サーキュラーステープラー 使い方 アンビル トロカー リーク 手技

サーキュラーステープラー 使い方

この記事でわかること
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使用準備の要点

アンビル、トロカー、セーフティ、インジケーターなど「触る前に見る」ポイントを整理します。

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ファイヤ前後の確認

ギャップ調整、待機時間、ハンドル操作、抜去、ドーナツ確認、リーク確認まで一連で解説します。

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トラブルの予防と対処

装着不良、切離不全、抜去困難、出血・縫合不全(リーク)などの「起きる前の兆候」を押さえます。

サーキュラーステープラー 使い方:アンビル トロカー 構造 名称

サーキュラーステープラーは、アンビルと本体(ステイプルハウジング)で組織を挟み、環状にステープルを形成しつつ内側を円筒型ナイフで切離する装置です。

この「縫合(ステープル形成)」と「切離(ドーナツ作成)」が同時に起こるため、使い方の要点は“装着と圧縮が適正か”に集約されます。添付文書でも、ファイヤにより環状のステープルライン形成と、内側の切離・切断が行われる旨が明記されています。

医療従事者が混同しやすいのは、メーカーや機種で呼称・表示が微妙に異なる点です。例えば、アンビルの「装着完了」を示す目印として、オレンジバンドの目視確認が重要とされる機種があります(センターシャフト側のオレンジバンドが吻合される組織外で見えること、接続後に覆われること等)。

参考)http://qx-files.yaozh.com/rbsms/610015_23100BZX00110000_A_01_06.pdf

また別機種では、ギャップセッティングスケールの“緑色の範囲”にオレンジ色インジケーターが完全に入っていることがファイヤ条件であり、範囲外ではファイヤしてはならないとされています。

参考)富士通クライアントコンピューティング – 街撮り…

操作部位の名称を、最低限ここだけは共通言語として押さえると、チーム内の確認が速くなります。

  • アンビル(ヘッド/シャフト)
  • トロカー/センターシャフト(穿通させて接続する軸)
  • アジャスティングノブ/回転ノブ(開閉・圧縮)
  • セーフティ(解除しないとファイヤできない機構)
  • インジケーター(適正圧縮の目安)​

サーキュラーステープラー 使い方:準備 手技 セーフティ インジケーター

準備段階での最大の事故は、「意図しない作動」と「不完全作動のまま進める」ことです。ある添付文書では、ファイヤ準備が整うまでセーフティを外したりファイヤリングハンドルを操作しないよう明確に注意喚起されています(準備前の操作でナイフ露出やステイプル形成が起こり得るため)。

別の添付文書でも、パッケージから取り出す際に回転ノブに触れない(誤って指標が表示され安全装置が解除され得る)という、やや“盲点”になりやすい注意が書かれています。

「閉じ具合(圧縮の適正)」は、表示(インジケーター)で見える化されていることが多い反面、見落としが起きがちです。オレンジ色インジケーターが緑色範囲内に完全に入っていない場合はファイヤしてはならない、というルールはシンプルですが、忙しい局面ほど守れないので、声出し確認に組み込む価値があります。

さらに、急激に圧縮すると十分に体液が排出されず適切な抵抗を得られないことがあるため、ゆっくり調整し、約15秒待つことが推奨されています。

術前・術中の選択としては、径(21/25/29/33mm等)だけでなく、組織厚に応じたステープル仕様(機種によりカートリッジ色やステープル高さ)を意識する必要があります。実際に添付文書では、組織の厚さが適応範囲を超える場合のリスクや、必要以上の力が必要な場合のサイズ見直し(例:パープルで無理ならブラックへ)などが具体的に述べられています。

サーキュラーステープラー 使い方:アンビル 装着 回転ノブ ファイヤ

使い方の流れを「やること」ベースで並べると、手順の抜けが減ります。機種差はあるものの、概念としては①穿通→②アンビル接続→③圧縮→④ファイヤ→⑤開放→⑥抜去→⑦確認です。

穿通では、回転ノブ(またはアジャスティングノブ)操作でセンターシャフト/トロカーを露出・伸展させ、組織を穿通しますが、先端と貫通部位を目視することが強く推奨されています(周辺組織損傷の回避)。

アンビル接続は、トラブルが最も集中する工程です。接続が不完全だと、オレンジバンドが目視できない/覆われない、閉鎖や打針時にアンビルが外れる、といった重大事象につながり得るため、接続後に確実性を触って確認するよう記載されています。

