evis exera iii cv-190とNBIとHDTVとSDI

evis exera iii cv-190

evis exera iii cv-190で押さえる要点
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仕様を先に固める

NTSC/HDTV、VBS・Y/C・SDI・DVIなど出力体系を把握し、院内のモニター・録画・配信経路と整合させる。

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トラブルは「濡れ」と「経路」で起きる

コネクター乾燥不足や周辺機器の介在が、画像消失・ちらつきの原因になりやすい。

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安全注意は運用で担保する

高濃度酸素・麻酔ガス環境での使用禁止、NBIは参考情報である点、電源は医用コンセント直結などを手順化する。

evis exera iii cv-190の仕様と信号方式

 

evis exera iii cv-190(EVIS EXERA III ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-190)は、内視鏡からの信号を処理して観察モニターに表示する信号へ変換することを目的とした「内視鏡ビデオ画像プロセッサ」です。

信号方式はNTSCおよびHDTVに対応し、出力はVBS、Y/C、RGB/YPbPr、SDI、DVI、DVを同時に扱える構成になっています。

入力側もVBS、Y/C、SDIを持つため、院内に既存のSDI系統(録画・配信)とアナログ系統(古いレコーダー等)が混在していても段階的に更改しやすい点が実務上のメリットです。

また、ホワイトバランスはボタン操作による自動補正で、明るさ調整や測光方式・測光領域の切替、構造強調/輪郭強調、電子的な画像拡大、静止画表示・記録、画面サイズ変更など、観察中に触ることが多い項目が仕様として明示されています。

参考)https://www.olympus-medical.jp/sites/default/files/2022-03/CV-190PLUS%E3%80%80%E6%B7%BB%E4%BB%98%E6%96%87%E6%9B%B8_1.pdf

現場では「どの設定が診療科・術者ごとの標準値か」が曖昧だと検査ごとに画質が揺れ、教育・監査・症例比較で困るため、ユーザー設定やシステム設定の“標準プロファイル”を部門で合意しておくのが無難です(仕様上、諸設定の記憶が可能)。

さらに、装置サイズは標準寸法で幅370×高さ85×奥行455mm、質量10.7kgで、ラック搭載やカート搭載時の重量バランス、上段設置による転倒リスク評価にも関わります。

電源は定格100V交流、定格入力150VAのため、内視鏡室での同時使用機器(光源、モニター、記録装置、処置機器)を含めた電源容量設計の一要素として扱う必要があります。

evis exera iii cv-190の接続と周辺機器とSDI

接続の基本手順は、電源コードを医用コンセントへ接続し、内視鏡に応じて光源装置へ光源ケーブル/デジタル光源ケーブルで接続し、さらにスコープ側をビデオコネクター受けへ接続、必要に応じて記録装置等を接続してから運用する流れです。

この「必要に応じて」の中に、記録装置・撮影装置・超音波観測装置・挿入形状観測装置などが入り得ることが明記されており、構成が複雑になりやすい領域です。

運用上つまずきやすいポイントとして、SDI信号はデイジーチェーン接続(数珠つなぎ)で伝送し、途中の機器の電源がOFFになるとそれ以降に映像が供給されなくなる点が注意事項として明記されています。

つまり「モニターは映るが録画が真っ黒」「配信だけ落ちる」といった事象が起きた場合、CV-190本体の故障より先に“チェーン途中の機器電源・入力切替・省電力モード”を疑うのが合理的です。

参考)https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/bookSearch/01/04953170298615

トラブル対応手順を作るなら、①どの機器がSDIチェーンの上流/下流か、②OFFで遮断する機器はどれか、③検査前チェックで必ずON確認すべき機器は何か、を図にして貼り出すと現場が回ります。

さらに、観察画像は「直接観察モニターに出力し、間に周辺機器を介さない」ことが注意事項として示されており、分配器・コンバータ・古い録画機のスルー出力経由などが原因で画像消失が起こり得る設計思想が読み取れます。

院内の都合でどうしても介在が必要な場合でも、少なくとも“観察系(術者が見る)”と“記録/配信系”を物理的に分け、観察系は最短経路に固定するほうが安全です。

evis exera iii cv-190のNBIとホワイトバランスと明るさ

NBI(Narrow Band Imaging)は有用な観察モードとして広く知られていますが、添付文書では「NBI観察で得られる情報は参考情報であり、診断の妥当性を保証するものではない」「通常光観察含め総合的に観察、診断する」ことが明確に注意事項として書かれています。

