動眼神経萎縮 動眼神経麻痺
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動眼神経萎縮の定義 動眼神経麻痺
医療現場で「動眼神経萎縮」という表現が出てくる場面は、実際には「動眼神経麻痺」や、その結果としての支配筋(外眼筋など)のボリューム低下(萎縮)を指していることが多く、用語がやや混在しやすい点が注意点です。
動眼神経(第3脳神経)は、上直筋・下直筋・内直筋・下斜筋の4外眼筋に加え、上眼瞼挙筋、さらに瞳孔括約筋などを支配するため、障害すると「眼球運動障害」「眼瞼下垂」「瞳孔異常」がセットで問題になります。
したがって本稿では、「動眼神経萎縮」という狙いワードを扱いつつ、臨床的に遭遇頻度が高い“動眼神経麻痺の診療フレーム”として整理し、急性期の危険サインと慢性期の機能予後(支配筋の二次的変化を含む)まで一続きで理解できるようにします。
動眼神経萎縮の症状 複視 眼瞼下垂 瞳孔散大
後天性の動眼神経麻痺では、突然の複視が主症状になりやすく、内転・上転などの眼球運動障害、眼瞼下垂、瞳孔散大(散瞳)などが障害部位により組み合わさって出現します。
救急外来や当直帯で特に重要なのは「眼瞼下垂+眼球運動障害」に、瞳孔異常(散大、対光反射低下)が乗っているかを短時間で評価することで、これが原因検索の優先順位を大きく変えます。
病歴では“急性発症かどうか”“頭痛や眼窩痛があるか”“複視がいつ・どの視線方向で強いか”を確認し、麻痺筋が作用する方向で複視が増悪するために頭位異常が出る、という麻痺性斜視の特徴も見逃さないようにします。
動眼神経萎縮の原因 脳動脈瘤 糖尿病 高血圧
急性に発生した動眼神経麻痺は、内頸動脈・後交通動脈分岐部の動脈瘤が原因であることが多く、生死に直結し得るため注意が必要です。
一方、瞳孔に異常がない(いわゆる瞳孔温存)場合は、糖尿病や高血圧などによる虚血性(微小血管障害)が原因として多いとされ、同じ「動眼神経麻痺」でも初動が変わります。
その他にも、脳梗塞、脱髄疾患、脳腫瘍、海綿静脈洞の炎症などが原因として挙げられており、“単純に糖尿病だから経過観察”と短絡しない姿勢が安全です。
動眼神経萎縮の診断 画像検査 CT MRI
複視・眼球運動障害・眼瞼下垂・瞳孔散大など特徴的な症状がそろった場合、原因を早急に調べる必要があり、とくに動脈瘤が疑われる場合は緊急でCT、MRI、脳血管撮影などを行う必要があります。
診察の実務では、9方向眼位などで運動制限を確認し、瞳孔の大きさ・対光反射、眼瞼下垂の程度をセットで記録して、翌日以降の変化(進行・改善)も追える形にします。
また、瞳孔に異常がなく、複視や眼瞼下垂に日内変動がある場合には重症筋無力症との鑑別が必要とされ、神経眼科的には“神経原性だけでなく神経筋接合部”まで視野に入れるのが要点です。
動眼神経萎縮の独自視点 眼瞼下垂と重症筋無力症
現場で起こりやすい落とし穴は、「瞳孔が正常=危険が低い」と思い込んでしまうことよりも、「眼瞼下垂=眼瞼下垂症(加齢性)」「複視=疲れ目」のように、症状を“よくある病名”に回収してしまうことです。
動眼神経麻痺の鑑別では、日内変動を伴う眼瞼下垂・複視があれば重症筋無力症が重要な鑑別に入る、と明示されており、問診だけでも鑑別の精度が上がります(「夕方に悪化」「休むと改善」「数日単位で揺れる」など)。
さらに「動眼神経“萎縮”」という言葉が独り歩きしているケースでは、画像で神経そのものの形態変化を追うより、外眼筋の萎縮や眼位の固定化など“機能低下の固定化”が問題になりやすく、急性期は原因除外、亜急性〜慢性期は視機能と生活障害(複視)の最小化へ戦略を切り替える、という二段構えが実用的です。
動眼神経麻痺の原因・診断・治療のまとまった解説(原因、症状、緊急画像検査の必要性、重症筋無力症の鑑別)
散瞳のある動眼神経麻痺で脳動脈瘤を疑う臨床ポイント(散瞳と動脈瘤の関連、注意喚起)
京都府立医科大学 眼科(京府医大眼科)「動眼神経麻痺・滑車神経麻痺・外転神経麻痺」
動眼神経麻痺の原因と検査の概説(MRI/CT等の画像検査、炎症性・感染性など原因の整理)