網膜周辺部瘢痕と網膜格子状変性とレーザー治療

網膜周辺部瘢痕と所見

網膜周辺部瘢痕:臨床で迷いやすい3点
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「原因」は1つではない

炎症後(例:トキソプラズマ)・変性(格子状変性)・治療後(レーザー光凝固)で、似た“瘢痕様”所見が出る。

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「裂孔・牽引」の有無が最重要

周辺部の裂孔、円孔、硝子体牽引があれば網膜剥離リスク評価と治療適応判断が必要。

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説明は“視機能”と“予防”を分ける

瘢痕部は基本的に機能しない一方、レーザーは剥離予防のために意図的に瘢痕を作る治療である。


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網膜周辺部瘢痕の所見と色素沈着

 

網膜周辺部に「白っぽい瘢痕」「境界明瞭な萎縮」「周囲の色素沈着」をみたとき、まず“それが本当に瘢痕(炎症後)なのか、変性・治療後変化なのか”を切り分ける必要があります。網膜の所見解釈では、瘢痕と周囲の滲出の組み合わせが疾患推定に直結することがあり、例えば瘢痕に隣接する網膜滲出物はトキソプラズマ症を示唆しうる、という整理がされています。

一方、臨床現場では「瘢痕=過去の炎症」と短絡しやすく、結果として裂孔・円孔・牽引といった“今起きている機械的リスク”の評価が後回しになるのが落とし穴です。周辺部病変は散瞳眼底検査や広角眼底撮影をしないと見落とされやすく、病変の形(線状/格子状、輪状、点状)、白線化した血管、網膜菲薄化の程度など“パターン認識”が重要になります。格子状変性では変性巣に走る血管の白線化や網膜の菲薄化、萎縮性円孔など、瘢痕に見える要素が同居し得ます。

医療従事者向けの説明としては、所見を「色(白色・黄白色・黒色)」「境界(明瞭/不明瞭)」「周辺の反応(滲出、出血、硝子体炎、血管炎)」「牽引(皺襞、立ち上がり)」「裂孔(馬蹄形、円孔)」の5軸で言語化してカルテに残すと、経過比較が容易になります。瘢痕そのものよりも“瘢痕の周囲で進行する変化”が重要で、特に新規の飛蚊症・光視症がある場合は周辺部の裂孔・剥離の除外が優先です。格子状変性や裂孔の領域では、牽引のかかり方次で無症状から急変まで幅が大きく、問診と所見の整合を丁寧に取る必要があります。shinkawasaki-eye+1​

網膜周辺部瘢痕と網膜格子状変性と網膜裂孔

網膜格子状変性は、周辺部に境界明瞭な紡錘型の変性巣として見え、毛細血管閉塞や網膜内層の非薄化が起きるため、裂孔(馬蹄形)だけでなく円孔(萎縮円孔)も形成され得る、という点が実務上の要点です。格子状変性は正常人の一定割合にみられ、周辺部病変としては頻度が高い一方で、全例が治療対象ではありません。

しかし、格子状変性があると硝子体牽引で裂孔ができやすく、裂孔から液化硝子体が網膜下へ流入すると裂孔原性網膜剥離を発症し得るため、「瘢痕っぽい白い変化」の背景に裂孔が隠れていないかを必ず確認します。裂孔原性網膜剥離の症例で格子状変性がみられる割合が高いという臨床的事実もあり、周辺部瘢痕様所見を見たら“格子状変性〜裂孔〜剥離”の連鎖を常に頭に置くのが安全です。

患者説明では、「格子状変性そのものは無症状が多い」「症状(飛蚊症・光視症)が出るのは裂孔や剥離など合併症のときが多い」という整理が有用です。格子状変性でレーザーを検討する典型条件として、裂孔の存在、萎縮円孔の存在、片眼に裂孔原性網膜剥離の既往などが挙げられており、単なる“瘢痕様変化”を見たというだけでは適応になりません。

また、周辺部病変は視力に直結しにくいため放置されがちですが、裂孔原性網膜剥離は緊急性が高く、院内の紹介ルート(当日/翌日)や散瞳可能体制を含めた運用が診療品質に直結します。所見が曖昧な場合は、広角眼底写真(OPTOS等)で病変の位置と形を固定し、次回比較できる状態にするだけでも事故予防効果があります。格子状変性は広角眼底撮影なしでは見つかりにくい、という現場的ポイントも押さえておくとよいでしょう。

参考)網膜裂孔の原因とレーザー治療|茨城県水戸市の小沢眼科内科病院

網膜周辺部瘢痕とレーザー治療と光凝固

網膜光凝固(レーザー)では、網膜にレーザーを照射して凝固斑を作り、その部位が一種の“やけど”として瘢痕化する、というメカニズムが基本です。つまり、レーザー後に周辺部に瘢痕が見えるのは異常所見というより、治療目的に沿った結果として理解できます。

