全眼球炎 犬
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全眼球炎 犬 定義 分類 眼内炎 ぶどう膜炎
全眼球炎(panophthalmitis)は、眼内炎(endophthalmitis)よりも炎症の範囲が広く、角膜・強膜といった眼球の全層に病変が及ぶ概念です。
臨床では「ぶどう膜炎→汎ぶどう膜炎→眼内炎→全眼球炎」という連続性で重症化していくケースがあり、どの段階にいるかで“視機能温存の可能性”と“全身投与の必要性”が変わります。
JVOCのガイドラインでも、汎ぶどう膜炎に網膜・水晶体・硝子体などの炎症が加わると眼内炎、さらに角膜・強膜まで波及すると全眼球炎と整理されており、定義を共有すると紹介時の情報伝達が速くなります。
全眼球炎 犬 原因 外傷 角膜潰瘍 穿孔 感染
原因の大枠は、①穿孔性外傷や角膜潰瘍からの上行性感染、②眼内手術や前房穿刺などの医原性、③全身感染(菌血症など)に伴う血行性播種、④腫瘍や重度ぶどう膜炎の二次的重症化、に整理すると診断がブレにくいです。
とくに穿孔性外傷では汚染が同時に起こり得るため、レビューでも「眼球穿孔では広域の全身抗菌薬投与が強く推奨される」趣旨が述べられており、進行が速い眼内炎/全眼球炎の予防・制御が目的になります。
一見“ただの角膜疾患”に見える症例でも、角膜潰瘍がぶどう膜炎の原因になり得ること、また穿孔が起きると眼内感染へ一気に傾くことがあるため、角膜評価(フルオレセイン)を初手で外さない設計が重要です。
全眼球炎 犬 症状 眼痛 眼圧 充血 前房
犬の重度ぶどう膜炎/眼内炎では、眼痛(眼瞼痙攣、羞明、流涙、眼球陥凹)と、毛様体充血(ciliary flush)を伴う強い発赤が「まず疑う所見」として整理されています。
眼圧はぶどう膜炎では低下しやすい一方で、癒着や瞳孔ブロック、隅角閉塞などが絡むと続発緑内障で上昇に転じ得るため、「低いはず」という先入観が危険です。
前房フレア、前房出血(hyphema)、前房蓄膿(hypopyon)といった前房所見は、血液房水関門破綻の臨床サインとして位置付けられ、重症度評価と治療強度の調整に直結します。
全眼球炎 犬 診断 スリット 超音波 フルオレセイン 検査
診断の基本動線は、①フルオレセイン染色で角膜潰瘍/穿孔の除外、②スリットで前房フレア/セル・角膜後面沈着物などを評価、③眼圧測定、④透光体混濁が強い場合は超音波で眼内構造(網膜剥離、虹彩毛様体肥厚、眼内腫瘍など)を拾う、の順にすると取りこぼしが減ります。
フルオレセインは「反射性ぶどう膜炎(角膜由来)を含めた鑑別のためルーチンで行うべき」こと、そして角膜潰瘍がある場合はステロイド点眼が禁忌になり得ることが、レビューで明確に述べられています。
原因検索としては、身体検査、CBC/生化/尿検査、必要に応じた画像検査や感染症検査を組み合わせ、眼の炎症が“全身疾患の初発所見”になり得る点を前提に組み立てます。
全眼球炎 犬 治療 抗菌薬 散瞳薬 ステロイド 独自視点
治療は「視機能温存」と「疼痛緩和」の2ゴールを分けて考えると整理しやすく、前者が難しい局面でも後者は必ず達成する、という方針が説明の軸になります。
眼痛対策として散瞳薬(代表例:アトロピン)は、毛様体痙攣の緩和と虹彩後癒着の抑制に寄与し得る一方、続発緑内障リスクがある症例では眼圧モニタリングを前提に慎重に使うべき、とされています。
抗炎症治療ではステロイドが重要な選択肢になりますが、感染性が否定できない局面での全身ステロイドは病態悪化のリスクがあり、また角膜潰瘍がある場合のステロイド点眼は創傷治癒遅延などの観点から避けるべき、とガイドライン/レビュー双方の記載と整合します。
感染が疑われる(特に穿孔性外傷)場合は、局所治療だけに寄せず全身投与を含む“後眼部まで届く設計”にし、培養・感受性や房水/硝子体検査を検討しつつ、臨床経過で即応します。
独自視点として強調したいのは、全眼球炎は「眼だけの疾患名」ではなく、現場オペレーション上は“抗菌薬設計・疼痛管理・外科適応判断・飼い主説明(QOL含む)”が同時並行になる多職種課題だという点です。
治療方針(検査の優先順位、薬剤選択、外科の適応)は症例ごとに変動するため、以下は権威性ある一次資料として、用語定義・検査項目・治療薬の注意点を確認する用途に有用です。
ぶどう膜炎の定義/分類(眼内炎・全眼球炎の位置づけ)と、検査/治療薬(ステロイド禁忌や散瞳薬の注意点を含む)が体系的にまとまっています。