先天色覚異常 検査と石原式とパネルD-15

先天色覚異常 検査

先天色覚異常の検査を「目的別」に組み立てる
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スクリーニング

「異常が疑われるか」を短時間で拾い上げます(例:石原色覚検査表)。

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程度判定・型の推定

生活上の支障や配慮の必要度に直結する評価(例:パネルD-15でpass/fail)。

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確定診断・説明

必要時のみ専門機器へ(例:アノマロスコープ)。結果の伝え方・記載が重要です。


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先天色覚異常 検査で石原色覚検査表の位置づけ

 

先天色覚異常の「検査」と言っても、臨床ではまず“拾い上げ(スクリーニング)”と“程度判定・確定診断”を分けて設計すると混乱が減ります。日本眼科医会の資料では、スクリーニングとして色覚検査表を用い、学校では原則として石原色覚検査表Ⅱコンサイス版(14表)を推奨すると整理されています。

一方で、色覚検査表は便利な反面、「全表を正答できる色覚異常者や、誤答する色覚正常者もいる」ため、職業選択などで厳密な判断が必要な場面では“検査表だけでは不十分”になり得ます。

医療従事者向けには、被検者の緊張を下げる説明(「読みにくくても大丈夫」「時間をかけてよい」など)を事前に入れるだけで反応が安定し、結果の再現性が上がりやすい点も実務上のポイントです(色覚はセンシティブなテーマになりやすい)。

  • 目的:異常の有無の“疑い”を短時間で確認する
  • 注意:読めない=即断ではなく、照明・距離・疲労・不安など条件も再点検する
  • 次の一手:疑いが残る・説明が必要→程度判定や専門検査へ

先天色覚異常 検査でパネルD-15テストの程度判定

程度判定を求められる場合、日本眼科医会はパネルD-15テストを挙げ、passが「軽度~中等度」、failが「強度」と明確に示しています。

さらに、failの場合は異常の型(1型、2型)の判別が可能とされ、診断書など“文書に落とす”必要がある場面で実務的価値が高い検査です。

ここで重要なのは、同資料が「色覚検査表での程度判定は避けるべき」と注意している点で、つまり“石原式はスクリーニング、D-15は程度”という役割分担が推奨されています。

  • 使いどころ:学校提出書類、進路・職種相談、生活上の困りごとの整理
  • 解釈:pass=軽度~中等度、fail=強度(大枠の説明に向く)
  • 伝え方:検査名と結果をセットで説明し、誤解(白黒に見える等)を正す

先天色覚異常 検査でアノマロスコープの確定診断

確定診断にはアノマロスコープが必要で、色覚検査表だけでは「異常があるらしい」ことは分かっても確定診断まではできない、というのが日本眼科学会の一般向け解説です。

しかしアノマロスコープは熟練を要し、一般の眼科には備えていないこともあるため、現場では“必要性の見極め”と“紹介の導線”が重要になります。

日本眼科医会の資料でも、本人・保護者が希望すれば検査可能な施設を紹介するとされ、希望・意思を尊重する姿勢が前提として示されています。

  • 適応の例:職業選択上の厳密な要件がある、本人が型の説明を強く希望する
  • 実務:自施設で完結しない前提で、紹介先と説明文言を準備しておく
  • 説明:検査の目的(確定診断)と、日常生活の見えの特徴は別問題になり得ることを分ける

先天色覚異常 検査と学校・健診の扱い(医療者の説明責任)

学校での色覚関連の確認は、あくまで色覚検査表を用いたスクリーニングであり、「先天色覚異常かどうかは眼科を受診して色覚検査を受けなければ分からない」と学校保健の解説で明記されています。

そのため、学校で“疑い”となったケースは、医療側が「確定の場は眼科である」こと、そして“必要に応じて段階的検査を組む”ことを保護者へ丁寧に言語化する必要があります。

また、日本眼科医会の資料は、他児童に知らせることを避ける、色を扱う授業も他児童と同様に行わせる等の配慮を提示しており、医療者が学校へ助言する際の根拠として使えます。

  • 学校→医療の連携:スクリーニング陽性=受診勧奨、確定・程度は眼科で整理
  • 家族への説明:色覚は“能力の優劣”ではなく“感じ方の特性”であることを明確にする
  • 学校への助言:本人の自尊心を傷つけない、過度に問い詰めない等の具体策を共有

先天色覚異常 検査の独自視点:照明・疲労が誤認を増やす場面設計

先天色覚異常の困りごとは「検査室の結果」よりも、「現場の条件」で増幅することがあり、日本眼科医会は色誤認をきたしやすい条件として、暗い環境、対象が小さい、鮮やかさの低い中間色、急いでいるとき、疲れているとき等を挙げています。

この観点を検査説明に入れると、被検者は“自分が怠けて間違う”のではなく、“環境条件で誤りが増える”と理解しやすくなり、医療面接の質が上がります(例:夜間の医療現場、薬剤ラベル、配線色、検査試薬の色変化など)。

さらに、生活の工夫として日本眼科医会は「色以外の情報(手触り・形状など)を与える工夫」や「明るい環境下で急がせない」などを具体例として示しており、医療者が提案できる“明日からの対策”になります。

  • 検査の工夫:照明・距離・説明の統一で再現性を上げる
  • 説明の工夫:誤認は環境要因で増える(暗所・小対象・中間色・疲労・焦り)と伝える
  • 支援の工夫:色以外の手がかり(形・位置・文字・パターン)を併用する設計を提案

検査の推奨と「石原式(スクリーニング)」「パネルD-15(程度)」「アノマロスコープ(確定)」の整理が載っています。

https://www.gankaikai.or.jp/colorvision/colorvision_5.pdf

先天色覚異常の頻度、検査法の位置づけ(検査表だけでは確定不可、程度判定にD-15、確定にアノマロスコープ)がまとまっています。

https://www.nichigan.or.jp/public/disease/name.html?pdid=33

眼科グラフィック 2017年5号(第6巻5号)特集:抗VEGFをいつまで続ける? 糖尿病黄斑浮腫 / OCTA 私の使い方 / 先天色覚異常の日常診療