網膜欠損と網膜裂孔と網膜剥離
<% index %>
網膜欠損の定義と網膜裂孔の違いを臨床で言い換える
医療現場で「網膜欠損」という語が出たとき、まず重要なのは“どの層・どの病態の欠損”を指しているかを言語化し直すことです。たとえば患者さんが健診結果を見て「欠損」と言う場合、医師側の想定(裂孔・剥離)と、健診側の所見(神経線維層欠損など)がズレていることがあります。ズレを放置すると、緊急性が必要以上に高く(または低く)伝わり、受診行動に影響します。
一方、「網膜裂孔」は、網膜の一部が引っ張られて裂けたり、薄くなって孔が開いた状態と説明され、網膜剥離へ進行し得るため直ちに治療が必要とされています。さらに網膜には痛覚がなく、裂孔だけでは自覚症状が乏しいことも多い点が、説明の難しさにつながります。臨床では「欠損=今すぐ失明」ではなく、「欠損の種類で緊急度が変わる」ことを、患者・紹介元の両方に合わせた言い回しに変換するのが実務的です。
用語整理のコツ(現場向け)
- 「欠損」は所見名の可能性が高いので、検査名(眼底検査、OCT、視野検査)まで確認する。
- 「裂孔」「円孔」「剥離」は“治療選択が直結”する語なので、位置(周辺/黄斑)、症状、発症時期をセットで聴取する。
- 「痛みがない」ことを先に伝え、症状の乏しさ=軽症ではない点を補足する(安心の誤解を防ぐ)。
網膜欠損の症状として飛蚊症と光視症と視野欠損を見落とさない
網膜裂孔では、裂孔部に血管が走っていると切れて軽度出血を生じ、飛蚊症として自覚されることがあると説明されています。また、前駆症状として光視症を自覚することもある一方、裂孔単独では症状がほとんどない場合もあり、剥離へ進行して初めて気付く例も多いとされています。ここがトリアージの難所で、医療従事者向けの発信では「飛蚊症=加齢でよくある」で終わらせない構造が求められます。
網膜剥離側では、飛蚊症・光視症が前駆症状になり得て、進行すると視野欠損(カーテン様)や視力低下が起こり、痛みはないと整理されています。つまり、痛みがないまま“視野の欠け”まで進むのがこの領域の特徴であり、「症状の軽さ」ではなく「症状の質と増え方」で判断する必要があります。
臨床で役立つ問診の切り口(例)
- 飛蚊症:数が増えたか/突然か/片眼か両眼か。
- 光視症:暗所で増えるか/眼球運動で誘発される感覚があるか。
- 視野欠損:カーテン様か、欠けが固定か、時間で広がるか。
- 既往:近視の程度、外傷、過去の後部硝子体剥離の指摘など(裂孔・剥離の背景になり得る)。
網膜欠損の原因として後部硝子体剥離と近視と外傷を整理する
網膜裂孔の原因として多いのは加齢変化で、中高年では後部硝子体剥離が起こり得ること、その際に網膜が薄くなっている部位や硝子体の癒着があると牽引で網膜が破れる、という説明がされています。さらに中等度以上の近視では変性が起こっている人が多く、目の良い人より網膜裂孔・剥離の頻度が高いとされます。ここは医療者向け記事で差がつくポイントで、単に「加齢」だけでなく、「近視×牽引×変性」という機序で理解させると、患者説明が短く正確になります。
外傷も重要で、目を直接ぶつけたり、頭に強い衝撃が加わったときに硝子体が揺さぶられ、網膜へ力が伝わって裂けることがあるとされています。スポーツ外傷(ボール直撃など)は救急外来・一般外来でも遭遇し、眼症状が軽くても眼底評価が必要になるケースがあるため、現場の導線(散瞳可否、緊急紹介の基準)まで含めて発信すると実務に直結します。
“意外に説明が効く”患者向け比喩(ただし医療者が調整して使う)
