リニアステープラー 仕組み
リニアステープラー 仕組み:構造と構成(カートリッジ・カッター)
リニアステープラー(自動縫合器)は直線型で、左右に2〜3列のステープル列を持ち、その「間」をカッターが走ることで、切離と縫合を一連で行える構造が基本です。
このとき交換部品として重要なのがカートリッジで、切離したい臓器を挟む部位に「メス(カッター)」と「ステープル」が内蔵され、用途に応じて種類を選んで本体に接続して使用します。
カートリッジの種類は主に「縫合長」と「ステープルの足の高さ」で決まる、という整理をまず押さえると、機種差よりも“何を合わせるべきか”が明確になります。
現場のコミュニケーションでは「ファイヤ(fire)」という言い方が出ますが、これは縫合器において縫合の一連の動作を指す用語として紹介されています。
参考)【患者が驚く外科医の発言】「これから手術で腸を縫いますが、糸…
つまり、器械の“撃つ”操作は単に針を出すだけでなく、(機構として)クランプ状態から切離・縫合を完遂する工程全体を含む、と理解するとギャップが減ります。
なお、開腹・開胸用と内視鏡用では形状が大きく異なり、内視鏡用は腹腔鏡手術のポートに入る細径の棒状で、片側3列が主流になりつつある、と整理されています。
リニアステープラー 仕組み:原理(ステープル形成・B型)
ステープラーの核心は、押し出されたステープルが組織を貫通し、対向側の金属側(アンビル側)の溝に当たって曲げられ、所定の形(B型)に形成されて固定される、という“形成原理”です。
この「B型形成」は、単に針が刺さるのではなく、アンビル形状(溝)との相互作用で“規定形状に曲げる”工程が結果を左右するため、アゴの閉鎖が不十分だったり、異物や厚みが不均一だと形成が乱れるリスクを連想できます。
また、直線型の自動縫合器では、左右のステープル列の間をカッターが走ることで切離→縫合までできる、という構造が示されており、切離線と縫合線の位置関係が最初から設計されている点が、手縫いの感覚と最も違う部分です。
「縫合・切離・吻合を一度に行える」「術者の技術による差が少ない」「術野の汚染も少ない」といったメリットが整理されており、器械化の恩恵は“速い”だけでなく“手技のばらつき低減”にも置かれています。
一方で、器械化は“押せば必ず同じ結果”ではなく、結果に影響する変数(組織厚、圧縮、角度、張力)が多いのが臨床の実感です。だからこそ、原理(B型形成と切離線の関係)を言語化してチームで共有すると、トラブル時の原因探索が速くなります。
リニアステープラー 仕組み:カートリッジ(縫合長・ステープル高)
カートリッジは「縫合長」と「ステープルの足の高さ」で決まり、型番末尾の数字が縫合長(縫合する長さ)を示す、という説明があり、まずはここを基準に選択が組み立てられます。
特にステープル高は“組織厚の許容範囲”そのものと捉えると理解しやすく、メーカー情報でも、縫合長(例:60/80/100mmなど)とステープル高(例:2.5/3.8/4.8mmなど)の組み合わせで「組織に適したステープリング」を選べる設計が示されています。
また、市販の製品説明では「組織を15秒間予備圧縮することで、圧縮力が向上し、組織の均一性が確保され、流出(リーク)が少なくなる」といった、圧縮プロトコルに踏み込んだ記載も見られます。
参考)https://www.medicalexpo.com/ja/seizomoto-iryo/kiwado-57851.html
ここが意外に見落とされがちで、カートリッジ(ステープル高)を正しく選んでも、クランプからファイヤまでの“圧縮の時間と均一性”で結果が変わる、という考え方はチーム教育に向きます。
つまり「色=厚み」だけでなく、「圧縮=形成条件」という2軸で整理すると、なぜ同じカートリッジでも結果が揺れるのかを説明しやすくなります。
参考)開腹用ステープラー
リニアステープラー 仕組み:内視鏡(ポート・3列)
内視鏡手術用の自動縫合器は、腹腔鏡手術で作る12〜15mm径程度のポートに入るよう細径化された棒状で、鏡視下の限られた空間で扱う前提の形状です。
また、内視鏡用のエンドカッターではステープルが片側3列ずつが主流になりつつある、という整理があり、2列×2から3列×2へという“列数の設計思想”が背景にあります。
列数が増えること自体を目的化せず、「どの臓器・どの厚み・どの緊張下で、どの形成安定性が欲しいのか」を言語化して選ぶことが、デバイスが増えた現場ほど重要になります。
内視鏡領域では、器械の出し入れや角度が制限されるため、切離予定線に対してアゴを“直交に近づける”ことが難しい場面があり、ここで組織の偏りや滑りが起こると、B型形成の乱れやステープルラインの不均一につながりやすい、という連想が成り立ちます。
その意味で、内視鏡用は「細いから便利」ではなく、「制限環境で形成条件を再現しやすい設計(列数、圧縮、安定化)」へ進化してきた、と捉えると仕組みの理解が臨床に接続しやすくなります。
リニアステープラー 仕組み:独自視点(ファイヤの分解と教育)
検索上位の解説は構造や種類の話に寄りがちですが、現場で差が出るのは「ファイヤ」を工程分解して教育できるか、という運用面です(ここは器械の仕組み理解を“再現性”に変換する独自視点です)。
具体的には、ファイヤを「①把持・位置決め」「②圧縮(予備圧縮を含む)」「③形成(B型)」「④切離(カッター走行)」「⑤解除・確認」に分け、どこで何を確認するかをチェックリスト化すると、経験年数の違いによる“暗黙知”の差を埋めやすくなります。
とくに②の圧縮は、製品説明でも15秒の予備圧縮が均一性や流出の低減に寄与し得ると述べられており、「待つ意味」を新人に説明できる材料になります。
また、器械の仕組みを理解しているチームほど、トラブル時に原因を“患者側要因(浮腫、脂肪、炎症)”と“器械側要因(選択、圧縮、角度)”に切り分けやすく、対策(再ファイヤの可否、追加縫合、補強材、ドレナージ設計)を議論しやすくなります。
このように「仕組み=構造説明」で終わらせず、「仕組み=工程設計」として扱うと、リニアステープラーは単なる器具ではなく、標準化のプラットフォームとして活用できます。
参考:自動縫合器の構造(直線型・2〜3列・カッター)とカートリッジ選択(縫合長・ステープル高)がまとまっている資料
https://www.g-rules.co.jp/wp-content/uploads/2019/09/GR_izai_knldg_4.pdf
参考:ステープル形成(B型形成)の原理が明記された添付文書(PDF)
http://qx-files.yaozh.com/rbsms/610015_23100BZX00110000_A_01_06.pdf

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