硝子体脱出 原因と後嚢破損と白内障手術

硝子体脱出 原因

硝子体脱出 原因:術中リスクと初動の全体像
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最頻ルートは後嚢破損

後嚢が破綻すると前房と硝子体腔が交通し、硝子体が前方へ移動しやすくなります。術者の操作だけでなく、眼内圧の急変が引き金になります。

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「すぐ抜かない」が基本

後嚢破損に気づいた直後にハンドピースを抜くと前房が虚脱し、硝子体脱出が増悪しやすいので、粘弾性物質で前房を保ってから次操作へ移ります。

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可視化と切除と牽引回避

残存硝子体は可視化が有用で、絡んだ硝子体はA-vitカッターで安全域を意識しながら処理します。牽引を作らないことが網膜合併症の抑制につながります。


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硝子体脱出 原因としての後嚢破損と前房虚脱

 

硝子体脱出の最重要原因は、白内障手術中の後嚢破損により「前房」と「硝子体腔」の隔壁が失われ、硝子体が前方に移動できる状況が生まれることです。

特に「後嚢破損に気づいた瞬間にハンドピースをすぐ抜く」行為は、前房が虚脱して硝子体脱出を招き、結果として後嚢破損をさらに広げる、という典型的な悪循環を作ります。

したがって初動は、粘弾性物質(Visco)で前房を置換して眼圧を作り、硝子体を押さえてからハンドピースを抜く、という順序が基本になります。

後嚢が薄い膜で揺れやすいこと、そして吸引・灌流のバランスが崩れると後嚢が吸引側に寄って損傷しうることは、機械的な「眼内圧変動」が後嚢破損の誘因になり得る点を示します。

眼内圧の安定化が術中トラブル(後嚢破損→硝子体脱出など)を抑える方向に働く、という考え方は、臨床現場での機器選択や設定の議論とも整合します。

参考:白内障手術で術中の圧変動と後嚢破損→硝子体脱出の関係、ハイリスク因子の考え方

ひとみ眼科の白内障手術の術中合併症を減らす取り組み|
白内障手術では、加齢などにより濁って固くなった水晶体を取り除き、人工のレンズへの交換を行います。 水晶体を取り除く方法 現在では主に、超音波乳化吸引術という方法が使われています。 この、超音波乳化吸引術という方法は、超音波を使って、濁った水

硝子体脱出 原因を増悪させる眼内圧変動と吸引(設定・操作)

硝子体脱出は「後嚢破損が起点」でも、その後の眼内圧変動や不用意な吸引で“増悪”しやすいのが臨床的に厄介な点です。

破嚢直後にチップを抜くと前房が虚脱して硝子体が出てくるため、まずViscoで眼圧を作り硝子体を押さえる、という手順が強調されています。

このときボトルを下げる(過剰な灌流圧・圧変動を避ける意図)といった、細かな「圧の扱い」が具体的に言及されています。

また、後嚢破損が起きた局面では「硝子体を吸わない」「灌流・吸引を最小限に」「硝子体をイメージして取り扱う」といった“牽引を作らない”行動指針が並列で提示されており、原因(圧変動)と増悪因子(牽引・吸引)の両面を分けて管理する発想が重要です。

臨床では、同じ後嚢破損でも、圧・吸引の扱い次第で硝子体脱出量や硝子体嵌頓の程度が変わり、後工程(IOL固定法の選択や術後合併症リスク)へ波及します。

硝子体脱出 原因の危険因子:チン小帯断裂・核硬度・ハイリスク白内障

硝子体脱出の原因を“イベント”として捉えると後嚢破損が中心ですが、背景の危険因子として、核が非常に硬い症例や水晶体支持組織(チン小帯)の脆弱性などが挙げられ、ハイリスク白内障では術中合併症が増えうると説明されています。

チン小帯が弱いと水晶体嚢・水晶体位置が不安定になり、手術操作が難しくなって後嚢破損や関連トラブルのリスク評価が重要になります。

その対策として、水晶体嚢拡張リング(CTR)などの補助器具や高分子粘弾性物質を用いて袋を支持し、破嚢を防ぐ考え方が述べられています。

ここで押さえたいのは、「硝子体脱出=硝子体の問題」ではなく、実務上は“支持組織・嚢の安定性の破綻”が入口になりやすい点です。

術前評価でチン小帯脆弱性が疑われる場合、術式(分割法、核処理の計画)、粘弾性物質の選択、CTR準備、万一の破嚢時の手順整理まで含めて、原因の芽を潰す設計が安全性に直結します。

硝子体脱出 原因を見落とさない:可視化とA-vitカッターの使い分け

硝子体脱出が起きた(または疑わしい)場面では、残存硝子体を「イメージする/可視化する」ことがポイントとして明確に挙げられています。

可視化の具体策として、マキュエイド®(わかもと)を希釈してサイドポートから切開創に向けて注入する、眼外から切開創にかけて使うのも有効、という手順が提示されています。

硝子体が絡んだ場合はA-vitカッターを使用し、皮質吸引(吸引モード)と硝子体処理(カッターモード)を使い分ける、という“モードの切替え”が事故回避の要点になります。

意外に盲点になりやすいのは、「硝子体処理でカッターを駆動させないと網膜に牽引がかかる」という逆説的な注意点です。

つまり、硝子体が存在するのに“切らずに吸う/引く”ほど牽引が増え、網膜側イベントのリスクを上げうるため、原因(硝子体脱出)に対して適切な道具と動作原理で対応する必要があります。

参考:破嚢時に「すぐ抜かない」「粘弾性物質で前房置換」「残存硝子体の可視化」「A-vitカッターの要点」など、前眼部術者向けの実践的チェックポイント

https://www.congre.co.jp/jscrs2015/dl/syllabus_ic6.pdf

硝子体脱出 原因の独自視点:術者の初動メンタルと「順番」エラー

検索上位の解説は「後嚢破損→硝子体脱出」の機械的説明が中心になりがちですが、実際の現場で再現性高く起こるのは“順番エラー”です。

破嚢に気づいた瞬間、焦ってハンドピースを抜く(前房虚脱→硝子体脱出)/核が残っているのに先に硝子体切除してしまう(空間ができ核片が落ちる)など、「次に何をするか」の判断ミスが、原因を一段悪化させる典型例として挙げられています。

このため、チーム医療の観点では、術者だけでなく器械出し・外回りが“合図”で同じ優先順位を共有しておく(例:Visco準備、ボトル調整、可視化薬剤やA-vitの準備)ことが、硝子体脱出を「起こさない/増やさない」ための実装になります。

また、術後のIOL挿入段階でも硝子体の存在や振る舞い、特に後房圧上昇に注意する、と明記されており、「硝子体脱出の原因=破嚢」だけで思考停止しないことが安全管理の要点です。

破嚢が起きても、順番を守り、圧を崩さず、牽引を作らず、可視化して必要最小限に切除する、という一連の“型”が守られるほど、合併症連鎖の確率を下げられます。



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