- 日本眼科学会の解説では、セロテープを剥がすと下の紙が破れるように網膜が裂ける、という比喩が提示されており、牽引の理解に有用です(説明時間を短縮しやすい)。
網膜欠損の検査として散瞳眼底検査と超音波検査と注意点
網膜裂孔は、散瞳して眼底検査を行うことで有無を確認できるとされています。網膜剥離でも、散瞳下の眼底検査に加え、必要に応じて超音波検査などを行うと説明されています。つまり「欠損」「裂孔」「剥離」の鑑別は、基本的に眼底を見ないと始まらないため、医療従事者向けには“散瞳できる体制・説明・同意”が現場課題として浮かびます。
検査の注意点として現場で共有しておきたいのは、症状が強いほど患者が不安で、検査説明が粗くなりやすい点です。散瞳後の運転不可、眩しさ、見えにくさなどを事前に短く伝えるだけで、検査中断やクレームを減らせます。剥離が疑われる時点で「緊急に眼科医の診察が必要」という整理を院内で共通化しておくことも、紹介・連携の質を上げます(実際、網膜剥離は中心視力が脅かされる急性例では緊急治療を要する、と専門向け情報でも述べられています)。
網膜欠損の治療としてレーザー光凝固と手術と術後指導(独自視点)
網膜裂孔ではレーザーによる網膜光凝固術で網膜剥離への進行を抑える一方、進行の方が早い場合もあり得ること、そしてレーザー照射後に凝固が固まるまで1週間〜10日かかると説明されています。その間に牽引がかかったり新たな裂孔が生じると網膜剥離に進行し得るため、車の運転やスポーツを控える、頭や体に振動を与えないなどの生活指導が必要とされています。ここは“治療そのもの”よりも“治療が効くまでの時間差”がリスクになる、という点で、忙しい現場ほど抜けやすいポイントです。
網膜剥離については、裂孔・円孔だけならレーザーや冷凍凝固で進行抑制できることがある一方、剥離が発生している場合は多くが手術を要し、放置すると失明の可能性が高いと説明されています。手術は大きく2系統(眼外からの方法=バックリング等、眼内からの硝子体手術)に分けて説明され、いずれも必要に応じて眼内に空気やガス、場合によりシリコーンオイルを入れ、術後にうつぶせ等の体位制限を伴うことがあるとされています。医療者向けには、この“体位制限”が患者の就労・介護・睡眠に直撃し、アドヒアランス低下や術後不安につながるため、術式説明と同じ比重で事前に生活面の調整を提案するのが実務的な独自視点です。
術後・外来フォローで差がつくチェック項目(現場の落とし穴を潰す)
- 「レーザー後は目を使ってよい」の誤解整理:目を使うこと自体は問題ないが、視線移動や振動を避ける説明が必要(読書・PCは視線固定でむしろ良いという整理がある)。
- 体位制限がある手術:自宅環境(寝具、介護者、通院手段)と職務(運転、重量物、夜勤)を事前に聞く。
- “改善=完治”の誤解:飛蚊症が落ち着いても、網膜の状況が落ち着いたとは限らないため、予定通りの受診を強調する。
日本眼科学会(網膜裂孔):症状・原因(後部硝子体剥離、近視、外傷)・レーザー後の注意(1週間〜10日、振動回避など)
日本眼科学会(網膜剥離):前駆症状(飛蚊症、光視症)・視野欠損・検査(眼底、超音波)・治療(2つの手術法、ガス/体位制限)
MSDマニュアル(専門家向け):網膜剥離の分類(裂孔原性/牽引性/滲出性)と治療選択(レーザー/凍結、強膜内陥、気体網膜復位、硝子体切除)整理
網膜剥離 – 17. 眼疾患 – MSDマニュアル プロフェ…

スマホ世代の「隠れ失明」リスク ~自覚なき視野欠損と強度近視の罠~: 「近用メガネ」で眼球の寿命を延ばす! 私がたどり着いた最強の予防術