眼球偏位 てんかん 発作 症状 診断 鑑別

眼球偏位 てんかん 発作 鑑別 診断

眼球偏位を見たら最初に押さえる要点
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「眼球偏位」だけで断定しない

てんかんでも非てんかんでも起こりうるため、持続時間・反応性・他の神経所見とセットで判断する。

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持続時間と経過が鍵

多くの発作は1〜2分で自然終息し、発作後朦朧が続くことがある。長引く場合は重積や別疾患も疑う。

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診断は「病歴+目撃情報+検査」

目撃者情報(開閉眼、眼球偏位、呼吸、脈拍など)と脳波・画像検査の組み合わせが重要。


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眼球偏位 てんかん 発作 症状(焦点発作・全般発作)

眼球偏位は、焦点起始発作の運動徴候として「頭部および眼球の偏位」が記載されており、発作焦点の対側に向かうことが多い所見です。

焦点意識減損発作では「一点凝視」や自動症に加え、頭部・眼球の偏位が観察され得るため、偏位の方向だけでなく、同時に出る自動症(口部自動症、四肢自動症)や意識の保たれ方をセットで評価します。

全般発作でも眼の所見が出ることがあり、例えば欠神発作では眼瞼のはためきが伴うことがあるなど、眼周囲の運動は発作型の見極めに関与します。

医療従事者向けの観察ポイント(ベッドサイドで再現性が高い順)

✅ 眼球偏位(共同偏視か、眼位固定か、戻り方はどうか)

✅ 開眼/閉眼(観察しやすいが、これ単独では決めない)

✅ 呼吸・SpO2・チアノーゼ、唾液・流涎

✅ 四肢の左右差(強直・間代の非対称、ジストニア肢位)

✅ 発作後朦朧・健忘、頭痛・筋肉痛

眼球偏位 てんかん 診断(病歴・目撃・脳波)

てんかんの診断は、十分な病歴収集と発作の現場を目撃することが最も有用であり、目撃者から「開閉眼、眼球偏位、発声、顔色、呼吸、脈拍」などを具体的に聴取する重要性がガイドラインで明示されています。

非誘発性の初回発作では、脳波(光刺激、過呼吸、睡眠を含む)記録が推奨され、必要に応じて神経画像検査やビデオ脳波同時記録を行う流れが示されています。

また、脳波はてんかん発作の診断に不可欠で、特に焦点意識減損発作や欠神発作重積状態では「最も確定的な検査」となる場合がある一方、脳波が正常でも除外できない点が臨床の落とし穴です。

現場で“上司に説明しやすい”情報の取り方(テンプレ)

📝 目撃情報(時系列)

・開始:体位、誘因(睡眠不足、飲酒、点滅光など)

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/85d93cbd90325ca0cc884d36c97126cfe69ccba5

・発作中:眼球偏位の方向/固定、反応性、四肢運動、呼吸、皮膚色、発声

・終了:自然終息か、介入したか

・発作後:朦朧、見当識、健忘、片麻痺様症状(トッド麻痺の可能性)​

眼球偏位 てんかん 鑑別(失神・脳卒中・心因性非てんかん発作)

成人では、てんかんと紛らわしい病態として失神(神経調節性・心原性)、心因性非てんかん発作、脳卒中(一過性脳虚血発作を含む)などがガイドラインに挙げられており、眼球偏位があっても鑑別は必須です。

失神は「発作後意識変化や疲労、倦怠感を伴うことがない」ことが特徴とされ、発作後朦朧が目立つ場合はてんかん側に傾きます(ただし例外はあるため断定しない)。

さらに、急激な脳全体虚血(不整脈など)は意識消失やミオクローヌスを伴い、てんかん様に見えることがあるため、病歴とバイタル・心電図評価を同時に進める発想が重要です。

鑑別を絞る「一言フレーズ」集(申し送り向け)

・「眼球偏位はあるが、発作後朦朧が短く、体位変換後で失神も疑う」

参考)https://www.semanticscholar.org/paper/853f301bd27b599082431c5142f9aabe46e8cf2a


・「共同偏視+新規の局在神経所見があれば脳卒中も並行評価」​
・「長時間持続、パターンが非典型、発作後錯乱に乏しい場合は非てんかん性も考える」​

眼球偏位 てんかん 初期対応(安全確保・観察)

全般性強直間代発作では、外傷予防(衣服の襟をゆるめ、頭部保護)と、誤嚥予防として側臥位にすることが推奨され、舌を保護しようとして口に物を入れる行為は有害になり得ます。

多くの発作は数分以内に自然終息し緊急薬物治療を要しない一方、5分以上持続する発作や重積が疑われる場合は、呼吸状態のモニタリングと薬物治療を含む対応が必要になります。

眼球偏位を伴う焦点起始発作も両側化して意識消失に至る可能性があるため、転倒・溺水などの危険回避(浴室、階段、運転など)を含む生活指導が重要です。

実務で役立つチェックリスト(看護・救急外来の共通言語)

🚑 直ちにやる

・危険物除去、転倒防止、頭部保護​

・SpO2、呼吸パターン、皮膚色、脈拍の観察

・発作開始時刻と終了時刻の記録(「何分続いたか」は最重要)​

🧪 早期に検討

・新規発作や非典型なら神経画像+血液検査+脳波を計画する​
・失神が疑わしければ心電図・循環評価も並行する​

眼球偏位 てんかん 独自視点(目撃情報の標準化と伝達ミス防止)

ガイドラインは、発作目撃者から得るべき情報として「患者の反応、手足の動き、開閉眼、眼球偏位、呼吸および脈拍」を具体的に列挙しており、ここを落とすと診断精度が下がります。

一方、現場では「偏視っぽい」「目が左を向いてた」など曖昧な言葉で記録され、偏位の“質”(共同偏視か、注視か、戻り方、刺激で変化するか)が伝わらず、鑑別(てんかん vs 脳卒中 vs 失神)に直結する情報が欠落しがちです。

そこで、眼球偏位を見た瞬間に記録すべき最小セットを病棟・外来で統一しておくと、脳波・画像のオーダーや専門科コンサルトの質が上がり、無駄な「診断の揺れ」を減らせます。

おすすめの院内テンプレ(そのまま電子カルテに貼れる形)

📌 眼の所見:開眼/閉眼、眼球偏位(方向・共同性・固定の強さ)、刺激で正中に戻るか

📌 意識:呼名反応、命令動作、見当識

📌 運動:四肢の左右差、強直/間代、ジストニア肢位、自動症

📌 自律神経:呼吸、SpO2、皮膚色、発汗、流涎

📌 経過:開始/終了、発作後朦朧、片麻痺様症状(疑えばトッド麻痺)​

てんかんの定義と鑑別の公式ガイド(問診項目・鑑別疾患の一覧がまとまっている)

日本神経学会 てんかん診療ガイドライン(診断・分類・鑑別)PDF