この文言は、画像強調技術の限界(偽陽性・偽陰性の可能性)を示すだけでなく、医療安全・説明責任の観点からも「NBIで見えた/見えない」を単独根拠にしない運用設計が必要だという意味合いを持ちます。

また、NBI観察中に画像に異常を感じた場合、あるいは暗いと感じた場合は「直ちに通常光観察モードに戻す」よう明記されています。

一見すると当然ですが、実際の内視鏡室では“粘膜面の汚れ”“送気量”“スコープ先端の距離”“測光領域”など複合要因で暗さが生じ、術者がモードの問題か視野条件の問題か瞬時に切り分けにくいことがあります。

だからこそ、NBI運用の標準手順に「暗い/違和感→通常光へ戻す→先端洗浄・距離調整→必要なら再度NBI」を組み込み、介助者も同じ判断基準を共有すると事故予防に繋がります。

ホワイトバランスについては、真白な被写体を撮影しホワイトバランスボタンで調整する手順が明記され、滅菌域ではホワイトキャップを使わずガーゼ等を非接触で使う注意点も示されています。

この「非滅菌物に接触すると感染のおそれ」という指摘は、ホワイトバランス操作が“感染対策の弱点になり得る”ことを示しており、見落とされがちな実務ポイントです。

evis exera iii cv-190の禁忌と特定保守管理医療機器

evis exera iii cv-190は「特定保守管理医療機器」に位置づけられており、定期点検・保守を前提に安全性を担保するカテゴリです。

耐用期間は製造出荷後(納品後)6年、主要構成部品の内蔵バッテリーは5年と明記され、点検結果により修理またはオーバーホールが必要な場合は実施することも併記されています。

つまり、単純に「壊れるまで使う」ではなく、部門として資産管理台帳に“納品日・バッテリー年限・点検履歴”を紐づけ、更新計画を医療安全と一体で運用するのが筋になります。

設置環境の禁忌として、酸素濃度の高いところ、笑気(N2O)のような酸化物質雰囲気、可燃性麻酔ガス使用環境、可燃性液体が近くにあるところでは使用しないことが明記されています。

内視鏡室は通常これらを満たさない設計ですが、救急・手術室・麻酔導入エリアと近接している施設では、カート移動で“いつの間にか禁忌環境へ入る”リスクがゼロではないため、運用区域(持ち込み可能エリア)を決めておくと安全です。

さらに、強力な電磁波環境(マイクロ波治療器、短波治療器、MRI、無線機、携帯電話付近など)で使用しない注意があり、画像系の誤作動・ノイズのリスクが示されています。

病院Wi-Fiや携帯端末が当たり前になった現在、厳密に「携帯電話付近」をゼロにするのは現実的に難しい一方、少なくとも無線機や治療器など強い電磁環境が想定される場所での使用回避、内視鏡室内の端末置き場ルール化など“実装可能な対策”に落とすのが現実解です。

evis exera iii cv-190の独自視点:画像消失を防ぐ乾燥と通風孔

画像トラブルで意外に多いのが「濡れ」と「冷却」です。

添付文書では、ビデオコネクターは電気接点部を含めて十分に乾燥した状態で接続すること(濡れていると画像消え・ちらつき等の故障につながる)と明記されています。

ここで重要なのは、洗浄・消毒の工程そのものよりも、“接続直前の乾燥確認の責任者が誰か”が曖昧だと抜けが出る点で、チェックリストに「接点部乾燥OK」を入れてルーチン化するだけでも再現性が上がります。

もう一つ見落とされがちなのが通風孔(排気)です。

通風孔から排気を確認できないときは使用しない、という注意が明記されており、冷却不良が感電リスクに繋がり得ることが示唆されています。

現場の“あるある”として、カートの物品(タオル・ディスポ箱・記録用紙)が背面吸排気を塞いでしまうケースがあるため、背面クリアランスを床テープで可視化する、カートの積載ルールを決める、といった地味な対策が長期的に効きます。

加えて、スプレータイプ潤滑剤・麻酔剤・アルコールなどの薬剤が通風孔から内部に入り込み故障を引き起こすおそれがあるため、薬剤使用は装置から離れた場所で行う注意も明記されています。

「薬剤は患者の近くで使うもの」という固定観念があると装置近傍で噴霧しがちなので、薬剤噴霧の“立ち位置”を決める(例:カート背面側ではやらない)だけで、故障予防と安全性の両方に寄与します。

参考:CV-190の公式な添付文書(仕様、禁忌、使用上の注意、耐用期間などの一次情報)

PMDA:EVIS EXERA III ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-190 添付文書

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