セルトリズマブ ペゴルと用法及び用量と副作用

セルトリズマブ ペゴル

セルトリズマブ ペゴルの要点(医療従事者向け)
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薬剤の特徴(Fab’+PEG、TNFα中和)

TNFα阻害薬の中でも「ペグヒト化抗ヒトTNFαモノクローナル抗体Fab’断片製剤」という独自設計で、臨床上の注意点(感染症、結核スクリーニング等)はクラス共通に押さえる必要があります。

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用法及び用量の基本(RAと乾癬で異なる)

関節リウマチと乾癬関連疾患で投与設計が異なり、導入・維持・症状安定後の選択肢を混同しないことが重要です。

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重篤副作用の勘所(感染症・結核・脱髄など)

警告・禁忌に直結する「結核」「重篤な感染症」「脱髄疾患」などを、導入前評価とフォロー計画に落とし込む運用が安全性の鍵になります。

セルトリズマブ ペゴルの作用機序と特徴(TNFα阻害薬)

セルトリズマブ ペゴル(遺伝子組換え)は、TNFα阻害薬に分類され、ヒトTNFαに高い結合親和性を示してTNFαの生理活性を選択的に中和し、炎症性サイトカイン産生も抑制することが示されています。

本剤は「ペグヒト化抗ヒトTNFαモノクローナル抗体Fab’断片製剤」であり、抗体のFab’断片にPEGが結合した設計である点が、同じ抗TNF製剤でも“抗体全長”タイプと異なる理解ポイントになります。

臨床現場では、この“構造の違い”が患者説明の納得感(なぜ同じ抗TNFでも選択肢が複数あるのか)に直結するため、作用機序は「TNFαを抑えて炎症カスケードを落とす」と平易に言い換えつつ、感染症リスクなどクラス効果も合わせて伝えるのが現実的です。

セルトリズマブ ペゴルの効能又は効果(関節リウマチ・尋常性乾癬)

添付文書上の効能又は効果は、関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)と、「既存治療で効果不十分な」尋常性乾癬・乾癬性関節炎・膿疱性乾癬・乾癬性紅皮症です。

また、適用にあたっては、関節リウマチでは既存治療で効果不十分例に原則限定する一方、関節破壊進展リスクが高いと推測される患者では治療歴がなくても使用できる旨が記載されており、適応判断の文脈が「病勢」だけでなく「予後(構造的損傷リスク)」にもあることがポイントです。

乾癬領域では、光線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られない、あるいは難治性の皮疹・関節症状・膿疱を有する、といった“導入条件”が明確に書かれているため、紹介元や院内の適正使用フロー作りにそのまま転用できます。

セルトリズマブ ペゴルの用法及び用量(400mg・200mg)

関節リウマチでは、通常「初回・2週後・4週後に各400mg皮下注射」し、その後は「200mgを2週間隔」で維持し、症状安定後は「400mgを4週間隔」での投与も可能とされています。

乾癬(尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症)では、通常「400mgを2週間隔で皮下注射」し、症状安定後は「200mgを2週間隔」または「400mgを4週間隔」を選択できるとされています。

実務上の落とし穴は「RAは導入で400mg×3回→200mg維持が基本」「乾癬は基本400mg Q2W(症状安定後に選択肢)」という差で、電子カルテの初期オーダーセットや看護手順書に“疾患別テンプレ”を用意しておくとヒューマンエラーを減らせます。

セルトリズマブ ペゴルの副作用と警告(結核・重篤な感染症)

警告として、本剤投与により結核、肺炎、敗血症を含む重篤な感染症、脱髄疾患の新規発生や悪化などが報告されていることが明記され、緊急時対応が可能な施設で医師の管理下で使用することが求められています。

結核については、投与前に問診・胸部X線・インターフェロン-γ遊離試験またはツベルクリン反応等で感染の有無を確認し、必要に応じて胸部CT等も含めて評価するよう具体的に記載されています。

禁忌には「重篤な感染症(敗血症等)」「活動性結核」「脱髄疾患(多発性硬化症等)または既往」などが並び、導入前スクリーニングが“推奨”ではなく安全性の必須要件であることが読み取れます。

(現場でのチェック例:導入前に共有しておくと抜けにくい項目)

✅ 胸部画像(X線+必要時CT)

参考)https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9209588/


✅ IGRAまたはツ反​
B型肝炎ウイルス感染の有無(再活性化に注意)​
✅ 生ワクチン接種は避ける(投与中)​

セルトリズマブ ペゴルの独自視点:凝固検査(aPTT)への干渉と検査運用

あまり知られていない実務上の注意として、海外の臨床試験で「一部の凝固検査キットに干渉」し、凝固系に異常がない患者でも活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が見かけ上延長することがある、と添付文書に記載されています。

同じ記載の中で、トロンビン時間(TT)やプロトロンビン時間(PT)への干渉は認められていないとされており、「aPTT延長=出血傾向」と短絡しない読み替えが必要です。

手術前評価、抗凝固療法導入時、DIC鑑別などで“凝固異常”が議論になりやすい診療科連携(整形外科・産婦人科・救急など)では、CZP投与中であることを検査部・チームで共有し、「再検」「別法」「PT/TTの併用評価」など次の一手を決めておくと無用な検査の連鎖を減らせます。

(必要に応じて、文献リンク:妊娠後期の胎盤移行データが添付文書に引用されている主要文献)

Annals of the Rheumatic Diseases: Mariette X, et al. (2018)(妊娠後期の母体・臍帯血・新生児血中濃度の評価)

(権威性のある日本語の参考リンク:禁忌・警告・用法用量・結核スクリーニング等の根拠として)

添付文書(警告、禁忌、用法及び用量、重要な基本的注意)

シムジア(セルトリズマブ ペゴル)添付文書