廃用性外斜視手術と適応原因診断

廃用性外斜視手術

廃用性外斜視手術:医療従事者向け要点
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まず原因疾患を押さえる

感覚性斜視(廃用性斜視)は視力障害が出発点で、原因の治療が第一です。

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適応は「整容」と「生活」

複視が少ない一方、見た目・対人不安・眼精疲労などを丁寧に評価します。

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術後の複視と戻りを説明

両眼視が弱い症例ほど術後複視や再偏位(戻り)を想定した同意が重要です。


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廃用性外斜視手術の定義と原因疾患

廃用性外斜視(感覚性外斜視)は、片眼または両眼の視力不良により両眼視機能が崩れ、視力不良眼が外方へ偏位しやすくなる病態として説明されます。

視力不良が強いほど斜視角が大きくなる傾向が示され、臨床では「いつから視力が落ちたか」「どの疾患が背景か」を先に確定する必要があります。

原因は先天白内障、角膜疾患、網膜疾患、視神経疾患など多岐にわたり、眼底・前眼部評価に加えて必要に応じてMRI等も検討されます。

医療従事者向けの落とし穴として、外斜視そのものに目が向き過ぎて「視力障害の原因精査」が遅れることがあります。

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例えば、甲状腺眼症や眼窩吹き抜け骨折など、斜視の背景に全身・外傷の要素が絡む病態では、まず病態の安定化や原因治療が優先され、斜視手術は症状が持続する場合に適応となる、という整理が重要です。

廃用性(感覚性)斜視は内斜視にも外斜視にもなり得るため、「外斜視=いつも同じメカニズム」と決め打ちせず、発症時期と視機能の履歴から分類を詰めます。

廃用性外斜視手術の適応と経過観察

廃用性外斜視では、視力不良のため複視を訴えないことが多い、という臨床的特徴が強調されています。

そのため、手術の主目的は「整容的な改善」や社会生活上の困りごとの軽減となりやすく、症状が軽ければ経過観察も選択肢になります。

一方で、患者側の主訴は「見た目」だけにとどまらず、視線が合わないことによる対人ストレス、写真・オンライン会議の抵抗感など、生活の質に直結することがあるため、具体的場面を聞き取って適応を決めます(👂聞き取りは医療安全の一部)。

「手術をしない」という方針を選ぶ場合でも、説明の軸は“放置”ではなく「原因疾患の治療が第一」「戻りやすさを踏まえ、必要になった時点で再評価する」という計画に置くと同意形成が進みます。doctork1991+1​

廃用性外斜視は、眼位を整えても弱視・視力不良が残存していると、時間経過で元の眼位へ戻りやすい(再偏位しやすい)点が指摘されています。jstage.jst+1​

この「戻りやすさ」は術後満足度の最大の分岐点になり得るため、術前の期待値調整として、手術のゴールを“両眼視の獲得”ではなく“眼位の整容”に置く説明が安全です。kyo-eye+2​

廃用性外斜視手術の術前検査と説明

感覚性斜視はまず原因疾患を調べることが基本で、前眼部検査・眼底検査など通常の眼科検査に加え、必要に応じてMRI検査も行うとされています。

斜視の種類とずれの程度を調べるための眼位検査を行い、治療方針(経過観察・原因治療・斜視手術)を段階的に組み立てます。

加えて、一般的な外斜視の説明として、術後に複視が出現することがあり、術前検査結果によっては手術自体を見送る場合がある、といったリスク説明の枠組みが臨床現場では重要です。

廃用性外斜視は「複視が少ない」とされる一方で、術後に眼位が変わることで相対的に複視が表面化する可能性をゼロとは言い切れないため、術前に“出た場合の対処”まで共有します(例:プリズム、追加手術検討など)。

参考)外斜視・間歇性外斜視 (よくある目の病気 99) | 京橋ク…

外斜視治療には視能訓練・プリズム眼鏡・斜視手術がある、という大枠を提示し、なぜ廃用性外斜視では手術目的が整容寄りになるのかを説明すると納得が得られやすくなります。jasa-web+1​

説明のコツは、患者が期待しがちな「視力が上がる」「立体視が戻る」といった点を最初に線引きし、代わりに「顔貌・視線・写真写り・対人場面」の改善を具体化することです。doctork1991+1​

廃用性外斜視手術の基本術式と合併症

一般的な斜視手術は、眼球に付着する外眼筋の位置を調整し、筋の働きを弱めたり強めたりしてバランスを整える治療として解説されています。

手技の枠組みとして、筋肉を後方へずらす後転法と、筋を縫い縮めて前方へずらす前転法の二つが主な方法として説明されます。

廃用性外斜視でも、偏位量や既往手術、眼球運動、残存視機能などを踏まえ、これらの基本操作の組み合わせで目標眼位を狙います。

合併症・術後経過として特に強調したいのは、再偏位(戻り)と、症例によっては術後複視が問題化する点です。doctork1991+1​

外斜視は術後に“もどり”が出ることがある、と一般向けにも説明されており、廃用性外斜視のように両眼視機能が弱い症例ではなおさら、長期フォローと追加治療の可能性を最初から同意に含めます。kyo-eye+1​

また、眼位が整っても両眼視ができない場合がある、という点は期待調整の要で、手術の成否を「眼位」「整容」「患者満足」の複数軸で評価する姿勢が医療者側に求められます。

廃用性外斜視手術の独自視点:白内障手術との順序と意思決定

意外に混乱が起きやすいのが「視力低下の原因が治療可能(例:白内障)なのに、先に斜視だけを直すべきか」という順序問題です。

感覚性斜視は原因疾患の治療が一とされるため、可逆性の視力障害が疑われる場合は、まず視機能の改善余地を評価してから眼位手術を考える、という順番が安全です。

一方で、視力が回復しても眼位が自動的に戻らない可能性がある、という趣旨の一般向け解説も見られ、患者説明では「原因治療=眼位が必ず治る、ではない」を明確にします。

ここでの独自視点は、意思決定を「医学的順序」だけでなく「患者の生活イベント」に合わせて最適化することです(例:就職・復職、結婚式、介護場面、運転再開など)。doctork1991+1​

廃用性外斜視は整容目的になりやすいからこそ、手術時期を“医療者の都合”で固定せず、原因治療後の視機能の落ち着きと社会的ニーズの両方で決めると、術後満足度が上がりやすい構造があります。doctork1991+1​

また、術後に戻りやすいという前提があるため、「一回で完璧」を狙うより、段階的治療(原因治療→眼位評価→必要なら手術→必要なら再調整)としてロードマップ化して提示するのが、説明の実務として有効です。kyo-eye+1​

原因疾患・診断の基礎(感覚性斜視=廃用性斜視、原因と検査・治療の優先順位)

特殊型の斜視 | 日本弱視斜視学会

廃用性外斜視の臨床像(複視が少ない、整容目的の手術、戻りやすさ)

https://doctork1991.com/2020/07/10/sensory-exotropia/