リウマチ性多発筋痛症 症状 肩 こわばり 発熱 倦怠感

リウマチ性多発筋痛症 症状

この記事で押さえる要点
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症状の「型」をつかむ

近位筋の痛み・朝のこわばり・全身症状という典型像と、非典型例のヒントを整理します。

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検査と鑑別の実務

CRP/赤沈、自己抗体、CK、超音波などをどう組み合わせて見誤りを減らすかを具体化します。

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合併症の赤旗

巨細胞性動脈炎を疑う症状(頭痛・顎跛行・視力障害)を“問診の型”として提示します。

リウマチ性多発筋痛症 症状 肩 こわばり の特徴

 

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の中心は、「肩甲帯〜近位部の痛み」と「朝のこわばり」で、特に両側性に出ることが多い点が臨床推論の起点になります。肩の痛みは頻度が高く、頚部や臀部、大腿の疼痛・こわばりが続発しやすいとされています。

臨床で重要なのは、患者が「筋力が落ちた」と訴えても、PMRそのものでは厳密な意味での筋力低下や筋萎縮が基本的に目立ちにくいことです(痛みとこわばりで力が入りにくい“体感”が前面に出る)。このため、徒手筋力検査での筋力低下が明確、あるいは筋萎縮が進行している場合は、筋炎や神経筋疾患、ステロイド筋症など別軸の鑑別が必要になります。

症状の時間帯もヒントで、起床時に最重で、日中にある程度軽快するパターンはPMRの典型として知られています。問診では「腕が肩より上に挙がらない」「起き上がり・立ち上がりがつらい」「着替えが難しい」「寝返りで目が覚める」など、生活動作に落とし込んだ質問が感度を上げます(ただし整形外科疾患でも同様の訴えは起こり得るため、全身炎症の整合性をセットで評価します)。

また、約半数に膝や手の関節の腫れ・痛みが伴う場合がある一方、関節リウマチのような骨破壊はまれとされ、名前に「リウマチ」と付いていても別疾患である点は、患者説明でも誤解の修正が必要です。さらに、手背・足背の圧痕性浮腫手根管症候群を伴うことがあるため、末梢のしびれや浮腫を「加齢」だけで片づけず、病勢評価の材料にします。

参考(症状の頻度・左右対称性・筋力低下が乏しい点・手根管症候群/浮腫などの記載): https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000609/

リウマチ性多発筋痛症 症状 発熱 倦怠感 体重減少 の見方

PMRは局所の痛みだけでなく、発熱、食欲不振、体重減少、倦怠感、抑うつ症状などの全身症状を伴うことがあり、これが“感染症や悪性腫瘍のように見える”要因になります。実際に、38℃台までの発熱、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、抑うつ症状などが一定割合でみられるとされ、痛みの訴えが強くない患者でも全身症状から拾い上げる視点が重要です。

一方で、全身症状が強いほど「感染症・悪性腫瘍・血液疾患」を外す作業が欠かせません。PMRは原因不明で、診断は除外診断の側面が強いとされており、症状と炎症反応の高さがあっても、安易にステロイド反応だけで確定すると“見逃してはいけない疾患”を覆い隠すリスクが生じます。

医療者向けの実務としては、発熱がある場合に「悪寒戦慄」「局所感染兆候」「最近の侵襲的処置」「血管内デバイス」「薬剤歴」を一度は確認し、がん関連では「夜間発汗」「持続する体重減少」「原因不明の貧血や高カルシウム」などの整合性を見ます(PMRでも炎症性の貧血は起こり得るため、単独所見で決めないのがコツです)。

参考(全身症状の頻度、原因不明、炎症反応、診断が容易でない点): リウマチ性多発筋痛症|リウマチに関連する病気

リウマチ性多発筋痛症 症状 検査 CRP 赤沈 超音波 の実務

PMRでは、血液検査でCRPや赤沈など炎症反応の上昇がよくみられる一方、「これが陽性なら確定」という特異的検査はありません。したがって、症状の型(年齢、両側肩痛、朝のこわばり等)と炎症反応を合わせ、鑑別疾患を除外しながら総合判断します。

医療従事者として特に有用なのは、筋痛を訴える患者でCKが上がらない点です。皮膚筋炎/多発性筋炎などの筋炎と違って筋酵素上昇が乏しいことは、鑑別の早い段階で役立ちます(ただし併存や薬剤性など例外はあるため、症状が非典型なら反復評価します)。

