黄視症 一瞬
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黄視症 一瞬の原因と鑑別
黄視症は「視界が黄色く見える」色覚の変化で、眼(中間透光体・網膜)だけでなく脳の要因も混在し得るため、症状の“場所当て”が最初の勝負になります。
「一瞬」の訴えは、持続性の黄視(例:白内障の黄変)と違い、体位・光環境・点眼や薬剤・自律神経変動など“トリガー”があるケースが多く、問診で再現条件を具体化すると診断の無駄打ちを減らせます。
鑑別の軸は、(1)片眼/両眼、(2)視力低下や暗点の有無、(3)頭痛・麻痺など神経症状の随伴、(4)服薬(特に強心配糖体)で、ここで緊急度も同時に評価します。
黄視症 一瞬で特に拾い上げたい“危険側”の所見は以下です。
・急な視力低下、霧視、羞明(まぶしさ)が強い
参考)http://www.kci.go.kr/kciportal/landing/article.kci?arti_id=ART001382538
・中心暗点(見たい所が抜ける)を伴う
・心電図異常や嘔気・全身倦怠感など、薬剤中毒を示唆する全身症状が同時にある
一方、“比較的軽い可能性”が高いのは、短時間で完全に元に戻り、視力低下や暗点がなく、誘因(睡眠直後・強い眩光・過労など)がはっきりするパターンですが、頻回なら同じく評価対象です。
参考)眠りから起きた時に暫く物が黄色く見えるという訴え:黄視症?
黄視症 一瞬と白内障
白内障では水晶体の混濁や黄変により「黄色っぽく見える」訴えが起こり得ます。
ただし白内障由来の色調変化は、典型的には“じわじわ・持続的”であり、「一瞬だけ黄色い」は説明しづらいことが多いため、白内障があってもそれだけで結論を出さない姿勢が重要です。
臨床では「既に軽度白内障がある」患者に、薬剤性や網膜疾患が上乗せされて“黄視が目立って受診する”流れがあり、眼底所見や視野・色覚など機能評価をセットで見る必要があります。
医療従事者が現場で使える確認ポイント(白内障寄りか?)
・黄視が常時/日内変動は少ない(持続性)
参考)白内障のサイン?「ものが黄色く見える・夜の光がまぶしい」と感…
・夜間の光がまぶしい、ハロー/グレアなど“光の質”の変化が前景に出る
・単眼優位の訴えになりやすい(左右差のある白内障の場合)
「一瞬の黄視」なのに白内障が疑われる状況としては、起床直後の光曝露で主観的に色味が変化する、あるいは疲労・ドライアイ等で見え方が揺れて色の評価が不安定になるなど、黄視“らしい”表現として出ている可能性も想定します。
この場合でも、患者が「黄色い」以外に何を困っているか(視力か、眩しさか、歪みか)を言語化させると診療が前に進みます。
黄視症 一瞬とジギタリス
薬剤性の黄視で古典的に有名なのがジギタリス(ジゴキシン等)で、眼症状として霧視・黄視・羞明・視力低下などが起こり得ます。
日眼会誌の症例報告では、ジギタリス中毒時に高度の視力低下や中心暗点を呈し、血中濃度の低下とともに回復したことが示されており、視機能障害が可逆的になり得る点も重要です。
同報告では、30HzフリッカーERGやphotopic ERGの振幅低下などから、ジギタリス中毒の機序として錐体(cone)優位の視細胞機能不全が示唆され、鑑別に30HzフリッカーERGが有用と述べられています。
さらに見落としやすい点として、血中ジギタリス濃度が正常範囲内でも眼症状が出ることが報告され注意を要すると記載されています。
つまり「中毒域じゃないから目は関係ない」と切り捨てるのが最も危険で、症状が出た時点で処方医への連絡と投与量・相互作用・腎機能・脱水の確認が現実的な第一歩になります。
岐阜大学のコラムでも、ゴッホとジギタリスの逸話として、Na-K ATPase阻害と錐体の機能不全が黄視につながる説明が紹介されており、病態理解の補助線になります。
参考)https://www.semanticscholar.org/paper/6f7bef4f5c41d3ebfd72edcfba7f4340294ddb57
ジギタリス関連で現場が拾うべき“問診テンプレ”
・薬剤名:ジゴキシン/ジギトキシン等の内服があるか
・増量・飲み忘れ・飲み間違い・併用薬追加が直近にあるか
・下痢、脱水、腎機能悪化、透析導入など血中濃度が上がりやすい背景があるか
・眼の訴えと同時に、嘔気、倦怠感、徐脈/不整脈を疑う症状があるか
参考リンク:ジギタリス中毒の黄視・視力低下、ERG所見、血中濃度が治療域でも眼症状が出得る点(総論と症例)
日眼会誌PDF:ジギタリス中毒で可逆性の高度視力低下を来した2例
参考リンク:ゴッホとジギタリス、Na-K ATPase阻害と錐体機能不全という病態の概説(背景理解)
黄視症 一瞬と網膜
黄視症の原因として、中心性漿液性網脈絡膜症や黄斑浮腫などの網膜疾患が挙げられるとされ、色の違和感が“最初のサイン”として表現されることがあります。
網膜由来を疑うときは「変視(ゆがみ)」「中心の見えにくさ」「片眼性」「視野の抜け」など、色そのものより“形と中心視”の異常を一緒に拾うと精度が上がります。
特に薬剤性(ジギタリス)でも中心暗点が出得るため、黄視+暗点は“網膜か薬剤か(あるいは両方)”という発想で同時並行に評価します。
医療従事者向けに、黄視症“一瞬”でも網膜を外しにくいパターン
・片眼で起こる、左右差がはっきりしている
・色の変化に加え、中心が抜ける/霞むなど機能低下がある
・再発を繰り返し、誘因がはっきりしない
ベッドサイドの“すぐできる”工夫として、Amsler格子(簡易でも可)で変視と中心暗点の自覚を確認し、片眼ずつ行うだけでもスクリーニングとして有用です(詳細評価は眼科で)。
「一瞬で戻るから大丈夫」という患者心理が働きやすい症状なので、頻度・持続・視力への影響が少しでも増えるなら受診の優先度が上がる、と説明して受診行動につなげます。
黄視症 一瞬の独自視点
検索上位では「原因列挙」に寄りがちですが、医療従事者の現場では“黄視の表現のズレ”を前提にすることが安全です。
たとえば患者が言う「黄色い」は、実際には(1)白っぽい/眩しい(羞明)、(2)暗くて黄ばんで見える(照明環境)、(3)コントラスト低下(霧視)を一括りにしていることがあり、同じ言葉でも病態が別物になり得ます。
このズレを補正するために、「何が、どの色に、どれくらいの時間、片眼か両眼か、視力は落ちたか、形は歪んだか」をチェックリスト化して聴取すると、短時間でも情報が揃います。
黄視症“一瞬”の聞き取りを強くするチェック項目(独自の実務寄りテンプレ)
・発生状況:起床直後/暗所→明所/屋外/入浴後/運転中など
・片眼/両眼:片眼なら眼の局所、両眼なら薬剤・代謝・脳も視野に
・随伴症状:羞明、霧視、頭痛、嘔気、動悸、不整脈感
・服薬:ジギタリス、利尿薬、降圧薬など脱水・腎機能変化に関わる背景薬
・経過:頻度増加、持続時間延長、視力低下や暗点の新規出現
最後に、医療安全の観点では「黄視が一瞬でも、薬剤性(特にジギタリス)や中心暗点を伴うケースは放置しない」をチーム内の共通言語にしておくと、紹介や連携が速くなります。
