棘髄性黒内障と診断治療
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棘髄性黒内障の定義と一過性黒内障
棘髄性黒内障という語は一般臨床の標準用語として定義が確立しているとは言いにくく、現場では「黒内障(amaurosis fugax)」の一型として機序(塞栓・低灌流・血管攣縮など)を具体化して扱う方が安全です。
一過性黒内障は「片眼が急に真っ暗になる」「霧がかかる」などの視覚症状が短時間で回復し、頸動脈狭窄や血栓が背景にあることが多いと説明されています。
医療従事者向けには、まず“片眼か両眼か”“持続か回復か”“神経症状(構音障害、失調、複視など)の同時出現があるか”で、眼動脈系(内頸動脈系)と後方循環(椎骨脳底動脈系)を切り分けるのが実務的です。
棘髄性黒内障と椎骨脳底動脈循環不全
椎骨脳底動脈循環不全では、ぐるぐる回るめまいだけでなく「目の前が暗くなる」「気が遠くなる」「複視」「構音障害」など多彩な症状が出うるため、視覚症状のみで黒内障と即断しないことが重要です。
頸椎の変形や首の動きで椎骨動脈が圧迫され、後方循環の血流障害からめまいが生じるという説明もあり、誘因(頸部回旋・伸展)を問診で必ず確認します。
「黒内障=頸動脈」と固定すると、後方循環のTIA/梗塞に近い症候群を見逃す可能性があるため、視覚症状に伴う随伴症状の有無をチェックリスト化すると実装しやすいです。
棘髄性黒内障の画像検査とMRA
黒内障が疑われたら、原因として頻度が高い頸動脈病変を評価する目的で、MRI/MRAや頸動脈エコーなどが用いられると解説されています。
頚部MRAは血管を3次元的に描出して狭窄やプラークの有無など全体像を捉える検査として紹介されており、病変の位置・範囲を素早く把握するのに向きます。
一方でエコーはIMT、プラーク、血流速度など“動的情報”を得やすいので、MRAで形を見て、エコーで血流と壁性状を詰める、と役割分担を意識すると検査オーダーが整理できます。
(頸動脈狭窄・プラーク評価、MRAと頸動脈エコーの違いがまとまっている参考)

棘髄性黒内障の治療と抗血小板
主幹動脈狭窄がある場合、ずり応力で血小板が活性化し「血小板血栓」の予防に抗血小板薬が適している、という整理は再発予防の考え方として臨床で使いやすいです。
また国内研究として、ハイリスク非心原性脳梗塞でアスピリンまたはクロピドグレルにシロスタゾールを長期併用すると、単剤に比べて脳梗塞再発が抑制されたとする情報が国立循環器病研究センターから発信されています。
黒内障がTIA相当(“脳梗塞の警告症状”)として扱われうる点を踏まえると、眼科・脳神経・循環器での分業に任せきりにせず、一次対応の段階から危険因子(高血圧、糖尿病、脂質異常など)と血栓機序の評価を前提に治療導線を作ることが現実的です。
(TIA/脳梗塞再発予防としての抗血小板薬の考え方が整理されている参考)

棘髄性黒内障の独自視点:首と血流
臨床の盲点として、「視覚が暗い=眼の問題」と患者自身が解釈し、首の動きや姿勢との関連を申告しないケースがあるため、発作直前の頸部回旋・伸展(例:車庫入れで後方確認、天井作業)を具体例で聞き出すと情報が取れます。
首の位置で決まってクラッとするめまいがある場合に椎骨脳底動脈循環不全が疑われる、という説明があるため、視覚症状の相談でも“首で誘発される失神前駆・めまい・視覚異常”のセットは拾う価値があります。
「棘髄性」という語感から整形外科的な棘突起・頸椎変性を連想しやすい一方、実装すべきは“誘因(首)→血管(椎骨動脈/頸動脈)→症状(視覚+神経)”の因果を問診で再現することで、検査や紹介の優先順位が明確になります。