オーバーチューブ内視鏡使い方咽頭食道保護潤滑剤挿入抜去

オーバーチューブ 内視鏡 使い方

オーバーチューブを「安全に通す」全体像
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最重要は“抵抗を見逃さない”

挿入で抵抗を感じたら無理に進めず抜去し、内視鏡等で損傷・穿孔の有無を確認する流れをチームで共有します。

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潤滑剤は量より“塗る場所”

内視鏡表面、外筒・内筒チューブの内外、接触部に確実に塗布し、動きが渋い時は追加塗布して原因を切り分けます。

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マウスピース固定で事故が減る

ロック不良や締め付け過多は歯の損傷・口周辺の内出血につながるため、装着方向・固定・解除手順を標準化します。

オーバーチューブ内視鏡使い方の適応と使用目的

 

オーバーチューブは、内視鏡の挿入を容易にし、治療・検査を補助する目的で用いられる器具です。

特に「複数回の挿入が想定される状況」や、咽頭・食道の保護を意識したい場面で価値が出ます。

例えばSBカワスミのFOTラージタイプでは「内視鏡を複数回挿入する際に咽頭や食道を保護する」こと、また食道静脈瘤結紮セットと組み合わせて使用されることが明記されています。

医療従事者向けに、使い方を“操作手順”ではなく“リスクの発生点”から逆算して整理すると、以下の3つに集約できます。

  • どの患者に使うと危険が上がるか(小柄、狭窄、嘔吐反射が強い等)。
  • どのタイミングで抵抗が出るか(挿入時、内視鏡の抜去時、外筒の再挿入を試みた時)。
  • 抵抗が出た時に何を止め、何を確認するか(内視鏡等で評価し、無理をしない)。

「適応がある=入れてよい」ではなく、「入れるなら“どの合併症を最優先で潰すか”」が重要です。オーバーチューブ関連では咽頭・食道の裂傷、穿孔、出血などが添付文書で重大な有害事象として挙げられており、ここを前提に全工程を設計します。

参考:FOTラージタイプ(使用目的・効果、作動原理、手順、注意点)

SBカワスミ:FOTラージタイプ 添付文書PDF

オーバーチューブ内視鏡使い方の準備:潤滑剤・親水性コート・サイズ確認

準備段階で“詰む”と、その後の挿入・抜去のどこかで粘膜巻き込みや抜去困難が起きやすくなります。ポイントは「滑り」と「適合」を可視化することです。

まず潤滑剤は、単に“塗る”ではなく、塗布部位の優先度が重要です。トップ社の取扱説明書では、外筒・内筒チューブの内外面および内視鏡表面全体に水溶性潤滑剤を塗布すること、さらにオーバーチューブが内視鏡に沿って前後にスムーズに動くことを確認することが手順として記載されています。加えて、内視鏡と内筒先端の接触部、内筒先端と外筒先端の接触部にも潤滑剤が十分塗布されていることを確認する、という“接触部の指定”も明記されています。

ここで意外に見落とされがちなのが、コーティング仕様と潤滑剤の相性です。トップ社の文書では、フッ素コートを施した外筒・内筒チューブにエタノールを添加物として含む潤滑剤を使用しないよう注意があり、コート剥離のリスクが示されています。施設で採用している潤滑剤の成分(添加物)を、オーバーチューブの種類ごとに棚卸ししておくと、物品選択の事故が減ります。

次に親水性コートの“活性化”です。親水性コートの場合、生理食塩水または滅菌水に十分浸漬させる手順が示されており、清潔な液体を使う必要がある点も注意として書かれています。水分が不十分な状態で「滑るはず」と思い込むと、挿入抵抗が上がり、結果的に無理な操作を誘発します。

最後にサイズ・適合です。オーバーチューブは推奨内視鏡外径が決められており、細すぎる内視鏡を使うと送気漏れで視野確保に支障が出る可能性がある、とSBカワスミの文書に記載があります。さらにトップ社の文書でも、推奨外径でもフード使用によって挿抜できない場合がある旨があり、周辺デバイスの併用まで含めた「通る・抜ける」の事前確認が安全策になります。

参考:トップ社 15ダブルタイプ(潤滑剤、親水性コート、挿入・抜去、禁忌・注意)

株式会社トップ:(ダブルタイプ)取扱説明書PDF

オーバーチューブ内視鏡使い方の挿入手順:マウスピース・下顎挙上・ねじり

挿入手順は施設差が出やすい一方で、添付文書・取扱説明書に書かれている「やってはいけない動き」は共通しており、そこを標準化すると再現性が上がります。ここでは“挿入の流れ”と“危険動作”をセットで押さえます。

基本の流れは、(1) マウスピース(バイトブロック)装着 → (2) オーバーチューブを装着したまま内視鏡を挿入し、内視鏡のみを胃内まで進める → (3) 下顎を挙上して咽頭部の屈曲を可能な限り伸ばす → (4) 内視鏡に沿わせてオーバーチューブをゆっくり挿入、です。トップ社の文書では、内視鏡画像を確認しながら内視鏡のみ胃内まで進めること、下顎挙上、そして“ねじったりこじったりせずに真っ直ぐ挿入する”ことが具体的に記載されています。SBカワスミのFOTでも、下顎挙上と、キャップを持って左右に軽くねじりながら内視鏡に沿わせてゆっくり挿入し、マウスピースに押し込みロックする流れが示されています。

