感染性関節炎の原因
感染性関節炎の原因:起因菌と黄色ブドウ球菌
感染性関節炎(septic arthritis)の原因を「何の菌か」で整理すると、まず押さえるべきは黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)です。成人のネイティブ関節(人工関節ではない)を対象にした入院症例の研究でも、最も多い起因菌はS. aureusでした。具体的には、109例中でS. aureusが最も頻度の高い病原体として検出されています(培養陽性率も高い集団)。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
S. aureusに次いで多いのは、レンサ球菌などのグラム陽性菌群で、腸内細菌(coliform bacilli)やPasteurella、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)なども一定数みられます。つまり「原因=S. aureusが第一想起、ただし患者背景でズレる」というのが実戦的です。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
ここで意外に見落とされやすいのが、“培養陰性でも感染性関節炎を否定できない”点です。先行抗菌薬投与がある、採取量が少ない、関節液の取り扱いが不適切などで培養陰性になりえますし、実臨床では「抗菌薬前の採取」がどれだけ守れるかが原因同定に直結します。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
感染性関節炎の原因:血行性と菌血症
感染性関節炎の原因(侵入経路)は大きく分けて、①血行性播種、②外傷・手技による直接侵入、③隣接感染巣からの波及です。成人では血行性が典型で、皮膚・軟部組織感染、尿路感染、呼吸器感染などを起点に菌血症→関節播種へ至ることがあり、関節だけ診ていると“入口”を取り逃がします。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
原因検索として重要なのは「血液培養を省かない」ことです。成人の入院症例研究では、血液培養が陽性のケースが一定数あり、関節液培養だけでは拾えない状況(血液培養のみ陽性)も報告されています。つまり、原因菌の同定と同時に、重症度(菌血症の有無)評価にもつながります。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
さらに、原因が菌血症である場合、「心内膜炎の併存」という次の落とし穴があります。上記研究では経食道/経胸壁心エコーが行われ、感染性心内膜炎が検出された症例がありました。関節炎を入口に全身疾患へ視野を広げる意識が、結果的に救命率と再発率に影響します。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
感染性関節炎の原因:リスク因子と糖尿病
感染性関節炎は「誰にでも起こる」一方で、原因に近いところに患者側のリスク因子が強く影響します。成人症例をまとめた研究では、基礎疾患として心血管疾患、リウマチ性疾患、糖尿病などが多く、感染性関節炎が“ハイリスク患者の急性単関節炎”として現れやすいことが示されています。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
特に糖尿病は、感染性関節炎そのもののリスクとしてだけでなく、転帰にも関係します。成人の化膿性関節炎において、糖尿病は感染性関節炎による死亡(直接死)のリスク因子として挙げられています(単変量解析)。「原因を作りやすい」だけでなく「悪化しやすい」背景として把握しておくべきです。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
また、リウマチ性疾患(RAなど)や腎機能低下も、死亡や機能予後不良に関連する因子として示されています。高齢、腎機能低下、炎症高値(CRP高値)、意識障害、菌血症などが重なると、関節局所の治療だけでは不十分になりやすく、早期から全身管理を想定した動きが必要です。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
感染性関節炎の原因:関節穿刺と関節液
原因診断の中心は、関節穿刺で得られる関節液(synovial fluid)です。成人症例研究では、関節液培養を含む微生物学的検査で高い陽性率が得られており、原因菌同定の主戦場が関節液であることがわかります。加えて、著者らは「抗菌薬開始前に関節液を採取する」重要性を明確に述べています。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
臨床現場でのコツは、関節液を「何に出すか」を固定化して迷いを減らすことです。最低限、①細胞数/分画、②Gram染色、③培養(可能なら嫌気も)、④結晶検索、⑤必要に応じて追加(抗酸菌・真菌、PCR等)という運用が、原因の取りこぼしを減らします。培養同定が得られない状況を想定し、血液培養も同時に採取することで、原因菌同定のチャンスを二重化できます。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
意外なポイントとして、16S rRNA遺伝子解析のような分子診断が「他が全部陰性のときの最後の一手」になるケースがあります。成人症例研究では16S rRNA遺伝子解析のみが陽性となった症例が報告されており、原因菌同定が治療戦略(とくに抗菌薬の絞り込み)に直結することを考えると、難治例・抗菌薬先行例では検討価値があります。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
感染性関節炎の原因:皮膚潰瘍と小関節(独自視点)
検索上位の解説では「膝が多い」「股関節が重い」が強調されがちですが、実臨床では“手指・足趾など小関節”が原因の入り口になるケースも侮れません。成人入院症例研究では、小関節(手指・足趾)の感染が最も多い部位として挙げられており、一般的なイメージ(膝が最多)とズレる点が興味深いところです。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
このズレを現場で活かすなら、「小関節の腫脹=軽症」と決めつけないことです。研究では小関節例の多くが皮膚の創を原因(皮膚病変を伴う)として含んでいた可能性が示唆されており、爪周囲炎、ささくれ、軽微な外傷、皮膚潰瘍など“皮膚バリア破綻”が、関節感染の原因に直結します。手袋や日常のスキンケア指導という、地味だが効く介入が見直されます。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
また、皮膚潰瘍/壊死(leg ulcers/eschars)は、感染性関節炎の「原因(入口)」であると同時に、死亡リスク因子としても挙げられています。つまり、関節の炎症所見が同程度でも、皮膚所見がある患者は“同じ感染性関節炎ではない”と捉え、より厳格な全身評価(菌血症、腎機能、意識、炎症高値)へ接続するのが安全です。(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/)
原因と起因菌(黄色ブドウ球菌・レンサ球菌など)の頻度、リスク因子(糖尿病・RA・皮膚潰瘍など)、診断(関節穿刺・血液培養)、転帰因子(菌血症・CRPなど)の一次情報。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4888402/

感染性関節炎 スーパーヒーロー ウォリアーファイターサポート トレーナー