また別機種でも、ファイヤ前の確認事項として「アンビルが確実に装着されていること」が明示され、装着不良がステイプル不形成・切離不全・リーク・抜去困難の原因になり得るとされています。

ファイヤ操作そのものは「最後まで、一定の力で、1回で」が原則として語られます。添付文書でも、ファイヤリングハンドルは本体につくまでしっかり一定の力で一回だけ握り込むこと、途中で止めないこと、再度握り込まないことなど、具体的な禁止事項が提示されています。

ファイヤ後は、開放操作(例:回転ノブを反時計回りに2回転など)で抜去可能な状態を作りますが、2回転以上回すとアンビルセンターロッドが外れる可能性がある、といった“やりすぎ”への警告もあるため、回し過ぎは禁物です。

サーキュラーステープラー 使い方:抜去 ドーナツ 確認 リーク 出血

抜去は「ゆっくり愛護的に」が大原則で、無理に引き抜くと吻合部損傷のリスクが上がります。添付文書では、左右両方向に90度回転させながら静かに引き抜くと抜去が確実になる、抜去困難ならさらに回転数を追加する、といった具体的操作が示されています。

一方で、抜去のための開放操作にも上限(例:2回転以上回さない)が設定されている機種があるため、困難時は「何を追加するか」をチームで共有しておくと安全です。

ファイヤ後の確認は、医療安全の観点で“儀式”にせず、意味のある観察に落とし込むことが重要です。添付文書では、吻合部に出血がなく吻合が完全でリークがないことを必ず確認し、必要に応じて縫合糸や電気メスで処置するよう警告されています。

また、打ち抜かれたドーナツ状組織について「完全なドーナツ状で全層が含まれていること」を確認する手順が明記されており、これは“吻合に必要な組織が全周で取り込めたか”の重要な代理指標になります。

あまり知られていないが実務的に効くポイントとして、「リーク確認は“吻合部だけ”ではなく“ステープルライン周囲の障害物”も見る」ことが挙げられます。金属製クリップなどの障害物が吻合予定部位に入り込むと、ナイフで組織を切断できないことがある、という注意が添付文書にあります。

つまり、リーク確認の前段階として「切離がそもそも成立しているか」を疑う視点(切離不全→抜去困難→組織損傷→出血/リークという連鎖)を持つと、トラブルの早期発見につながります。

サーキュラーステープラー 使い方:独自視点 MR Conditional 手技 記録

独自視点として、術後管理・検査まで含めた“使い方”を考えると、MR対応情報を記録に残す価値があります。ある添付文書では本品がMR Conditionalであること、1.5T/3.0Tでの条件、最大温度上昇、アーチファクトの目安などが示され、撮像部位がステイプルライン付近だと画質が損なわれ得る点も述べられています。

これは外科チームの頭の中にはあっても、退院後や転院後に情報が途切れると意味がなくなるため、手術記録に「使用デバイス」「部位」「可能なら型式やサイズ」を残す運用が、将来的な検査計画の無駄を減らします。

さらに、術前処置(例:放射線療法)で組織が変化し、選択したステープル適応範囲を超える場合がある、という警告が明記されています。

この点は“手技の巧拙”では解決できない部分なので、カンファレンスやタイムアウトで「放射線歴・組織厚の見込み・サイズ選択の根拠」を一言入れておくと、当日の迷いが減り、結果的に使い方が安定します。

最後に、現場で役立つ記録のテンプレ例です(施設ルールに合わせて調整)。

  • 使用機種名(メーカー・製品名)
  • 径(21/25/29/33など)と、アンビルとの整合確認の有無​
  • インジケーターが基準範囲内でファイヤしたこと​
  • ドーナツ全周・全層の確認、出血・リーク確認、追加縫合の有無

使用方法(操作手順)だけでなく、情報の引き継ぎまで含めて“使い方”を完成させると、術後合併症だけでなく検査・説明の質も上がります。

(手技の安全確認・禁忌・警告がまとまっている:エチコン サーキュラー ステイプラー 添付文書)

http://qx-files.yaozh.com/rbsms/340216_30300BZX00183000_A_01_01.pdf

(回転ノブ、オレンジバンド、グリーンバー、アンビル装着・2回転ルール等の具体手順が載っている:トライステープル EEA サーキュラー 添付文書)

http://qx-files.yaozh.com/rbsms/610015_23100BZX00110000_A_01_06.pdf