗浄管の接続と送水と吸引チューブの注意
送水・吸引キットの説明資料では、吸引チューブは「片方を吸引・洗浄管に接続し、もう一方を吸引器に接続する」と明記されており、接続方向と適合が基本になります。
この“当たり前”が崩れるのは、手術室や処置室で部品が似ている(コネクタ形状が近い)こと、急いでいること、複数メーカー品が混在することが重なったときです。
対策としては、接続前に次の3点を口頭でも指差しでもよいので確認し、チェック動作をルーチン化します。
- 吸引洗浄管側の接続口が濡れていないか(滑って抜けやすくなる)。
- 吸引器側の負圧が出ているか(「水で吸って確認」を応用)。
- 接続後に軽く牽引して外れないか(術中の抜去予防)。
意外に見落とされるのが「吸引ボトルの液体管理」です。口腔内吸引の準備では吸引瓶に水を入れて吸引圧確認を行う手順が示されており、確認後の水量や汚染状況を放置すると、ライン側への汚れ移行や臭気の原因にもなります。
吸引洗浄管の洗浄と再処理(ブラシとすすぎ)
吸引管の添付文書系PDFでは、洗浄前に必要に応じて分解し、水道水ですすいだ後、適切なサイズの柔らかいブラシ(パイプブラシ等)を用いる、といった再処理の考え方が示されています。
また同資料には、酵素洗剤での洗浄や、すすぎ(中空部に水を注入してすすぐ等)といった「内腔を意識した工程」が具体的に書かれており、中空構造の器具では“外側だけきれい”が通用しない点が重要です。
吸引洗浄管は内腔が長く、曲がりや接続部の段差もあるため、洗浄・すすぎは「見えない場所ほど丁寧に」が原則になります。
現場での改善として効果が出やすいのは、以下のように“タイミング”を組み込む方法です。後追いで洗うほど汚れは乾き、除去難度が上がります。
参考)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/kikiDetail/ResultDataSetPDF/270452_13B1X10244S00021_A_01_02
- 使用直後:可能な範囲で水を通して内腔の残渣を減らす(乾燥前対策)。
- 再処理:分解→ブラシ→酵素洗剤→十分なすすぎ(中空部を注入すすぎ)。
- 乾燥:水分残留は微生物増殖や腐食・においの要因になり得るため、乾燥工程も手順化する。
参考)https://www.matsuyoshi.co.jp/assets/pdf/manual/man_00200398.pdf
「詰まりが取れないから強くこする」だけでは、内腔損傷のリスクや、汚れが奥へ押し込まれるリスクもあります。ブラシ径の適合(太すぎ・細すぎの回避)を含めて、器具ごとに標準手順を整備するのが安全です。
吸引洗浄管の感染対策(手指衛生と水)
吸引操作は分泌物が飛散する可能性があるため、手袋に加えて状況に応じてマスクやガウン等を着用する、という考え方が感染対策の解説で示されています。
また、気管内吸引の文脈ではありますが、カテーテル洗浄に使用する水は「滅菌精製水」を用いることが望ましいとされ、水道水や非滅菌精製水には肺炎の原因となり得る微生物が含まれる可能性がある点が指摘されています。
吸引洗浄管でも“洗浄に使う液体”は軽視されがちですが、清潔域・不潔域の設計とセットで考えると、感染対策の穴を塞ぎやすくなります。
運用面では、以下のような「水の扱い」を明文化すると、属人的な差が小さくなります。
参考)Y’s Square:病院感染、院内感染対策学術情報 | 気…
- 洗浄に使う水(または洗浄液)の種類を固定する(例:滅菌精製水)。
- 容器やリンス用水の交換頻度を決める(頻回交換が望ましいという記載がある)。
- 触れる前後の手指衛生を徹底し、手袋を外した後も手指衛生を行う。
「吸引洗浄管そのものの再使用・単回使用の区分」や「滅菌の要否」は製品仕様・施設方針で異なるため、添付文書・院内手順・中央材料部門の基準を必ず優先してください(この一点だけでも監査対応の強さが変わります)。
吸引洗浄管の独自視点:微量吸引と臓器損傷リスク
検索上位の多くは「手順」「接続」「洗浄」といった定番テーマに寄りがちですが、臨床の質を左右するのは“吸引の仕方”そのものです。
たとえば製品紹介では、毛細管現象により微量の血液・体液・洗浄液も吸引できる、刷毛(はけ)操作で臓器表面を掃除するように吸引できる、金属管と臓器を接触させずに吸引できるので損傷リスクが下がる、といった特徴が述べられています。
これは「強い陰圧で一気に吸う」以外の設計思想があることを示しており、術野の微小出血や滲出液のコントロールで、視野維持と組織保護のバランスを取りやすくなる可能性があります。
現場での応用としては、次のように“吸引=剥がす力”になりやすい場面を意識するのが有効です。
参考)ヤセック洗浄吸引プローブ |製品紹介|山科精器株式会社
- 脆い組織(炎症・浮腫・癒着部位)では、接触吸引で牽引損傷が起こりやすい。
- 微量吸引を狙える器具・操作(先端形状や刷毛操作など)に切り替えると、不要な接触を減らせる可能性がある。
- 洗浄で浮遊させてから吸引すると、組織を“吸い付けて引く”リスクを下げつつ回収できる場面がある。
この視点は、単に「詰まりを防ぐ」や「清潔に保つ」だけでなく、術中合併症(表層損傷、出血の助長、視野不良の長期化)を避けるための“吸引洗浄管の使い分け”という、チーム全体の熟練度に直結するテーマです。
送水・吸引キットの接続の基本(どこに何をつなぐか)
https://www.hakko-medical.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/suction-and-irrigation-kit.pdf
吸引管の洗浄(分解・ブラシ・すすぎ等)の具体例が書かれた資料
気管内吸引の感染対策(手指衛生、水、PPEなど考え方の整理)
Y’s Square:病院感染、院内感染対策学術情報 | 気…

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