臨床的には、裂孔や円孔の周囲にレーザーで網脈絡膜瘢痕癒着を作り、裂孔から液化硝子体が網膜下へ侵入するのを抑えて網膜剥離の発症を予防する、という説明が最も誤解が少ないです。ただし、レーザーで100%剥離への進展を予防できるわけではなく、治療後に剥離を発症して手術適応になるケースもある点は、あらかじめ共有すべき重要事項です。

患者が不安になりやすいのは「瘢痕=悪化」「焼いた=視力が落ちる」という直感です。ここでは、“視機能を犠牲にしても剥離という大きな破綻を防ぐ”というリスク・ベネフィットの構造を丁寧に言語化します。実際、レーザー照射部は瘢痕化して機能しない部分になり、酸素や栄養需要が減る、という説明が一般向けにも提供されています。

参考)網膜光凝固治療|はやかわ眼科

さらに医療者向けの注意として、レーザー凝固後の瘢痕(瘢痕組織)が視覚に影響し得る、瘢痕が大きい場合は視力低下リスクがある、という合併症の観点も押さえます。周辺部レーザーで中心視力への影響は通常限定的ですが、照射範囲が広い場合や黄斑に近い場合、あるいは炎症反応や眼圧上昇を伴う場合は例外があり、術後フォローの説明責任が生じます。

参考)大阪市平野区で眼のレーザー治療なら眼科高橋クリニック│喜連瓜…

(参考:レーザーが“瘢痕化(やけど)”を作る仕組みの説明)

池袋サンシャイン通り眼科診療所:レーザー光凝固術で凝固斑ができ瘢痕化する点

網膜周辺部瘢痕とトキソプラズマ症

網膜周辺部瘢痕を「炎症後瘢痕」として考える場合、鑑別に挙がる代表が眼トキソプラズマ症(トキソプラズマ性網脈絡膜炎)です。日本の公的情報でも、先天性眼トキソプラズマ症は陳旧性瘢痕病巣で見つかることが多く、病変が網膜周辺部や乳頭周囲に存在することもある、と整理されています。

さらに重要なのが再発で、瘢痕病巣の約3分の1が再発し、瘢痕病巣の近くに色素沈着のある娘病巣として出てくることがある、という点です。つまり「昔の瘢痕だから終わり」ではなく、瘢痕の周囲に新しい活動性病変が出ていないかを継続的に見る必要があります。

臨床では、活動期の兆候(新規の滲出、硝子体炎、血管炎、視力/霧視の変化)を拾うことが鍵になります。一般向け解説でも、治癒した病変が“色素を伴う境界明瞭な萎縮性瘢痕”となること、再発の年齢帯として10~20歳代が多いこと、再発時に飛蚊症や霧視を訴えやすいことなどが述べられています。

参考)トキソプラズマ症

周辺部瘢痕が見つかったときは、既往歴(妊娠・周産期、免疫抑制、猫との接触歴など)だけに引っ張られず、あくまで眼底所見と炎症所見の組み合わせで“今の活動性”を評価するのが安全です。瘢痕のそばに滲出があればトキソプラズマを示唆しうる、という一般的整理も診察時の思考の助けになります。

参考)Table: 網膜所見の解釈-MSDマニュアル プロフェッシ…

(参考:公的機関の眼トキソプラズマ症まとめ:周辺部病変、再発、娘病巣の記載)

国立健康危機管理研究機構(旧NIID系)IASR:眼トキソプラズマ症(再発・瘢痕・周辺部病変)

網膜周辺部瘢痕と広角眼底撮影(独自視点)

検索上位で頻出なのは「格子状変性」「裂孔」「レーザー」ですが、現場で実は効くのが“広角眼底撮影をどう運用するか”という設計です。格子状変性は散瞳検査や広角眼底撮影を行わないと見つかりにくい、という指摘があり、裏を返すと「撮像の習慣化」だけで見落としが減る領域でもあります。

特に「周辺部瘢痕っぽい」「他院でレーザー歴があるが情報が曖昧」「患者が飛蚊症を訴えるが散瞳を嫌がる」といったケースでは、まず広角で“位置と形を固定”してから追加検査を組むことで、説明の精度とフォローの安全性が上がります。撮像は診断の代替ではありませんが、経時変化(色素沈着の進行、レーザー瘢痕の成熟、裂孔周囲の変化)の比較材料として強力です。

また、レーザー後瘢痕は時間経過で色素沈着して黒色に変化する、といった“見え方の変化”も患者不安の種になりやすいので、写真を用いて「治療後の自然経過として起こり得る見え方」を共有すると問い合わせや受診のタイミングが適正化します。レーザーの目的が網脈絡膜瘢痕癒着による剥離予防であることも、画像を見せると理解されやすくなります。

さらに医療安全の観点では、広角眼底撮影を「所見の共有フォーマット」として使うのが有効です。紹介状に“周辺部瘢痕”とだけ書かれても受け手は困りますが、画像があれば裂孔疑い・格子状変性・レーザー跡などの議論が一気に具体化します。網膜剥離リスクの評価は時間との戦いになることがあるため、チーム医療の情報伝達を最短化する工夫として位置づける価値があります。



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