トリプルルーメンカテーテル 透析
トリプルルーメンカテーテル透析のルーメン構造と適応
トリプルルーメンカテーテルは、透析に必要な脱血・返血のルーメンに加えて、第3ルーメン(輸液・薬剤投与・CVP測定など)を同一デバイス内に持つ設計が特徴です。
急性期の中心静脈アクセスとして、血液透析だけでなく、注入(輸液)や造影剤のパワーインジェクションに対応する製品もあり、穿刺回数を減らしてワークフローをまとめられる点が利点になります。
一方で「透析用カテーテルはAVFより感染リスクが高い」という大前提があり、使うと決めた瞬間から“抜去までの感染予防”が治療成績を左右します。
【参考リンク:透析用カテーテル操作(接続時の消毒薬適合・PPE・ヘパリン充塡・プラグ等)の根拠になる記載】
透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン(五訂版)PDF
トリプルルーメンカテーテル透析の接続手順と清潔操作
透析用カテーテルによる透析操作は、手指衛生とPPE(非透水性ガウン/エプロン、マスク、ゴーグル/シールド、未使用手袋)を前提に、可能なら「患者側操作」と「装置側操作」の2名で行うことが望ましいとされています。
接続時に見落とされがちなのが、カテーテルの皮膚出口部や接続部に使う消毒薬は“カテーテル材質に適合したもの”を選ぶ必要がある点で、手技だけでなく物品選択も手順に組み込むべきです。
また、カテーテル内は接続前に充塡液を吸引して閉塞の有無を確認する、という一手間が推奨されており、血流不良を「機械のせい」にしないための基本動作になります。
トリプルルーメンカテーテル透析の感染予防(出口部・接続部・透析室)
感染経路は「皮膚細菌叢」「側管・接続部の汚染」「輸液の汚染」など複数あり、挿入から抜去まで“途切れない対策”が重要だと整理されています。
透析の現場では特に、開始・終了の接続操作が頻回であることがCLABSIリスクを押し上げやすく、だからこそ透析日ごとの出口部観察や、刺入部の消毒とドレッシング管理の標準化が効いてきます。
加えて、透析用カテーテル接続部の消毒は「wipe(ぬぐう)では不十分でscrub(ごしごしこする)」という考え方がガイドライン内で紹介されており、消毒の“動作の質”を教育に落とし込むのが実務的なポイントです。
トリプルルーメンカテーテル透析のヘパリンロックと閉塞対策
透析を行わない時間帯にカテーテル内腔の凝固を防ぐため、透析用カテーテル内に充塡して維持する「ヘパリンロック」は適応として明確に示されています。
一方で、返血終了後にヘパリンでカテーテル内を充塡する手順は「接続部の消毒」とセットで記載されており、ロックを“薬液を入れて終わり”にせず、最後の汚染リスク工程として扱う必要があります。
独自視点として、トリプルルーメンでは「第3ルーメン=便利」ゆえに触る回数が増えやすいため、ロックの場面でつい側管操作(採血・投与・フラッシュ)が増えると接続部汚染のチャンスも増える点を、チームで可視化しておくと事故が減ります(“触らない設計”が最大の感染対策)。
トリプルルーメンカテーテル透析の意外な落とし穴(プラグ・消毒薬・教育)
透析用カテーテルに接続可能なプラグの使用は、開放時間を減らして閉鎖回路に近づける工夫として「考慮する」項目に挙げられており、施設差が出やすい改善ポイントです。
さらに、透析施設向けの情報では「器材の使用説明書を熟読し、材質に適合した消毒薬を用いる」ことが明記され、ポビドンヨードが“器材への使用では適用外”になり得る点への注意喚起もあります。
結局のところ、トリプルルーメンカテーテル透析で差がつくのは新規デバイスよりも、スタッフ教育(消毒の範囲・scrubの強さ・乾燥待ち・プラグ交換頻度・観察ポイント)を、誰がやっても同じ品質に落とし込めているかです。