網膜高血圧眼底と眼底所見
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網膜高血圧眼底のScheie分類とKeith-Wagener分類の要点
医療現場で「網膜高血圧眼底」という言い方をする場合、実態としては“高血圧に伴う網膜血管変化〜網膜症所見まで”を含めて扱うことが多く、記載はScheie分類(S:硬化性、H:高血圧性)やKeith-Wagener分類(慶大変法を含む)で整理されてきました。
Scheie分類は、高血圧性変化(H)と動脈硬化性変化(S)を分けて重症度を評価できる点が実務的で、健診の判定表にも具体的な所見がまとまっています。
一方でKeith-Wagener(慶大変法)は、眼底所見を全身リスク(死亡リスク等)の評価に結び付けて使われてきた経緯があり、同じ「軽度」に見えても心血管イベントのリスクが上がりうる、という注意点が指摘されています。
ここで重要なのは、分類そのものを暗記することよりも、「どの所見が“今すぐの対応”を要するか」を共通言語として揃えることです。jstage.jst+1
例えば健診判定マニュアルでは、従来分類(Scheie、Keith-Wagener)に加えて、循環器疾患リスクと対応させたWong-Mitchell分類の考え方も紹介され、現代のエビデンスに沿った位置づけが説明されています。jstage.jst+1
・参考リンク(眼底健診の分類、判定区分、Wong-Mitchell分類との対応がまとまっています)
網膜高血圧眼底の眼底検査でみる狭細と動静脈交叉現象
網膜高血圧眼底でまず拾われやすいのは、網膜細動脈の「びまん性狭細」や「局所狭細化・口径不同」、そして動静脈交叉現象、反射亢進(銅線動脈を含む)といった“血管壁・血管径”の変化です。
これらはWong-Mitchell分類では「軽度」に相当し、脳卒中・冠動脈疾患・循環器死亡の危険上昇(オッズ比1〜2)と関連する、と健診判定マニュアル内で整理されています。
臨床では「交叉現象がある=すぐ重症」と短絡しがちですが、健診の文脈では軽度所見として扱われる場面もあり、年齢や他の動脈硬化リスクを踏まえた選定が求められる、と明記されています。jstage.jst+1
逆に言えば、所見が軽度でも「血圧が高くないから関係ない」と切り捨てないことがポイントで、正常高値血圧でも網膜血管病変がある場合の扱いについて注意喚起があります。jstage.jst+1
実務のコツとしては、眼底写真の読影・所見記載を「血管(狭細/交叉/反射)」と「網膜症(出血/白斑/浮腫/乳頭)」の二段階で分けると、紹介判断や説明がブレにくくなります。
参考)302 Found
また、施設内で判定がばらつくと経過観察の一貫性が崩れるため、複数判定者での基準確認や精度管理の重要性が健診判定マニュアルでも強調されています。
参考)302 Found
網膜高血圧眼底の網膜出血と綿花状白斑と乳頭浮腫
網膜出血(斑状・点状・火炎状)、綿花状白斑、硬性白斑、網膜浮腫などの“網膜症所見”が加わると、Wong-Mitchell分類では「中等度」とされ、脳卒中・認知低下・循環器死亡の危険が高い(オッズ比2以上)と整理されています。
さらに、網膜症所見に加えて乳頭浮腫がある場合は「重度」とされ、循環器死亡の危険が高い、と明示されています。
Keith-Wagener(慶大変法)でも、III群は網膜浮腫・綿花状白斑・出血を含み、IV群はそれに乳頭浮腫が加わると定義されており、健診判定ではD2(要精査)相当として扱われています。jstage.jst+1
この「乳頭浮腫」は眼科領域の緊急疾患(頭蓋内圧亢進など)とも鑑別が必要になり得るため、単なる高血圧所見として流さず、症状(頭痛、視覚異常)と合わせて連携を急ぐ判断材料になります。jstage.jst+1
意外と見落とされやすいのは、患者が自覚症状を訴えないケースがある点です。
実際に、悪性高血圧症化で緊急入院した症例提示では、本人が見え方の異常を自覚しない一方、眼底では出血・軟性白斑に加えて乳頭の出血と浮腫が確認され、高血圧性網膜症と診断されています。
この領域は“眼の問題”で終わらず、むしろ全身リスクのシグナルとして価値が高い、というメッセージが専門記事でも強調されています。
眼底所見の説明では、患者向けには「目の血管が傷んでいる=脳や心臓の血管にも同様の負担がかかっている可能性」と翻訳して伝えると、受診行動(内科受診、治療継続)につながりやすくなります。jstage.jst+1
網膜高血圧眼底とWong-Mitchell分類と循環器リスク
従来のScheie分類やKeith-Wagener分類は長く使われてきた一方で、軽症所見のエビデンスが十分でないという批判があったことが、健診判定マニュアルで率直に述べられています。
その流れの中でWong-Mitchell分類は、眼底所見の程度を循環器疾患発症リスクと対応させた分類として紹介され、今後は根拠に基づいた分類を用いる必要がある、と方向性が示されています。
臨床運用で特に効いてくるのが、「高値血圧(130-139/80-89mmHg)でも、高血圧性網膜症があれば心血管病リスクが高く、生活習慣の修正に加えて直ちに降圧治療を考慮すべき」という記載です。jstage.jst+1
これは“血圧値だけ”を追う管理から、“臓器障害のサイン(眼底)で層別化する管理”へ発想を切り替える材料になり、健診→内科連携の説明根拠として使いやすいポイントです。jstage.jst+1
また、健診判定マニュアルでは眼底検査の意義として、循環器検診の一環としての役割だけでなく、緑内障・糖尿病網膜症・加齢黄斑変性など失明リスク疾患の早期発見にも触れており、眼底写真の費用対効果にも言及しています。
医療従事者向けのブログ記事では、「高血圧眼底=眼科紹介」だけでなく、「循環器リスク層別化の材料」という観点を前面に出すと、院内連携の動線(健診部門→内科→眼科)が説明しやすくなります。jstage.jst+1
網膜高血圧眼底の独自視点:無散瞳眼底写真の限界と両眼撮影
検索上位の解説では“所見の説明”が中心になりがちですが、現場の落とし穴は「写真の撮れ方・撮り方」で診断精度が大きく変わる点です。
健診判定マニュアルでは、画角45度以上で乳頭と黄斑中心窩を結ぶ線の中心を撮影し、4象限で血管所見評価ができるようにする、と撮影範囲の推奨が具体的に書かれています。
さらに見落としやすい実務ポイントとして、「両眼撮影の重要性」が明記され、片眼のみだと眼科疾患の多くを見逃す可能性がある、とされています。
無散瞳眼底カメラ撮影では、暗室・暗幕などで瞳孔が開くのを待つ工夫や、撮影画像が不鮮明ならその場で再撮影することが望ましい、と運用面まで踏み込んで述べられています。
このあたりは、医師だけでなく看護師・検査技師・健診スタッフが関わる工程なので、ブログ記事で共有しておくと施設全体の精度管理に直結します。
網膜高血圧眼底の議論を「分類」だけで終わらせず、撮影条件(暗さ、瞳孔、ピント、範囲、両眼)まで含めて“再現性”を語れると、同じテーマでも一段深い記事になります。