水平性眼振 鑑別
<% index %>
水平性眼振 鑑別の中枢性 末梢性の基本
水平性眼振を見た瞬間に「末梢前庭だろう」と結論づけるのは危険で、定方向性水平性眼振は中枢性・末梢性いずれでも生じ得ます。
そのため鑑別の出発点は、眼振の“向き”だけでなく「注視で変化するか」「頭位で変化するか」「疲労(減衰)するか」「めまい感の強さと眼振の釣り合い」など、再現性のある特徴を束ねて評価することです。
臨床現場では、脳卒中などの“危険なめまい”をまず除外する姿勢が重要で、中枢性が疑われる場合は可及的速やかに画像検査(CT/MRI)を計画します。
水平性眼振 鑑別の注視眼振 検査
注視眼振検査は外来・救急の最初のスクリーニングとして位置づけやすく、正面と上下左右約30°注視で眼振の有無を観察します。
注視方向性眼振は脳幹・小脳障害など中枢性を示唆し得る所見で、神経積分器(neural integrator)の障害で起こるという病態整理が臨床判断の背骨になります。
また、注視眼振検査で垂直性眼振や純回旋性眼振が出る場合は中枢性の所見として扱い、水平性眼振しか見えない状況でも“混ざっていないか”を丁寧に拾うのがコツです。
参考:危ないめまいの鑑別で、注視方向性眼振・垂直性眼振・純回旋性眼振など「中枢性を疑う所見」と検査の組み立てがまとまっています。
水平性眼振 鑑別の頭位眼振 方向交代性
頭位眼振・頭位変換眼振検査は、眼振の有無に加えて「潜時」「疲労現象」「眼振にめまい感を伴うか」まで観察し、パターン認識で鑑別精度を上げます。
方向交代性眼振は“中枢に多い”と教わりがちですが、現在は末梢前庭障害(水平半規管型BPPVなど)でみられることも多く、方向交代性があるだけで即・中枢とは言い切れません。
一方で、中枢性頭位眼振の特徴として、末梢性のような頻度・強度の増強減弱がはっきりせず、不規則に持続する、めまい感が末梢性ほど強くないのに嘔気を強く訴える、といった“釣り合いの悪さ”が手掛かりになります。
水平性眼振 鑑別の頭位変換 Dix-Hallpike 水平半規管
病歴からBPPVが疑わしい場合、Dix-Hallpike法を用いた頭位変換眼振検査で眼振の有無を確認し、後半規管型では回旋性(+上眼瞼向き)といった典型像を押さえておくと、水平性眼振との切り分けが速くなります。
水平半規管型BPPVでは、頭位眼振検査で方向交代性下行性眼振(カナル型)や方向交代性上行性眼振(クプラ型)が手掛かりとなり、同じ「方向交代性」でも病態が違う点が実務上重要です。
ただし方向交代性上行性眼振は小脳障害でもみられることがあるため、眼振パターンだけで確定せず、神経所見や追加の眼球運動検査を必ず重ねます。
参考:方向交代性(下行性/上行性)と水平半規管型BPPVの考え方、注意点が外来目線で整理されています。
水平性眼振 鑑別の独自視点 眼振と嘔気の不一致
検索上位の多くは「中枢か末梢か」を眼振の型から整理しますが、臨床で意外に効くのは“患者の自覚(嘔気・不安・体動困難)と、観察できる眼振の強さが一致しているか”という観点です。
例えば、明瞭な眼振が観察されないのに頭位変化で嘔気を強く訴える、あるいは不規則な水平性眼振や斜行性眼振が持続して見える、といった場合は中枢性頭位めまい症を疑うべき状況として説明されています。
この“釣り合い評価”は、眼振が弱く見える(照明・固視抑制・観察条件)ケースの見逃しを減らすためにも有用で、フレンツェル眼鏡やCCDで条件を整えた再観察とセットで運用すると安定します。