A型外斜視と診断と治療
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A型外斜視の定義とA-V型外斜視
A型外斜視は、上下方向の視線(上方視・下方視)で外斜視角が変化し、結果として眼位が「上で狭く、下で広い」A字状のパターンを示す病態として理解すると整理しやすいです。
臨床的には「A-V型外斜視」という枠組みで語られることが多く、同じ外斜視でも上下視での偏位差(パターン)が主訴(見た目、複視、頭位異常)と治療戦略を左右します。
A型斜視では、上方視より下方視で10プリズム以上の開散差が目安とされ、V型斜視(下方視より上方視で15Δ以上)と並べて評価すると混同しにくくなります。
A型外斜視の診断と遮閉試験と9方向眼位
外斜視の基本診断として、遮閉試験(カバーテスト)で斜視かどうかを判定することが重要で、乳幼児でも玩具やペンライトを用いて実施できます。
A型外斜視を疑う場合は、正面(第一眼位)だけで済ませず、9方向眼位で上下視の偏位差を実測して「パターン」を数字で残すのが要点です(上方視で軽く、下方視で強くなるのがA型外斜視の特徴)。
また外斜視は遠見で目立つ・体調や疲労で出やすいという一般的特徴があり、検査時の条件(覚醒度、照明、協力)で所見が揺れるため、再現性を意識して評価計画を立てます。
A型外斜視の原因と上斜筋過動と付着位置
A-Vパターンの考え方として、水平直筋(内直筋・外直筋)の付着位置が本来位置から上下にずれると、上下視で水平方向への作用が最大になる方向が変わる、という「力学モデル」が理解の軸になります。
この整理に立つと、A型パターンでは(状況により)内直筋を上方、外直筋を下方へ移動する、という手術設計が理屈としてつながります。
さらにA型斜視では上斜筋過動を伴うことがある、とされており、9方向眼位での斜筋評価を入れることで、水平筋だけの問題か、斜筋手術併用が必要な型かを分けやすくなります。
A型外斜視の治療と視能訓練とプリズム
外斜視の治療選択肢には、視能訓練、プリズム眼鏡、斜視手術があり、偏位量が小さい場合にプリズムや両眼視機能の強化を目的とした視能訓練が検討されます。
一方で偏位量が大きい場合は手術が選択され、外斜視手術では術後に「もどり(再び外斜視が出現)」がしばしば見られるため、時期を含め慎重に検討する必要があります。
症状面では、外斜視が出現すると複視や抑制が関係し、小児では複視の自覚が乏しい一方で両眼視機能が低下し得るため、検査結果を踏まえた説明(生活場面での困りごとの具体化)が治療アドヒアランスを左右します。
A型外斜視の独自視点:顎下げと説明と手術設計
A型外斜視では、上方視のほうが偏位が軽くなるため、患者が無意識に「顎下げ」の代償頭位を取って日常視を安定させる、という整理が説明に有用です(見た目の癖として扱わず、機能的代償として捉える)。
この代償頭位は、問診で「写真で顎が下がって見える」「黒板やモニターを見るときに首が疲れる」など整容・筋骨格の二次的問題として現れることがあり、水平偏位だけを追う診察だと見逃しやすいポイントです。
手術設計の議論では「第一眼位と下方視での眼位矯正を目標にする」という考え方が提示されており、患者の生活視線(読書・階段・デスクワーク・運転)と照らして目標設定を共有すると、術後満足度のズレを減らしやすくなります。
原因(水平筋付着位置・斜筋過動)と手術の考え方がまとまっている解説(A型/V型の原理・手術設計の方向性)。

外斜視の症状・診断(遮閉試験)・治療(視能訓練、プリズム、手術、術後のもどり)を患者説明にも使える形で整理。
https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/strabismus/strabismus2