分類(研究目的)としてはEULAR/ACRの2012年暫定基準案が広く参照され、必要条件(50歳以上、両側肩痛、CRPまたは赤沈上昇)に加え、朝のこわばり、臀部痛/可動域制限、RF陰性・抗CCP陰性、他関節症状の少なさ等を点数化し、超音波所見を組み込める点が特徴です。超音波では三角筋下滑液包炎、二頭筋腱鞘滑膜炎、肩甲上腕関節滑膜炎、股関節滑膜炎、転子部滑液包炎などを確認し、臨床像と整合すれば診断の納得度が上がります。

また、Birdの診断基準(1979)も臨床で参照されることがあり、急性発症(2週間以内に症状完成)や赤沈40mm/h以上、朝のこわばりなど、PMRらしさを言語化する枠組みとして有用です。

参考(EULAR/ACR 2012、Bird基準、CKが上がらない、超音波所見の例): https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000609/
参考(画像検査の位置づけ、エコーが取り入れられた分類予備基準、炎症反応など): リウマチ性多発筋痛症|リウマチに関連する病気

リウマチ性多発筋痛症 症状 鑑別 関節リウマチ 筋炎 偽痛風 の要点

PMRの診断で難しいのは「似た症状を作る病気が多い」点で、鑑別の漏れがそのまま治療の遅れや誤治療につながります。代表的には、関節リウマチ、RS3PE症候群、脊椎関節炎、筋炎、血管炎などの膠原病・リウマチ性疾患、感染症、多発性骨髄腫、がん関連、そして頚椎歯突起周囲の結晶沈着によるcrowned dens syndrome(軸椎歯突起症候群)などが挙げられます。

実務上のコツは、「PMRらしい要素」と「PMRでは説明しづらい要素」を同時にチェックすることです。例えば、末梢小関節優位の腫脹が強い、RF/抗CCP陽性、骨びらんを示唆する所見があるなら関節リウマチ側に重心が移りますし、著明な筋力低下とCK上昇なら筋炎を強く疑います。頚部痛が強く、発熱と炎症反応が高値で、画像で歯突起周囲の石灰化が示唆されるなら偽痛風関連のcrowned dens syndromeが鑑別に入ります。

ステロイドが“劇的に効く”ことはPMRの特徴として語られますが、ステロイド反応性はPMRの専売特許ではありません。むしろ、反応が乏しい場合は巨細胞性動脈炎の合併や、別疾患の可能性を再評価するきっかけにするのが安全です。

参考(鑑別疾患の列挙、診断はまず疑うこと・除外が重要、改善が乏しい場合は別疾患検討): https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000609/

リウマチ性多発筋痛症 症状 巨細胞性動脈炎 視力低下 の見逃し対策(独自視点)

検索上位の解説でも巨細胞性動脈炎(GCA)の重要性は触れられますが、現場で差が出るのは「問診をテンプレ化して毎回同じ順で聞けるか」です。PMR患者ではGCAを合併することがあり、頭痛(特にこめかみ)、側頭動脈の圧痛や拍動低下、顎跛行、視力低下・視野欠損・一時的視力障害、発熱や体重減少などが手掛かりになります。

意外に見落とされやすいのが、患者が「目の症状」を主訴にしていないケースです。痛みのために日常生活が破綻していると、視力の“少しの変化”を後回しにしがちなので、PMRを疑った時点で、次のチェックをルーチン化すると安全です。

・🚨危険サイン質問(診察室で30秒):

✅ 新しい頭痛はありますか(こめかみ、後頭部含む)

✅ 食事であごがだるくなりますか(顎跛行)

✅ 一時的に片目が見えにくくなることはありますか

✅ 視野が欠ける感じはありますか

✅ こめかみを押すと痛いですか

これらが陽性なら、失明リスクを念頭に、検査より治療を優先する場面があることも含めて上級医へ即共有し、眼科・画像評価へつなげます。

さらに、PMR側の炎症が落ち着いてもGCAが潜む場合がある点は注意が必要です。炎症反応の数字だけで安心せず、症状ベースのスクリーニングを継続する方が、結果として重大合併症を減らせます。

参考(GCAの症状、失明リスク、早期治療の重要性、PMRとの合併): https://tochigi.hosp.go.jp/guide/riumachi/17_gca.html
参考(PMRにおけるGCA合併時の症状例:頭痛・顎跛行・視力低下など): リウマチ性多発筋痛症|リウマチに関連する病気

【関連論文(分類基準の原典)】

PMRの2012年EULAR/ACR暫定分類基準(原典の情報に触れる導線): https://kompas.hosp.keio.ac.jp/disease/000609/

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