眼球斜位と斜視と斜位の違いと検査とプリズム眼鏡

眼球斜位と斜位

眼球斜位の臨床ポイント(医療従事者向け)
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斜視と斜位の違い

斜位は両眼視を保てる潜在的な眼位ずれで、遮閉でずれが露出するのが特徴です。

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カバーテストでの整理

カバー・アンカバーと交互カバーで「斜視の有無」と「斜位量の概算」を分けて捉えます。

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プリズムで定量

交互カバーテストでプリズム中和し、症状と整合する「臨床的に意味のある量」を評価します。


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眼球斜位と斜視と斜位の違い

斜視は「両眼の視線が一致せず、両目で同時に物を見ることができない状態」で、両眼で使われると複視を生じ得ます。斜位はそれと異なり、神経の緊張(融像など)で目標に視線を合わせて両眼視が可能な一方、片眼遮閉で眼位ずれが表に出る潜在的状態と説明されます。

医療現場で誤解が生じやすいのは、「患者が“普段は見えている”と言う=問題が軽い」と短絡しやすい点で、斜位でも“緊張して見ている”結果として眼精疲労を起こしやすい、という整理が重要です。

鑑別の一歩としては、(1)普段から眼位ずれが見えるか、(2)遮閉でずれが出るか、(3)疲労時・近業時に症状が出るか、の3点を押さえるとスタッフ間の言語化が揃います。

  • 斜視:両眼視が破綻しやすい(複視や抑制の説明が必要)
  • 斜位:遮閉でずれが露出し、疲労・近業で症状が出やすい

眼球斜位とカバーテストと眼位検査

カバーテストは、斜視・斜位など両眼視状態や眼位の種類・程度を簡便に評価でき、カバー・アンカバーと交互カバーを組み合わせて読み解きます。

交互カバーテストは斜位(または斜視)の“ずれの程度”を数量的に測る目的で用いられ、プリズムバー等で眼の動きを中和して定量する、という流れが基本です。

実務上の落とし穴は「調節の変動」で、近見での検査ほど調節介入が眼位に影響しやすい点を前提に、固視の指示を丁寧に行う必要があります。

  • スクリーニング:カバー・アンカバー+交互カバーで“斜位の存在”と方向をまず掴む
  • 定量:交互カバーでプリズム中和し、量(△)として記録する
  • 注意:固視異常(例:偏心固視)があると正確性が落ち得る

眼球斜位とプリズムと複視と眼精疲労

斜位は、ずれが強い場合に「物が二重に見える」ことがあり、常に緊張状態で見ているため眼精疲労を起こしやすいと言われています。

この文脈でのプリズムは、単に“数字を合わせる道具”ではなく、両眼視の負荷(融像負担)を下げて症状を軽くするための光学的介入として位置づけると、患者説明が通りやすくなります。

臨床では「測定された斜位量」と「症状(近業での頭痛・複視・集中困難など)」が一致しないこともあるため、数値だけでなく、症状出現の条件(近見・遠見、時間帯、疲労、乾燥、睡眠不足)をセットで評価するのが安全です。

  • 説明の核:「斜位は“見えている”が“頑張って合わせている”状態」
  • 症状が出やすい場面:長時間の視作業、特に近見(読書・PC)
  • 介入の方向性:プリズムで負荷低減、必要に応じて視機能訓練や屈折の見直し

眼球斜位と両眼視機能と輻輳と開散

両眼視機能の評価では、両眼視・輻輳/開散・調節を含めて整理し、問診と予備検査で方向付けして必要なテストを選ぶ、という考え方が提示されています。

予備検査としてカバーテスト、輻輳近点テスト(NPCテスト)、眼球運動テストなどを組み合わせることで、眼球斜位の背景に「輻輳不全」や「開散不全」などが疑われるかを早期に当たり付けできます。

特にNPCテストは、鼻根から7~8cm以内で分離が見られるのが期待値とされ、これより大きい場合は輻輳機能の問題を疑い、関連検査や介入(視機能訓練やプリズム補正など)を検討する流れになります。

  • NPCテストの目安:鼻根から約7~8cm以内で分離が期待される
  • 斜位評価の軸:遠見/近見で斜位量がどう変わるか、症状がどちらで強いか
  • 次の一手:輻輳・開散の予備力、調節(過剰/不全)の関与を追加評価する

眼球斜位と説明と問診の工夫(独自視点)

眼球斜位は「検査で初めて指摘される」「普段は見えているのに疲れる」という訴えになりやすく、患者が“気のせい扱いされた経験”を持つことがあるため、説明の順序設計が臨床的に効きます。

具体的には、(1)斜位は遮閉でずれが出る“潜在的ずれ”である、(2)両眼視を保つために神経の緊張で合わせている、(3)その結果として近業で症状が増えることがある、という3段階で言語化すると、疾患理解とアドヒアランスが上がりやすい構造になります。

また、検査側の工夫として「どの条件で辛いか」を時間・距離・作業内容で具体化し、近見(読書、PC)で増悪するならNPCや近見斜位の再現性を重視する、といった“症状の再現性に寄せた検査設計”が、数値の解釈を助けます。

  • 問診の聞き方例:夕方に悪化するか/近業で眠気・頭痛・ダブりが出るか
  • 説明の比喩(使い過ぎない):左右のカメラの“自動補正”が常に働いて疲れるイメージ
  • 紹介・連携の目安:複視が強い、急に悪化、神経症状を伴う場合は眼科で精査へ

参考:斜視と斜位の違い(定義・複視・治療の概略)

117.斜視と斜位の違い | 池袋サンシャイン通り眼科診療所
こんにちは。池袋サンシャイン通り眼科診療所です。 乾燥した日々が続きますが皆様、体調に気をつけてお過ごし下さい

参考:カバーテスト、交互カバーテストでのプリズム中和、NPCテスト(期待値7~8cm)

https://me-no-koto.com/03/418/2021/04/%E4%B8%A1%E7%9C%BC%E8%A6%96%E6%A9%9F%E8%83%BD%E6%A4%9C%E6%9F%BB/