一過性失明と原因と鑑別と検査と対応

一過性失明と原因

一過性失明:現場で最初に押さえる要点
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「一過性=安全」ではない

一過性の視力障害は、頸動脈由来の塞栓など血管イベントのサインになり得るため、回復していても緊急度評価が必要です。

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片眼・両眼、見え方の質が鍵

片眼の「暗くなる」は一過性黒内障(amaurosis fugax)を疑い、両眼の視覚症状やキラキラは片頭痛前兆なども含めて鑑別します。

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巨細胞性動脈炎は別枠で即対応

高齢+頭痛や顎跛行+炎症反応(ESR/CRP)などがあれば失明リスクがあるため、検査と並行して治療判断が必要です。


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一過性失明の原因:一過性黒内障(amaurosis fugax)と頸動脈狭窄

一過性失明の代表像は、突然の片眼性視力低下が数秒〜数分で回復する一過性黒内障(amaurosis fugax)で、頸動脈や心臓などからの塞栓が網膜循環を一時的に障害する機序が重要視されます。

動脈硬化を背景にした内頸動脈の狭窄・プラーク、または血栓が眼動脈系に影響して一時的に視力が失われる、という臨床説明は日本語の解説でも繰り返し述べられています。

また、血行力学的(灌流圧低下)に発作が起こり得る点も症例報告で議論され、塞栓だけに固定して考えない姿勢が安全です。

(参考:一過性黒内障の原因と「頸動脈狭窄・血栓」による発症機序の要点)

一過性黒内障(いっかせいこくないしょう)について解説します

一過性失明の鑑別:片頭痛と閃輝暗点とTIA

一過性の視覚症状には、血管性(TIA/網膜虚血)だけでなく、片頭痛に伴う前兆(オーラ)としての閃輝暗点も含まれます。

閃輝暗点は「キラキラ・ギザギザ」など陽性症状を伴い、時間経過(広がり方、持続が5〜60分など)で手がかりを得る、という整理が日本語の専門医監修記事でも示されています。

一方で、視覚症状が片頭痛様に見えてもTIA等が混在し得るため、「初発」「普段と違う」「急激に増悪」などは赤旗として扱う、という注意喚起も日本語記事で強調されています。

(参考:閃輝暗点の特徴(時間経過・見え方)と危険な鑑別のポイント)

【専門医監修】閃輝暗点とは?|視界がキラキラするときの原因・…

一過性失明の検査:頸動脈エコーと画像と眼底

一過性失明を「網膜虚血の可能性がある神経・眼科救急」と捉えると、頸動脈病変や塞栓源を確認する検査の優先度が上がります。

頸動脈エコーで狭窄やプラーク評価を行う発想は臨床向け解説でも中核として扱われ、症状が軽快していても背景病変の探索が必要とされます。

眼科側では、網膜動脈閉塞症の文脈で「発症前に一過性黒内障を自覚することがある」といった説明もあり、眼底所見・症状の接続を意識すると紹介時の情報量が増やせます。

(参考:網膜動脈閉塞症の前駆としての一過性黒内障の記載)

網膜動脈閉塞症
網膜の血管を大きく分けると、他の体の臓器…

一過性失明の対応:脳梗塞リスクと緊急度判断

一過性黒内障は一過性脳虚血発作(TIA)の一型として位置づけられ、脳卒中リスク評価の対象になる、という整理が総説でも明確に述べられています。

さらに、TIA後の脳卒中リスクは早期(例:最初の約2週間)に高いとされ、医療側の「迅速な評価・介入」の意義が強調されています。

現場運用としては、次のような「赤旗」を満たす場合に救急搬送や当日精査を強く考えます(症状が消えていても同様):片眼の突然の暗転、同側の頸動脈雑音や既知の動脈硬化リスク、神経脱落症状の併存、反復する発作。

  • 片眼性の暗転(カーテンが降りる感じ)+数分で回復:一過性黒内障を最優先で疑う。
  • キラキラ・ギザギザが広がる+頭痛の前後関係:片頭痛前兆(閃輝暗点)も鑑別に入れる。
  • 初発・増悪・神経症状合併:TIA/脳梗塞など重篤疾患の除外を優先する。

一過性失明の独自視点:巨細胞性動脈炎とESRとCRPの「見逃しやすい組み合わせ」

一過性失明を見たとき、もう一つ別枠で危険なのが巨細胞性動脈炎(GCA)で、視力低下や視野障害など眼症状があり得て、失明の危険があると日本語の患者向け医療情報でも明記されています。

GCAは血液検査CRPESR(血沈)の上昇を伴うことが多く、高齢者に好発し、視力の著しい低下や脳卒中を招きうるため高用量ステロイド等を要することがある、という大学病院の解説が参考になります。

意外に現場で落とし穴になりやすいのは、「視覚症状が一過性で戻った」「眼底が派手ではない」「頭痛が軽い」などで安心してしまうパターンで、顎跛行・体重減少・発熱・肩こり(PMR合併)といった問診要素と、ESR/CRPをセットで拾うと見逃しにくくなります。

  • GCAを疑う問診:側頭部痛、顎跛行、発熱、体重減少、近位筋痛(PMR)、一過性の眼症状。
  • 検査の入口:ESR/CRP上昇の確認(高齢+眼症状では特に重要)。
  • 臨床上の注意:失明・TIA/脳梗塞などを発症しやすいので、疑う時点で対応を早める。

(参考:GCAの症状(顎跛行・眼症状)とCRP/ESR、失明リスク、治療の考え方)

https://hosp.juntendo.ac.jp/clinic/department/collagen/concerned/disease/disease14.html