ここで現場の事故につながりやすいのが「抵抗が出た瞬間の判断」です。トップ社の注意事項では、挿入で無理な抵抗を感じた場合、咽頭・食道損傷や穿孔を疑い、抜去して内視鏡等で異常がないことを確認する、とかなり踏み込んで書かれています。つまり“頑張って押し切る”はルール違反です。

マウスピース固定も、軽視されがちですが重要です。トップ社では固定ベルトの締め付け過多が歯の損傷や口周辺の内出血を引き起こすおそれがある、と使用上の注意に明記されています。固定は強ければ良いのではなく、「外れない範囲で最小限」が正解です。

また、オーバーチューブの内筒・外筒のズレも“地味だが致命的”です。トップ社文書では、内筒と外筒がずれた状態で挿入すると、内筒先端の斜めカット部の向きが不適切になったり、外筒と内視鏡の隙間が大きくなって粘膜巻き込み→穿孔などにつながる危険があると説明されています。介助者がグリップ部をどこで持つかまで含めて、役割分担を決めておくとズレの発生が減ります。

オーバーチューブ内視鏡使い方の抜去・再挿入:粘膜巻き込みと抜去困難の回避

抜去は「終わり」ではなく、むしろ粘膜巻き込みや損傷が起こりやすい局面です。特に“内視鏡だけを急に引く”“外筒だけで再挿入する”が典型的な危険行動として、複数の文書で強く警告されています。

トップ社の文書では、内視鏡抜去時に急に引き抜くとオーバーチューブ先端と内視鏡の間に粘膜を巻き込み、咽頭や食道の損傷・穿孔など重篤な病態を来たすおそれがある、と明記されています。さらに、術後に本品を抜去する際には内視鏡等で損傷・穿孔がないことを必ず確認すること、異常があれば適切な処置を施すことも記載されています。ここは“忙しくても省略しないチェック項目”として扱うべきです。

SBカワスミのFOTでは、抜去時は「まず内視鏡のみをゆっくりオーバーチューブから引き抜く」→「次にオーバーチューブをマウスピースから抜去する」→「最後にマウスピースを外す」という順序が示されています。順番が逆になると、引っかかりやすさや視野・評価のしやすさが変わり、結果として無理な操作が入りやすくなります。

“外筒が抜けてきた場合の再挿入”は、現場で起こりうるトラブルですが、やってはいけない対応がはっきり書かれています。トップ社の文書では、万一外筒が抜けてきた場合に外筒のみでの再挿入は絶対に行わないこと、と明記され、隙間が大きくなって先端部により損傷や穿孔を起こすおそれがあると説明されています。再挿入が必要なら「いったん中断し、正しい組み立てと潤滑、体位・固定を整え直す」判断が安全側です。

抜去困難時の考え方も重要です。トップ社の文書では、先端アングル部を固定したまま抜去しないこと、開放しても抜去困難なら無理に抜去せず本品ごと抜去すること、といった具体的な回避策が示されています。抜けない時に力で解決しようとすると、最も避けたい穿孔側に倒れます。

オーバーチューブ内視鏡使い方の独自視点:介助者の手位置と「抵抗ログ」運用

検索上位の記事は、どうしても「適応」「手順」「合併症」を中心に書かれがちです。現場で再発しやすいのは、手順そのものより“チーム内の情報の抜け”なので、独自視点として「介助者の手位置」と「抵抗ログ(抵抗が出た瞬間の記録)」を提案します。

1つ目は介助者の手位置です。トップ社の文書では、内筒と内視鏡を抜去する際に外筒が一緒に抜けないよう介助者が外筒グリップをしっかり押えること、ただし外筒グリップ両側のつまみを押さえるとロック解除され外筒が浮き上がることがあるので注意、という“かなり具体的な持ち方の落とし穴”が書かれています。つまり、同じ「しっかり押える」でも、指の位置で結果が変わります。新人教育では、文章だけでなく実物を使って「触ってはいけない場所」「押えてよい場所」をシール等で見える化すると、事故が減りやすいです。

2つ目が抵抗ログです。添付文書には「抵抗を感じたら中止」「潤滑剤を追加」「異常確認」などが書かれていますが、現場では“抵抗が出たが何となく通った”が記録に残らず、同じ患者・同じ手技・同じ器材で再発します。そこで、次のように短く残す運用が有効です(電子カルテの定型文でも可)。

  • 抵抗の部位:咽頭通過時/食道入口部付近/抜去時(内視鏡のみ)など。
  • 対応:中止して抜去/潤滑剤追加/体位調整(下顎挙上の補助)/内視鏡等で確認。
  • 所見:損傷なし/軽微な出血あり/観察範囲で異常なし、など。

この「抵抗ログ」を回すと、施設内で“危険なパターン”が見えてきます。例えば「細い内視鏡+送気漏れ」「フード併用で抜けにくい」「小柄な患者で抵抗が出やすい」など、取扱説明書の注意と実データが結びつき、物品選択や手順の改善に直結します。

現場感のある注意点として、EVL関連のオーバーチューブでは穿孔が重篤化し得ることが知られ、症例報告が少ない中でも注意喚起がなされています。文献ベースの“怖さ”と、ログベースの“自施設の弱点”を両輪で押さえると、安全文化が定着しやすくなります。

参考:EVL用オーバーチューブ挿入に伴う食道穿孔の症例報告(注意喚起の背景理解)

CiNii:EVL用オーバーチューブ挿入により食道穿孔を来した一例

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